英雄は誰がために立つ
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Life11 本命
グレモリー家本邸前防衛戦線では激闘が続いていた。
ヴェネラナとグレイフィアと言う万夫不当の女性悪魔が連携すれば、どの様な賊であろうとも結果は火を見るよりも明らかだと言うのが、グレモリー家に仕える者達の共通認識だったからだ。
しかし、その予想が見事に覆されていた。
「まさか此処までやるとは、思いもしませんでしたよ?俗物」
ヴェネラナ・グレモリーは全盛期であれば魔王級だった。
今でこそ歳を取り若干衰えているが、現時点でも準魔王級の力を持っているのだ。
それが2体1とは言え、こうまで拮抗している現実を見れば多少なりとも辛辣な言葉でが混じっていたとしても、それ相応の評価になる。
しかし、そんなものを素直に受け取る敵はいない。
「悪魔風情に褒められてもな。なぁ?犬飼健」
「ああ、全く同意するよ。楽々森彦」
セイバーの従者たる2人は、ヴェネラナの辛辣なれど一応の褒め言葉に対して含む言い方をする。
その言い方にヴェネラナは、眉を吊り上げ乍ら睨み付ける。
「賊風情が随分な言葉を並べてくれるものね?」
そう言いきると、滅びの魔弾の雨を真正面からセイバーの従者たちに浴びせかかる。
それらを手の動きだけで察知していたのか、あっさり躱し剣で捌きながらヴェネラナに2人揃って突っ込んで来る。
「クッ!」
2人を近付かせまいと、魔弾の雨の発射口である手を様々な方向性や角度で動かすも、相手は確実に自分に近づいていた。
そこへ背後から、グレイフィアの声が聞こえて来た。
「奥様!後ろですっっ!」
「っ!?」
敵の攻撃を避けたグレイフィアだったが、本当の狙いは背後が完全に無防備状態になっていたヴェネラナだった。
グレイフィアは、ヴェネラナの背後に突っ込んでいく留玉臣に向けて魔力弾を瞬時に放とうと狙い定めるが、セイバーからの鋭い斬撃により妨害を受けて無理矢理中止させられた。
そんな切迫した状況に、近くで暴走中の魔獣と戦っていた執事や給仕も気づくが、最早手遅れ。
留玉臣が、ヴェネラナの背中から斬りかかろうと振りかぶる直前だった。
『奥様ぁああーーーー!!!』
仕える者達の空しい叫びが響く。
しかしそこに、ヴェネラナの背後のほぼ直前まで来ていた留玉臣の前に、金色の“何か”が来た。
ギィンッッ!!
「何!?」
『!?』
そして金色の“何か”――――士郎がグレモリー家に送った金色の盾が、留玉臣の斬撃を阻んでいた。
さらに、その金色の盾を持っていたのは小猫だった。
「小猫さん!?」
「無事で・・・・・・良かったです」
小猫が何故このタイミングで現れたのかと言う怪訝さが先行していたヴェネラナだったが、小猫が所持していた金色の盾のおかげで直に理解できた。
「その盾が、私の危機を知らせてくれたのかしら?」
「はい・・・!」
ヴェネラナの疑問をよそに、間に合った事が嬉しかったのか、目尻に涙を溜めこみながら小猫は笑顔で肯定した。
しかし勿論、それを阻まれていた敵は憤りに駆られていた。
「人外の尖兵がよくも・・・!!」
仕切り直してヴェネラナと小猫に斬りかかろうとするも、留玉臣は自身の危機を瞬時に察してバックステップでその地点から離れる。
そこに、ほんの少し遅れてから滅びの魔力弾と雷が放たれていた。
「躱された!?」
「予想通り手練れですわね」
そこに、放った人物であるリアスと朱乃が門から出て来ていた。
「お嬢様、何故出てこられたのですか?」
セイバー相手に基本的に接近戦は分が悪いと言う判断から、距離を取りながらの魔力弾で応戦していたグレイフィアは、敵と向かい合いながらも横目でリアス達を捉えながらも怪訝さを露わにする。
「何故って、お母様の危機を察知して――――」
「それだけでは無いようですが?お嬢様の顔は焦燥に彩られています」
グレイフィアとしては別に責めているワケでは無い。
リアス達の判断によりヴェネラナが助かった事は変えようのない事実であるし、特別な理由がなければリアス自身がヴェネラナの言い付けを破るとは思えないからだ。
「ゼノヴィアがいないの!」
「それで連れ戻しに行こうと思いまして・・・」
『!!?』
「・・・・・・・・・・・・・・・」
リアスの発言に、その場にいた敵味方の区別なく、それぞれ反応する。
ヴェネラナとグレイフィアは、リアス達を城内に引き返す様にと言った時に、何故ゼノヴィアについて確認をしなかったのかと自問自答する。
そしてセイバーは、気付かれたかと顔にはほぼ出さない様にしながらも、焦燥さが心中を少々染め上げた。
それに、自問自答しながらも向かい合っていたグレイフィアだけが、敵であるセイバーの僅かな機微に気づいた。
「決して自惚れるワケではありませんが、私は常にあらゆる事態を想定して動きます。にも拘らず、お嬢様の眷属のお1人がいない事に気付けなかったとは・・・・・・何か知っているようですね?私たちに何をしたのです?」
「・・・何の話だ?」
グレイフィアの指摘にセイバーは、僅かに焦りを見せた。
グレイフィアの疑問には確かな仕掛けがあったからだ。
今回のセイバー側の作戦の要は、藤村士郎の身柄を押さえる件で脅迫するための人質候補の中で、直前まで選定した結果選ばれたのがゼノヴィアだった。
そこで、微弱なれど効果は確かなある術を、このグレモリー領一帯に掛けていたのだ。
その術の効果は、ゼノヴィア・クァルタの存在を一時的に忘却の彼方に飛ばす事だった。
しかし、この術は効果が強すぎると対象者たちに違和感を感じさせるのが早いので、精度をワザと微弱に設定した上で掛けたのだった。
故に、もう気付かれたのかと焦っていた。
ゼノヴィア・クァルタの奪取のためだけに、今回これ程の広域にわたる陽動作戦を仕掛けたのだから、成果が上がらないとなれば大損だ。
「話す気が無いのは判っていますよ。ですから当初の予定通り、拘束してから聞きだします」
「ずいぶんと舐めてくれるな!この畜生めっ!!」
「その様な台詞、私の懐に踏み込んでから言って頂きましょう」
睨み殺すようなセイバーに、冷ややかに瞳を浴びせるグレイフィア。
それを合図に2人はまた戦闘を再開した。
グレイフィアは、あくまで距離を保って魔力弾のシャワーを浴びせる。
そしてセイバーは、それらを剣でいなし捌きながら近づこうとするも、なかなか距離を縮められずにいた。
「グレイフィア!私たち、ゼノヴィアを迎えに行きたいのだけれど・・・」
「申し訳ありませんが今は難しいです。この者達に背中を見せれば危険です!それに、よしんば魔獣の群れを突破できたとしても、敵が潜んでいないとも限りません」
「・・・・・・・・・クッ!」
グレイフィアの答えに、悔しげに頭を垂れるリアス。
ゼノヴィアの迎えを行くためにもこの状況の打破をするしかない現実に、リアス達の焦燥感は最大限まで引き上げられていた。
-Interlude-
「ふむ?矢張りばれたかな」
此処は、旧首都ルシファードを見渡せる丘。
そこに、陣取っていたキャスターが振り向くと、少々離れた地点に途中で合流した祐斗と炎駒が敵意をむき出しにしながら構えていた。
「貴方が会談襲撃時に加え、ルシファードにゴーレムを使って攻撃している術者ですね?」
「確認を取らなくても理解できると思うけど?」
「なら今すぐ中止してもらいましょう。そして、私のサーゼクスの審判を受けて貰います」
「断るよ。如何して圧倒的有利にも拘らず、投降しなきゃならないのか理解しかねるね?」
説得は難しいと理解しながらも口にした言葉を、淡々とした声音で否定するキャスター。
この事に、祐斗と炎駒は激情を押さえながらも冷静であることを努めようとした。
そして何故、2人がキャスターから距離を置いているかと言えば、それは丘の上に居るキャスターを中心に辺り一帯がゴーレムの軍勢で埋め尽くされていた。
大小あれど標準タイプから首なし騎士型に加えて、初めて見る中型位の飛龍タイプもあり、これら全てが敵術者――――キャスターの護衛と思われた。
「なら、無理矢理にでも来てもらいます!」
祐斗は、威力の高い聖魔剣を振りかぶり、無理矢理ゴーレムを一刀両断にする。
まだまだ沖田総司ほどの剣士としての腕が無いので、威力の高い得物を選ばなければならないのが祐斗の現時点での実状だった。
それに、言い訳になるかもだが祐斗は元々テクニックとスピードタイプだ。
その為に、剣士としての才能は無いが自分よりも経験豊富かつテクニックを極めていると祐斗は思っている士郎にも、その当たりで師事しているのだから。
現に祐斗は今、聖魔剣以外に魔剣を造りそれをゴーレムに突き刺して足場にして飛び上がる。
そこに、飛龍タイプのゴーレムが祐斗目掛けて突っ込んで来るが、それにも剣を突き刺して剣の柄から無理矢理身を乗り出して、それをさらに足場にしてキャスター目掛けて飛び上がろうとした処で片足だけが離れなかった。
「なっ!?」
「舐めないで貰おうか。聖魔剣の使い手よ」
如何やらキャスターの操作により、足場にされたゴーレムの背中部分を一時流動化させてから、祐斗の片足を捉えたようだった。
そのまま宙に居たゴーレムは落下していき、祐斗も為す術も無くそのまま落下していったが、宙を駆けて来た炎駒の炎により、祐斗の足を火傷させないように注意を払いながら溶解させて救出した。
「気持ちは判りますが、焦りは禁物ですよ?」
自分の背に乗せてから、一旦距離を取りながら祐斗を窘める。
「すいません。炎駒様」
自分の失態に反省しながら祐斗は素直に謝罪をする。
そんな祐斗をキャスターは只観察していた。
(あの聖魔剣の使い手の子供は確か、藤村士郎の家に住む込むようになった転生悪魔・・・・・・候補の1人じゃないか。これ程の広域作戦でも失敗する確率も決して高い訳じゃ無いが、保険はいくつあっても足らない事は無いかな)
そうして手を動かすキャスター。
それに連動して、飛龍タイプのゴーレムらは、炎駒と祐斗に殺到する。
「な、何だ!?」
「これは・・・!」
自分たちに向かってくるゴーレムに驚きながらも、祐斗はキャスターを睨んだ。
「如何いうつもりです・・・!」
「如何いうつもりも何も、僕たちは敵同士の筈だけど?まぁ、本音は君は人質役として使えそうだからだけどね」
「人質役?」
「そう、藤村士郎の身柄を押さえるための脅迫材料としてね」
「士郎さんの!?」
敵から士郎の名前が出てきたことに驚く祐斗。
そこで何故と考えたかったが、状況がそれを許してはくれないようだった。
「クッ!このっ!」
「速度を上げます。しっかり掴まってて下さい!」
自分たちに殺到してくるゴーレムから逃げようとする祐斗達。
この事態に攻守は逆転して、逃げる羽目になった。
本当であれば、敵の――――キャスターの身柄を拘束しなければならないのに、状況の逆転に祐斗も炎駒も悔しげに対応するしかなかった。
-Interlude-
旧首都ルシファードの南門では、サーゼクスがある考えをしていた。
(このゴーレム達の動きから、何が何でも門を潜ろうとする意思が伝わってこない。そもそも、ルシファードに侵入する上で門である必要はない。塀を乗り越えるなり壊すなりすればいいのだから。と言う事は、まさかこの動き・・・・・・・・・足止めっ、或いは陽動か!?)
そう思い付くと、この旧首都ルシファード以外に煙が上がっている場所に眼を向けるが直に忌々しそうに切り替えた。
(これが陽動なら何処かに本命があるのだろうけど、私は魔王としての立場と責任上、ここを離れるわけにはいかない。つまり敵は私をこの旧首都ルシファードに釘付けにすると言う最低限の事は果たせていると言う事に成るな。如何か皆、無事でいてくれ・・・!)
力を持ちながら立場と責任がサーゼクス・ルシファーと言う悪魔を縛っていた。
この事に嘆きながら大切な者達の無事を祈らずにはいられなかった。
そんな時、空を見上げていたサーゼクスの視界には、如何考えても鳥には思えないだろう“何か”が空を駆けているのが見えた。
(炎駒では・・・無い。アレは一体・・・?)
サーゼクスは、その未確認飛行物体を視線で追うしかなかった。
-Interlude-
サーゼクスが視界に居れたのは戦車だった。
その戦車を引くのは2頭の神馬と遥か昔にある都市で略奪された名馬だった。
そして、その戦車の乗り手は翠色の髪を風になびかせていた。
全体的に軽装備な甲冑を着込んだ、眉目秀麗の美青年だ。
そしてその青年は、旧首都ルシファードから一番近い軍事基地を視界に入れると、口元をニヤッとさせた。
「さぁ~て、まずは此処からだ!行くぜ、疾風怒濤の不死戦車!!」
乗り手が気合を入れると、3頭の馬もさらに速度を加速させる様に移動速度を速めた。
そして今現在、完全に膠着状態で敵アーチャーが仕掛けた罠の山であろう基地施設の周りに思いっ切り突っ込んだ。
そしてそのまま速度を落とさずにその周辺一帯を駈け回る。
その間には勿論罠が作動しているのだが、戦車の速度が高すぎて罠が作動する頃には既にかなりの距離がある場所まで移動しているので、全ての罠が空振り状態で終わっていた。
そん光景を、罠と敵の謎の爆発攻撃を警戒して施設外に出られていなかった軍人と、罠を仕掛けた本人が唖然として見ていた。
(な、なんだありゃ!?何かが罠一帯を駆け回っているのは辛うじて判るが、ブレててよく解らん!)
しかしそれでも、彼はアーチャークラスにて招かれたサーヴァント。
凝視しながら見ていくと、ある程度は目が慣れて来る。
(このまま何にもせずに負け戦になるのも癪だし、仕掛けるか)
そうして自身の弓であるイチイの弓に毒矢を翳して待つ。
そして――――。
(ここ、だろっ!)
丁度自分のベストポジションに入った所に、戦車の騎手の後頭部付近を狙撃した。
そしてそのまま吸い込まれるように戦車の騎手の後頭部まで弓矢が当たろうとした直前に、騎手の左腕が前を向いたまま矢の箆を掴みとった。
(マジかっ!?)
思ってもいなかった防御に、驚愕を隠せずにいた。
そして同時に悪寒が走り、霊核の2つの内の1つである頭部内で警告音が鳴り響いたので、経験則も働きそのまますかさず霊体化してその場を離脱する。
そしてその判断が正解だったようで、敵アーチャーが消えたコンマ0,001秒後に、戦車に乗っていた騎手の青年が槍を突き刺していた。
「チッ、逃がしたか。けど、まあいいか。それより次に行かないと、なっ!」
そのままその地点を飛び退くと同時に、タイミングよく来た無人の戦車に乗り込んで再び空を駆けていく。
それらを終始見ていた軍人達はあまりに圧倒され過ぎて、空を駆けて去って行く戦車を呆然と見送るしかなかった。
-Interlude-
ほぼ同時刻。
ゼノヴィアは今も1人で修業に真剣に取り組んでいた。
しかしその格好は包帯だらけだった。
彼女は既に悪魔の身なので、デュランダルだろうとアスカロンだろうと聖剣の扱いを少しでも誤れば、反動により多かれ少なかれ怪我をしてしまうのだ。
しかし、ゼノヴィアは生粋の聖剣使いとしての才能があるため、徐々に慣れつつあった。
そんな真面目に修行している最中に、ある違和感を感じた様だ。
「?何だ・・・?」
気のせいかと思い、また聖剣と向き合う。
しかしその違和感は正しかった。
事実、此処から20キロ前後しか離れていないグレモリー家本邸や、一誠の修業地の山では今も直激戦の途中で、冥界の大地を震わせていたのだから。
しかし、なぜ彼女だけが気付かないのかと言えば、ゼノヴィアを中心とした半径5キロほどの敷地内で、周りの音や景色を偽装する魔法をかけている術者がかなり遠くに居るからだ。
これもひとえに、ゼノヴィアが今回の敵の本命であるからだ。
勿論、それに気づける筈も無く、ゼノヴィアは修行を続ける。
だがゼノヴィアは、ふと背後が気になり後ろを振り向くと、目元だけの骸骨の仮面に黒子の様な恰好をした怪人が自分に迫っていた事に気付いた。
「なっ!?」
驚くと同時に咄嗟にそれを躱す。
「チッ」
骸骨の仮面をした黒子――――アサシンは、クラス別能力スキルである『気配遮断』を使っても後ろからゼノヴィアの身柄を確保できなかった事に、不満を露わにする。
しかし、ゼノヴィアがタイミングよく後ろを向いたのは偶然でもなんでもない。
彼女は一誠とは違い、元々戦士だったので、気配を捉える手段はある程度身に着けていた上、士郎の下での日々の修業の賜物のおかげで気配察知は戦士だった時以上に冴える様になっていた。
そんなゼノヴィアの気配察知と、攻撃に転じる事で『気配遮断』のランクが落ちてしまったアサシンの行動が組み合わさり、身柄の拘束を失敗してしまったのだ。
「お前は一体、何だ!」
「・・・・・・シッ!」
「聞く耳なしか!」
ゼノヴィアが徐々に状況を把握しながらも、糾弾に近い疑問をアサシンに投げかけるが、問答無用で短剣を投擲してくる。
それに対して聖剣で対応するが、それを何度も繰り返していく内に修行の披露が祟り、ゼノヴィアは徐々にふらついて来た。
そして、それを見過ごす程アサシンは甘くない。
「今だ、やれ!」
目の前で対峙していたアサシンの言葉が合図になり、ゼノヴィアの背後から背格好や筋肉の付き方などが僅かに違っているが非常に似ているアサシン4人が襲い掛かる。
それを気配だけは察知出来ていたので、後ろを振り向かずともマズイと理解出来てしまった。
(やられるっ!?)
前に居るアサシンに背も向けられずにこのまま終わるかと思いきや、後ろから感じたのは死の感触では無く、自分以外の何かが切られる音と呻き声、そしてけたたましい位の轟音だった。
『ぐっぎゃぁあああ!!?』
ズッシャッァァアアアン!!!
「なっ!?」
「え?」
予想外の展開に驚くアサシンと、何が起きたのかとそして今がチャンスと振り向いたゼノヴィア。
そのゼノヴィアが振り向いた先に立っていた人物を見た時、我儘な話だが落胆した。
以前に、桐生に教わった知識にヒロインが危ない時にヒーローは颯爽と現れてヒロインを助けてくれると教わっていたにも拘らず、想像していた人物が士郎では無いと確信できてしまったためである。
そこに居たのは白銀の魔剣士だった。
何故彼女が、この魔剣士を士郎では無いと瞬時に確信できたかは、ズバリ身長の高低さだった。士郎はもっと背が高くて凛々しくてハンサムだからだと、途中から何時ものゼノヴィアの暴走妄想が始まった。
しかし、そんな暴走妄想に傾きそうになっても、現実に思考をちゃんと傾けていたのである言葉を紡ぎ出した。
「誰?」
白銀の魔剣士に、そう告げた。
後書き
はい!彼のギリシャ神話の2大大英雄の内の1人の登場です。
若しかしたら士郎の仲間にするには強すぎじゃね?と思う方もいるかもしれませんが、今後の原作の敵とリリン率いるクリフォトに出て来る敵や、その後に勝手に予定しているオリジナルストーリー中の敵キャラクター達の強さ及び組織としての規模などを考えれば、彼の大英雄が士郎の味方の1人である位は別に丁度いいんですよ!いや、寧ろ足らないかも・・・。
と言う事で言い訳でした!ではまた次回お会いしましょう!
ではでは!
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