4.神無異がクトゥルフ神話舞台に行くよ!
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ー屍
紅
雨
K••••?
白「••••••何••••だよ••••これ••••••、K目ぇ覚ませよ••••。」
死体は何も喋らない
白「何だよこれ••••、俺は何もしてない、何も••••!」
『なに言ってんだよォ••••ぜぇーんぶお前がやったんだぜェ?』
地を這うような低い声が聞こえる
白「嘘••••だ••••、俺は••••••。」
『いずれお前自身が起こすことだぜェ、見てみろォ••••お前の周りをなァ••••。
お前が殺してきた人間••••これから殺すことになる人間だァ。』
白「••••ざけんな••••••、俺はもう、あんときとは違う••••!」
『おもしれェこと言うなァ!
結局何にも変わってねぇんだよォ!
化物には何一つ救えねェ、ただ壊すしかできねェだろうがァ!』
白「煩い‼︎」
死体がバラバラに飛び散る
白「何なんだよ••••俺こんなこと••••••ー」
誰かが肩に手を乗せる
白「K••••、俺は••••••••‼︎」
K「私の下半身は何処ですか?」
紅い空、死体の野原、紅に染まった大地
ここは、地獄だー
白「ッッッッッッ‼︎」
白夜が目を覚ます、がチャリと扉が開きKが白夜に近づく。
K「おはようございます、珍しく私が早起きー」
白「ッ‼︎」
Kの頬に何かが掠めて血が流れる、白夜がKに対して攻撃をしたのだ。
Kは放心状態、白夜は自分のしでかしたことに気がつくと、猫のように逃げ去ってしまった。
Kは少しして我にかえる、白夜がいないことに気が付き、急いで探しに行く。
白「違う違う違う違う••••••」
膝を抱えてブツブツと何かを呟く白夜を発見したK、白夜は注意散漫になっているからかまったく気がつかない。
K「風邪ひきますよ。」
白夜の体がびくりと震える。
白「••••何で••••••来たんだよ••••。
••••••••さっきは悪かった••••。」
K「ちょっと驚いただけです、風邪ひきますよ、帰りましょう。」
白「••••俺••••••••お前のこと殺そうとした••••、きっとまたお前のこと殺そうとする••••••••、一緒にいない方がいい••••。」
白夜はギュッと膝を抱え込む。
K「あなたに私は殺せませんよ、友達ですから。」
白「••••そんなわけない、俺は殺す••••、殺人鬼だから••••••••。」
K「••••白夜さん、出会ったときから好きです。」
白「何、いきなり••••?」
K「私がハッキングを始めたのはあなたに出会ってからです。
私はあなたに一目惚れしました、だから近づきたくて始めた。
ようやくあなたに近づけました。
私は人間、どうせすぐに死んでしまうでしょう、一生のときを経ても、あなたと同じ場所には立てないでしょう。
それでも、私はあなたの隣にいて、あなたを守りたいと思いました。
たとえあなたが心のない殺人鬼でも、たとえあなたに殺されたとしても、あなたに巻き込まれて死んでしまっても、その想いは変わらない。
あなたを外敵から守ることはできない、むしろ私が守られて足手まといになるだけです。
でも、私に守らせてはくれませんか?
あなたの心を。」
白「••••••••なんだよそれ、理解不能だな••••。
K、言ってる意味わかってるのか?
お前は自ら犯罪者になろうとしてるんだぞ?」
K「あなたの為なら私は犯罪者にだってなれますよ。」
白「••••くっ、あははっ!
お前面白いこと言うね、でもまあKらしくて俺は好きだよ。
そうだなぁ、俺がもっと大きくなったそのときは、お前から告白してくれよ。
お前の気持ちがそのときまで全く変わっていなかったら、考えてやるからさ。」
K「本当ですか!」
白「約束だ。」
「「ゆびき〜りげんまん、嘘ついたらー」」
2人が笑う、雨も上がり、夕日が2人を優しく包み込んだ。
白「なあK、お前約束したよな••••。
告白してくれるって、言ったよな••••••?
何でだよ••••目を覚ましてくれよ、K‼︎」
突き刺さった鉄骨、流れる血、目の前の現実。
白「うわああああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎」
白夜は血に塗れたKを抱きしめる、それでも、涙は出なかった••••。
「お前が神崎 ケイを殺したんだろ?
神崎 ケイは有名人だからな、取り入ろうってやつも少なくねぇんだよ。
金が大量に手に入ったから用済みってか、最低なやろうだな?」
白「••••••。」
「なんとか言えや‼︎」
バンッと机が叩かれる、俯いていた白夜がようやく顔を上げた。
しかし、その眼は光すらない、血塗られたような紅色だった。
その異様さに冷や汗を流す警部たち。
白「••••••貴様ら人間にはつくづく絶望する、言おう、貴様ら人間は愚か者であると。
貴様らが我を殺人犯だと決めつけ、犯人に仕立て上げて牢に入れたいのなら入れればいい。
抵抗はせん、しかし貴様らには必ず禍が降りかかるだろうよ。」
静かに眼を閉じ、再度開く。
白い瞳孔、赤紫色の虹彩と人間ではあり得ない眼が警部たちを刺す。
白「さあ、捕まえろ、最愛の人を亡くしたいのなら捕まえろ。
貴様らに降りかかる禍は我の意思で降りかかるのではない。
逆恨みをしたらもっと不幸になる、覚えておけ。」
虚ろな瞳で催促する白夜に異様さを覚えた警部たちは、扉を開けて他の警部たちを呼んだ。
結局、白夜は牢に入れられてしまった。
しかし、虚ろだった瞳は、今は無邪気なものへと変わっていた。
出される飯には一切手をつけなかった白夜だが、痩せることも太ることも、肉体が汚れることも睡眠をとることもなく毎日を過ごした。
ただずっと、空と月を見て過ごした。
さすがに異様に感じたのか白夜は牢から出されて別の部屋に閉じ込められた。
監禁と言われてもおかしくはないだろう。
一日中カメラで監視され、飯もろくに与えられない。
もはや実験体のような扱いである。
それでも白夜は死なない。
飯にも手をつけず、肉体が汚れることも睡眠をとることもない。
ただある日を境に、白夜が月を見てはあと何日、とカウントダウンを始めた。
白「あと3分、あと3分••••。」
月を見て呟く、そのとき部屋に誰かが入ってきた。
白「誰かと思えば大統領さん、俺に何か用?」
「牢屋ではなくこんなところに閉じ込められているとはね、驚きだ。
君に尋ねたいことがあってね、君の呟いているカウントダウンは一体何だ?」
白「あ〜、魔王と時空が来る、あと3分でこの地球が滅亡する。」
「魔王?時空?どこのファンタジーかは知らないが、きっと睡眠不足なだけだ。」
白「空が紅に染まってる、災厄がくる。
お前ら人間みんな滅びる、結局あいつらの野望は分からなかった。
Kも救えなかった。」
紅色に染まった空が割れる、そしてついに、姿を現した。
白「アザトース、ヨグ=ソートス、災厄がついにきた。」
月が紅く染まった。
白「くだらない、実にくだらない。
どうしてこんな世界を愛するのか、俺には理解できない。」
白夜は立ち上がり壁に手を当てる、それだけで壁は崩れて粉々になった。
しかし白夜がいるところは周りには地面すらもない空中である。
ボディーガードのような男たちが止めに入るが、紙一重で間に合わなかった。
そう思った矢先、白夜は空中で停止していたのだ。
外なる神••••、常人ならたちまちSAN値を失い運が良くても一時的狂気に陥るであろう。
それでも白夜は何も変わらない、そこに存在(ある)ものを純粋な眼で見ているだけだ。
白夜が手をあげる、すると空中に巨大な燃え盛る物体が現れる。
普通の炎ではない、赤黒く染まった禍炎である。
それに気が付いた二体の外なる神は、恐れをなしてか後退を始めた。
そう、盲目白痴の神と言われたアザトースでさえ、存在の危機を感じるほどの強大な力。
それを白夜は何の思いもなく無慈悲に当てようとしているのだ。
白「ここはくだらない世界だけど、それでもKやエレンが産まれた故郷だから。
お前らの喧嘩で壊されたら困る、だからお前らを強制返還させる。」
ヨグ=ソートスは慌てたような行動をとる。
白「死にたくない?
これは俺が受けて消えないことは実証済みだし多分大丈夫だよ、え?俺じゃだめ?
何で?俺みんなと違うから、こんなの当たったら消えちゃうって?
••••しかたないなあ、それじゃあ帰してあげる、ここは壊しちゃだめだからね?」
注意して白夜は二体を強制返還させた、それが引き金になるとも思わない白夜だった。
後書き
••••吐血してもいいですか?
K、君が犠牲になるとは思わなかった。
恋愛は死亡フラグ、これを定着させようそうしよう。
K、かっこよかったぜ••••!
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