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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1034話

 教会前でのブーケトスが終われば、次に行われるのは披露宴となる。
 アメリカ式にはレセプションとかウェディングパーティーとかいう奴だが、ここはオーブであり、日本の流れを汲んでいるので披露宴と呼ぶらしい。
 ……ちなみに、アメリカの結婚式では花嫁のブーケトスの他に、新郎が新婦のスカートの中に顔を突っ込んでガーターベルトを外してそれを独身の男に投げるガータートスってのもあるらしいが、こちらもオーブは日本の流れを汲んでいるためか行われなかった。
 ただ、言うまでもなくムウとナタルは大西洋連邦……ぶっちゃけアメリカの出身だ。という事は、もしこの2人が今とは違う道を進んでくっついていたりした場合は、ムウがナタルのウェディングドレスの中に顔を突っ込んでいた、のか?
 俺の感性ではナタルがそんな事を許しそうには見えないんだが、大西洋連邦の出身となると実はその辺の行為に慣れ……とまではいかないが、知識はあった可能性がある。
 ともあれ、結局そのガータートスは行われる事なく終わり、現在は披露宴の席についていた。
 一応俺達はシャドウミラーの幹部一行であり、ムウの上司であるコーネリアや俺もいる事からそれなりにいい位置と思われる場所のテーブルに座っていた。
 ただし……

「ムウとの出会いはこのSEED世界にやってきた時。ヘリオポリスでの遭遇が最初だった。そして新婦のナタルもそのアークエンジェルの副長としの地位に就き、艦長でもあるマリューや当時はまだ民間人だったキラ、その他にもこの場にいる大勢の者達と協力しながら地上へと向かった」

 披露宴の席で俺がしているスピーチに、シャドウミラーの席にいるイザークが微妙な表情を浮かべ、同時にオーブ軍の席にいるディアッカやオーブ政府を代表してカガリと共にやってきた――ウズミは仕事の関係でもう帰った――アスランといった面々もイザークと同様だ。
 まぁ、この3人と今は既に亡きニコルがザフトとして他のコーディネーターと共にヘリオポリスを襲ったのだから、そうなってしまうのも無理はないか。
 あの時にヘリオポリスを襲ってGを奪っていった3人全員がここにいるのだから、人生ってのは何が起きるか分からない。
 原作ではニコルもブリッツを奪っていったが、この歴史だと俺がそれを防いでいたしな。

「それからも俺達は色々と苦労しながら移動を続け、その後このオーブで一時羽を休め、アラスカに向かった。そしてナタルやムウがアークエンジェルから降りたところでザフトが襲撃してきて、大西洋連邦が……いや、ブルーコスモスが仕掛けたサイクロプスによる自爆から逃れ、何故か戻ってきたムウと共に再びオーブに。そして俺達シャドウミラーと共に第3勢力として戦争を終わらせるべく行動を開始した」

 あの時の事を思いだしているのだろう。当時アークエンジェルに乗っていた者達や、あるいはザフトとしてアラスカに攻め込んだイザークといった者達がしみじみと何かを思いだしている。

「そうして宇宙に上がった俺達と戦ったのが、ナタル率いるアークエンジェル級ドミニオン。それを破った俺達は、ドミニオンからナタルを救出した。……つまり、ムウとナタルは最初は味方、その後は敵、最終的には再び味方と、二転三転して結果的にこの2人はオーブとその同盟国である俺達シャドウミラーに所属する事になり、愛を育んでいった」

 簡単に……そう、本当に大雑把だったり、問題になりそうな場所を抜かしてムウとナタルの馴れそめを説明する。
 それ自体は知っていた者も多かったんだろうが、初めて聞いた者達もいたのだろう。
 特に後者は、ナタルやムウがオーブに来てから知り合った者達か。
 ……ムウの場合は元々エンデュミオンの鷹という異名を持っていたので、それなりに有名だっただろうが。
 ともあれ、知っている者も知らない者もそれなりに気に入って貰えたようで俺の話に聞き入っている。

「敵味方となった2人が、こうして愛を育み結ばれるという事になったのは非常に目出度い事だと思う。これからも2人には、シャドウミラーとSEED世界の友好の為に末永く幸せに暮らして欲しい」

 まぁ、ぶっちゃけSEED世界って言うのならマリューと俺の関係があるんだけどな。
 けどマリューの場合はオーブに所属したナタルと違い、大西洋連邦から一気にシャドウミラーに来た。その辺を思えば、今回の件はシャドウミラーとオーブの友好の為と表現するのが正しいんだろう。
 その言葉に皆が拍手をしたのを見て、俺は自分の席に戻る。
 その後も、ナタルの上司だったりオーブの政治家だったりといった面々がそれぞれにスピーチをしていく。
 殆どがオーブの人物なのは、やはりどうしてもシャドウミラーの人数の少なさを現しているのだろう。
 唯一シャドウミラーで俺以外にスピーチをしたのは、それこそヘリオポリスからナタルと一緒にアークエンジェルを指揮してきたマリューくらいだった。
 一応そのマリュー繋がりでレモン達にしてもそれなりにナタルと知り合いではあるんだが、それでもこの場でスピーチをする程ではない。
 こうしてスピーチが始まってから30分程が経ち……それもようやく終わる。
 正直、最初にスピーチした俺が言うのもなんだが、こうして話を聞いてる分には退屈極まりないよな。
 ともあれ、そんなスピーチも終了し、それぞれが持っていたグラスを上に掲げ……

『乾杯!』

 こうして披露宴が始まる。……正確には料理を食べる事が出来るようになったというのが正しいか。
 勿論俺のグラスに入っているのはアルコールの類ではなくウーロン茶だ。
 レモン達も同様にアルコールを飲んでいない。
 その辺に関しては、俺の今までの行動を思えば少しでも俺がアルコールを飲まないようにと、前もってレモンが話を通してあったらしい。
 それでも結婚式の披露宴だけにアルコールを完全になくす訳にもいかず、結果としてレモン達を含めた恋人達のうち、最低1人が俺と一緒にいて監視するという事になってしまった。
 いやまぁ、それはそれでいいんだけどな。俺自身アルコールが苦手なのは事実だし。

「やぁ、アクセル代表。本日は非常におめでたい日ですな」

 そう声を掛けてきたのは……誰だ? 見覚えのない人物だ。
 そんな俺の表情に気が付いたのだろう。その男……50代程に見える男は、ポケットから名刺入れを取り出して俺の方へと差し出してくる。
 そこに書かれていたのは、オーブのTV局の中でも比較的大手の会社名だった。
 そして何より、以前シェリルのライブをオーブでやった時に放映を任されたという事で名前を覚えていた人物だ。

「ああ、確かシェリルの……」
「はい。以前はシェリルさんのおかげで大きなライブイベントを開催する事が出来ました。おかげでさまで、あの時の収入やら視聴率やらは物凄い事になってまして。嬉しい悲鳴というのを久しぶりに上げましたよ」
「そうか、それは何よりだ。……けど、それならシェリルのところには行かなくてもいいのか?」

 テーブルの上に乗っているスープ――ジャガイモの冷製ポタージュ――を口に運びながら尋ねると、男はとんでもないと首を横に振る。

「勿論シェリルさんには真っ先に挨拶をさせて貰いました。その後、シェリルさんの恋人でもあるアクセルさんに挨拶に来た訳で……」

 俺達の中では最もメディアに露出しているシェリルは、人を惹き付ける華というか雰囲気を持っているだけあって、当然各世界の人気は高い。
 そんなシェリルだが性格は別に変わった訳ではなく、相も変わらず自由奔放に振る舞っている。
 そんな中で、当然シェリルに対して恋人の有無とかを聞いたりする記者とかもいるんだが、シェリルの場合は普通にそれに頷くしな。
 まぁ、左手の薬指に指輪が嵌まっている時点でその辺は予想出来るんだろうが。
 その結果、SEED世界のネットとかでも俺は思いきり嫉妬されてディスられていたりする。
 シェリルのような相手と付き合っている以上、いわゆる有名税だと思ってスルーしているが。
 匿名掲示板とかでは、俺のアンチスレとかあるらしいしな。
 ホワイトスターにテロを仕掛けるとか、あまりに酷いようならネギま世界から電子精霊でも輸入して対処するかと考えているが、今のところは常識的な範囲に留まっているので様子見としている。

「シェリルの事だから、色々と迷惑を掛けると思うがよろしく頼む」
「ええ、彼女の人気はオーブ以外にも地球、更にはプラントの方でも人気ですから」

 地球はともかく、プラントの方で人気が出たのは納得出来るような、出来ないような……恐らくは以前行われたラクスとのライブから人気が出たんだろうが。
 ただ、ラクスとシェリルって歌の方向性が全く違うんだよな。シェリルの場合、どちらかと言えば偽ラクスのミーアとの方が近いと思う。
 いやまぁ、ラクスがプラントにいたり、DESTNYでミーアを発掘したデュランダルがオーブだったり、量産型Wの監視下に近い状態になっているのを思えば、この歴史ではミーアが出てくる事はないと思うが。

「それで、ですね。アクセル代表。実は幾つかお話がありまして」

 目の前の男の言葉に、意識を戻す。

「話? 俺にか?」

 シェリルの歌手としての活動に関しては、俺は殆ど関わっていない。
 シャドウミラーの広告塔という役割もあるシェリルなので、その辺に関しては政治班に任されている。
 ……まぁ、一応最高責任者が俺であるというのは事実である以上、この男の行動は不思議じゃないかもしれないが。
 だが、そんな俺の疑問に男は曖昧に頷きを返す。

「ええ、実は2つ程。1つは勿論シェリルさんに関する事です。……実は、以前シェリルさんを含めてシャドウミラー幹部陣の綺麗どころを揃えた写真集がありましたが、もう作らないのでしょうか? 実は元々初版がそれ程多くないという事や、重版もされていないということで、非常に品薄になってまして……出来れば、もう一度あのような写真集をお願いしたいのです」
「……ああ」

 その言葉に、フィリオが嬉々としてレモンを含むメンバーの写真を撮っていた事を思い出す。
 確かにあの写真集はかなりのプレミアがついたって話だったな。
 シャドウミラーと関係のある世界で売られたらしいが。今でもたまにオークションとかに出ては、洒落にならない値段で落札されているらしい。
 確かにそれだけの価値があるのは分かる。全員が全員、ちょっと洒落にならない程の美女だしな。その辺の女優やらアイドルやらが裸足で逃げるレベルの美女達の写真集である以上、ある程度のプレミアが付くのは理解していたんだが……
 あそこまでというのは、ちょっと予想外だった。

「どうだろうな。その辺に関しては俺の方でどうこうは出来ないから、個別に交渉してくれ」

 幾ら恋人であるとは言っても、写真集の発売を強制出来る筈もない。
 それ故に、そう言葉を返すしかなかった。
 だが、相手にしてもその返事は予想していたのか、特に残念そうな表情は浮かべずに頷く。

「そうですか。では、こちらでオファーを出してみます。それで、もう1つの方ですが……」

 そう呟いた男の目は鋭く光っており、こっちの方が本題である事を示している。
 なるほど、写真集の方は通ればラッキー程度の話題だった訳か。
 いやまぁ、プレミアでついている値段を考えれば、可能であればビッグチャンスだったのは間違いないだろうが。
 そんな風に思った俺の耳に飛び込んできたのは、予想もしていなかった言葉だった。

「実は、最近映画会社の方からメギロートを使った映画……正確にはめぎろーと君を使ったアニメの映画の企画書が持ち込まれまして」
「……何?」

 思わずそう問い返してしまったのは無理もないだろう。
 ちなみに、めぎろーと君というのはメギロートをSD化というか、デフォルメ化したものであり、オーブが大西洋連邦に攻められた時にシャドウミラーの主戦力として活躍したのを記念として作られたヌイグルミだ。
 オーブでは物凄い人気を誇っており、今では他にも『いるめや君』や『しゃどう君』、更にはそれらの家であるという設定の『にぶる』といったものまで売り出されていたりする。『にう゛る』ではなく『にぶる』なのは、恐らく対象年齢が子供というのが影響しているんだろう。
 当然それら全てはオーブでは大人気なのだが、メギロートに蹂躙されたと言ってもいい大西洋連邦では殆ど売れていない。
 それは地球連合の他の国でも同様なのだが……何故かプラントではオーブ程ではないにしろ、密かなブームになっているとか。
 ……そう考えると、映画化されるというのもそれ程間違っている話ではない……のか?

「アクセル代表、どうでしょう?」
「ん? ああ、そうだな。……悪いがすぐには返事を出来ない。政治班の方と相談してから返事をさせて貰う。ただ、俺としては前向きにその話を受け止めたいと思うけどな」

 そう告げ、色々とどうしてこうなった的な思いを抱くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179 
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