戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第二十五話 田中中佐!本当にやったぞ路線変更!!その十七
「それで何でだ!」
「何でコインが入った!」
「こんな展開あるか!」
「負けないと駄目だろ!」
「へっ、負け犬の遠吠えかよ」
「世界中から聞こえてくるぜ」
誰もが二人の勝利を望んでいないことさえだ、二人は楽しんでいた。
「いいねえ、この流れ」
「俺達はもうコイン入れたからな」
「後はわかるよな」
「言うまでもないな」
「くっ・・・・・・」
歯噛みしたのは瞬だった。
二人がコインを入れ終えた、それならばもう勝負は決まっていた。ここで瞬がコインを一枚でも入れるとだった。
そして実際にコインを入れるとだった。
水が溢れ出た、それを見てだった。
二人はいつも通りだった、岩場の上に立ち。
波間の間でそれぞれ腕を組んで言った。
「正義は勝つ!」
「私達の負けよ」
瞬は苦々しい声で言った。
「残念だけれどね」
「よし、敗北宣言来た!」
「その言葉を待っていたぜ!」
「やっぱり勝つのは気持ちいいぜ!」
「勝った奴が正義なんだよ!」
「けれど。おかしいわね」
歯噛みしつつだ、瞬はここでこうも言った。
「あんた達はコインを入れても水が溢れなかったって」
「ああ、それな」
「イカサマ使ったんだよ」
二人はあっさりとそのカラクリを話した。
「実は普段からな」
「俺達おもちゃの金色のコイン持ってるんだよ」
「おもちゃの!?」
「本物のコインより薄くて軽いんだよ」
「だからコインのイカサマの時使ってるんだよ」
「両方共表でな」
「コイントスのイカサマの時に使ってるんだよ」
ギャンブラーがよく持っているそうしたものだというのだ。
「で、それをな」
「グラスの中に入れたんだよ」
「金貨よりずっと軽いしな」
「しかも薄い」
「その分だけ質量がないからな」
「二枚入られたんだよ」
これが二人がそれぞれ一枚ずつコインをグラスの中に入れることが出来た理由だ。そうしたコインを使ったからなのだ。
「どうだ、これが俺達の勝利の理由だ」
「凄いだろ」
「やっぱりギャンブルはイカサマだぜ」
「イカサマ使って勝ってこそ真のギャンブラーだぜ」
「おい、若い連中はよく見ておけよ」
勝ち誇る二人をテレビで観つつだ、大阪市内のある雀荘の親父が店の中のテレビの画面を指差しつつ店の客達に話していた。
「あれが人間の屑だからな」
「最低の屑ですね」
「屑の中の屑の中の屑ですね」
「博打やってもあんな風にはなるなよ」
同じギャンブラーからもこう言われるのだった、汚物を見る目で見られつつ。
しかしだ、二人はというと。
今は勝ち誇っていた、そのうえで今回の勝利を喜び雛形あきこさんの写真集とDVDもゲットして楽しむのだった。
だが新たな戦力を手に入れた日帝衆との戦いは続く、最後の勝利の日まで戦えジャスティスカイザー負けるなジャスティスカイザー!
第二十五話 完
2015・3・20
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