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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1033話

 空にあるのは、雲一つなくどこまでも続く青空。
 南国のオーブらしく太陽からは強烈な日差しが降り注いでいるが、それでも今ここにいる者達は特に暑そうな表情を見せていない。
 それはそうだろう。あやかや千鶴が氷の魔法を使って気温を調整しているのだから。
 教会の中であればエアコンとかも使えたのかもしれないが、今俺達がいるのは外だ。
 ホワイトスターの中であればシャドウミラーの技術班がどうとでもしてくれるのだろうが、ここはSEED世界であり、そんな技術がある訳もない。
 いや、モルゲンレーテ辺りであれば出来るのかもしれないが、教会の周辺にメカメカしい機械があるというのは色々と雰囲気的に台無しだろう。
 特に、結婚式をやる場所と考えれば尚更だ。
 ……そう、今日はいよいよムウとナタルの結婚式。シャドウミラーのメンバーだったり、あるいは俺達を通してムウと知り合いになっていた他の世界の住人だったり、SEED世界の関係者とかが現在大勢ここに集まってきている。

「アクセルさん、お久しぶりです!」

 そう声を掛けてきたのは、キラ。左右にはラクスとフレイの姿もある。
 キラも既に成人しており、暫く見ないうちに随分と大人っぽくなっていた。それはラクスやフレイにしても同様であり、以前はまだ子供っぽいところがあったが、今はすっかりと大人の女という様相になっている。
 2人共今日は結婚式ということもあってそれぞれドレスを着ているが、それがより大人っぽく見せていると言ってもいいだろう。
 キラはモルゲンレーテで頭角を現し、フレイはモルゲンレーテで秘書をしており、ラクスは相変わらずプラントとオーブを行ったり来たりしている。
 そんな3人に、俺もまた小さく手を上げて口を開く。

「今日は3人揃ってるのか。両手に花だな」
「あははは。何を言ってるんですか。僕が両手に花なら、アクセルさんは両手両足の指を全て使ってようやくってくらいの花じゃないですか」
「へぇ、言うようになった。以前はこの手のからかいですぐに顔を赤くしてたのに」

 スーツ姿のキラにそう告げると、そのキラの腕を抱いているフレイが見事な赤毛を掻き上げながら口を開く。

「それはそうよ。キラだってこの数年間私と一緒に暮らして、女の扱い方を覚えてきたんですもの。そのくらいは当然でしょ」
「そうですわね。確かにキラは最初に私とあった時に比べるとその手の機微が分かってきたように思えます」

 ラクスまでもがフレイに同意すると、キラは照れたように頬を掻く。

「おーい、キラ! 1週間ぶりだな、おい!」

 そんなキラに向かって声を掛けたのは、トールだった。その隣にはカメラを手にしたミリアリアの姿もあった。
 確かナタルたっての希望により、今回の結婚式でのカメラマンを任されたとか聞いている。

「アクセルさん、お久しぶりです。やっぱりアクセルさんも結婚式には参加するんですね」

 キラと話しているトールを横に、ミリアリアが俺を見つけてそう声を掛けてくる。
 友人に一直線のトールと、周囲に目を配っているミリアリア。この辺は同じ社会人でも一般の企業に勤めているトールと、カメラマンをやっているミリアリアの違いか?
 そう言えば、女がやってもカメラマンなんだよな。普通ならカメラウーマンとかになると思うんだが、そういう単語は聞いた事がない。
 ミリアリアの姿に、何となくそんな風に思いながら頷く。

「ああ。ムウの関係でな。他にもシャドウミラーのメンバーで用事がない者は殆どが来ているぞ」

 視線の先にいるのは、レモンを始めとしたシャドウミラーの面々。色々と知り合いや友人と思しき相手と会話をしている。
 意外な事にムラタの姿もあるが……特に知り合いがいる訳ではない為か、少し離れた場所にある木へと寄りかかって目を閉じていた。
 そんなムラタに声を掛けたそうにしている者もいるのだが、自然と滲み出る迫力に圧倒されているようで躊躇している。

「へぇ、そう言えば……」
「キラ、トール、ミリアリア、フレイ、ラクスさん、アクセルさん!」

 何かを言い掛けたミリアリアの言葉を遮るようにして掛けられる声。
 その声のした方へと振り向くと、そこにいたのはスーツ姿のサイとカズイの2人組だった。

「サイ、カズイ!」

 嬉しそうに手を上げて答えるキラ。
 その隣のフレイも、笑みを浮かべて軽く手を振っている。
 色々とあった面子だが、さすがに数年も経てばその辺のわだかまりもなくなるんだろう。
 まぁ、この3人……いや、ラクスも入れると4人の間に何があったのかは分からないが、折角の結婚式で修羅場を演じられるよりは随分とマシだ。

「久しぶりだな、2人共。今は何をしているんだ?」
「えっと、俺は大学の研究室ですね。カズイは……」

 俺の言葉にサイが答え、チラリとカズイへと視線を向ける。

「僕は食品会社で働いてます。マブラヴ世界に輸出している食品とかにも、僕の会社のがあるんですよ」
「……へぇ」

 随分と意外な事を聞いた。そんな風に言葉を返す。
 以前は内向的といった印象のカズイだったが、今は随分と社交的なように見える。これもきっと、就職して周囲の環境が変わったおかげだろう。

「それにしても、これでアークエンジェル組がかなり揃ったわね。ノイマンさんとかも来ているみたいだし」

 ミリアリアの視線の先には、確かにノイマンを始めとしたかつてのアークエンジェルのブリッジクルーの姿もある。色々と周囲の客達と話していて忙しそうだが。

「ムウさんとナタルさんが結婚ですか。付き合っているのは知ってましたけど、こうして実際にその日が来ると羨ましいですね」

 そう告げ、チラリとトールの方へと視線を向けるミリアリア。
 その視線が何を言いたいのかは、俺にでも分かった。当然ミリアリアと学生時代から付き合っているトールにしてもそれを理解しているのだろう。慌てたように話を誤魔化す。

「あ、ああ、そう言えばキラの上司の子供もオーブ軍にいて、ナタルさんの部隊にいるんだってな。ディアッカからちょっと聞いただけだけど」
「……はぁ」

 その話題の誤魔化し方があからさま過ぎたのだろう。ミリアリアは溜息を吐いてカメラでここに集まっている人達を撮っていく。
 そのまま30分程が経ち、俺もキラ以外の者達と会話をしているとようやく教会の方で準備が整ったのだろう。教会の中へと通される。

「……ねぇ、アクセル。さっきここの人に聞いたんだけど、オーブって活火山を女神に見立てて信仰しているんでしょ?」

 そう尋ねてきたのは、俺の横に移動してきたシェリル。
 その瑞々しくも肉感的な美しさを誇るかのように、両肩と胸元が大きく開いた薄緑色のドレスを着ている。
 シェリル・ノームとしての活動は、当然SEED世界でもかなり知られている。何でもラクスと一緒にコンサートをやった事もあるとかで、何気に仲が良かったりする。

「そうだな。ハウメアって名前の女神に見立てているらしい。ハウメアのご加護がありますようにって言葉は、オーブにいれば何回か聞いた事があるだろ?」
「ええ。その辺に関してはオーブでライブをやった時に何回か聞いてるわ。けど、そのハウメアって女神を信仰しているのに、教会で結婚式を挙げてもいいの?」
「……ああ、なるほど」

 確かにその辺に関して疑問に思うのは分かるが……

「ナタルにしろムウにしろ、今はオーブに住んでいるけど、元々は大西洋連邦の出身だしな。どうしても宗教的にはキリスト教になるんだろ」

 キリスト教という意味では、マブラヴ世界の人間はあまり好んでいないのだが……それに関しては恭順派の存在がある以上しょうがない。
 それに、この場にはマブラヴ世界の住人は誰もいないから問題はない。

「そうなの? けど、教会があるって事はオーブの人でもキリスト教の結婚式を挙げる人が多いんでしょ?」
「……元が日本からの移民で出来た国だしな。その辺の影響があるのは当然なんだろうな」

 元々日本人というのは、宗教に関して良く言えば大らか。悪く言えばちゃらんぽらんだ。
 クリスマスの一週間後には正月で、バレンタインデーだったりハロウィンだったり、お盆だったり、と。
 そんな日本人が移民して作られたのがオーブである以上、この状況は当然なんだろう。

「それに、宗教ってのが一定の力を持っているのは事実だ。布教のために頑張ってもいるんだろ」

 アメリカでは宗教の力が大統領選挙とかにも大きな影響力を発揮するって話だし。……宗教と政治の分離、いわゆる政教分離って……と思わないでもないが。
 まぁ、その辺に関しては元々宗教というものを好まない俺の性格だからこそ感じることなのかもな。
 それにブルーコスモスにしても、一種宗教的な……

「なるほどね。ま、色々と大変そうなのは理解したわ」
「そうね。この国は色々と興味深い国なのは事実でしょうね」

 教会に入って席へと座ると、俺の隣に来たレモンがそう告げる。
 勿論近くにはコーネリア、マリュー、スレイ、あやか、千鶴、円、美砂の姿もあり、全員が全員見て分かる程に魅力的なドレス姿を披露していた。
 恐らくナタルの方の関係者なのだろう。俺には見覚えのない者達がレモン達の美貌に見惚れている姿が色々なところで見られる。
 しかも恋人か妻か分からないが、女連れの男がレモン達に見惚れ、それに怒った女の方が肘鉄やら足を踏みつけたりとかしている。
 ……うわ、ヒールの先で踏みつけられた男の顔が真っ青になってるな。もしかして骨が折れたんじゃ? まぁ、さすがに手加減はしているんだろうが。
 そんな風にしている間にも、多くの者達が教会の中に入ってきては席に着いていく。
 それなりに大きな教会ではあったのだが、それでも席に座りきれずに立っている者もいた。
 ムウの知り合いはシャドウミラー関係者くらいだから、恐らくこの殆どはナタルの関係者なんだろう。
 そもそもナタル自身が大西洋連邦の軍人一族で顔も広い――プラントとの戦争で多くが死んだだろうが――だろうし、今もオーブ軍の中でも最精鋭部隊であるアークエンジェルの艦長だと考えれば、寧ろこの知り合いの数は当然なのだろう。
 招待されている客の数という事で考えれば、圧倒的にムウの方が少ないんだよな。一応大西洋連邦の方にはそれなりに知り合いとかがいるらしいが、結構急な事だったし、何よりムウとしても大西洋連邦を抜けたという思いがあって、結局は手紙やメールでの連絡のみで招待状は送らなかったらしい。
 その結果が、ムウの方の参加人数が結構少ない今の状況な訳だ。
 まぁ、他の世界の知り合いとかも含めれば結構な人数にはなるんだろうが……元々ムウは人付き合いが上手くて、すぐに仲良くなれるタイプだしな。

「新郎の入場です」

 その言葉と共にタキシード姿をしたムウが入ってくる。
 それを皮切りに次々と式は進んでいく。
 本来であればナタルの父親がやるエスコート役では、何と予想外な事にウズミがその役をやっていた。
 登場したナタルとウズミを見た瞬間、周囲がざわめくが……まぁ、ナタルの関係者……つまりオーブ軍の関係者が多い以上はしょうがないだろう。
 それでも式は粛々と進行し、神父の言葉や宣誓の言葉――健やかなる時も云々――を済ませ、お互いに指輪を嵌め、やがて結婚式のクライマックスの時がやってきた。

「それでは、誓いの口付けを」

 その言葉と共に、ムウとナタルはお互いを見つめ合う。
 同時に、ミリアリアが忙しく写真のシャッターを押しているのが見て取れる。
 白いウェディングドレスに身を包んだナタルのベールをそっとずらし、ムウが頬を赤く染めているナタルへと顔を近づけ……そのまま唇を重ねる。
 同時に教会中に拍手の音が鳴り響き、カメラを持っている者は全員が幾度となくシャッターを切るのだった。





 その後、何だかんだと教会の中での式が終わり、俺達は現在教会の前にいた。
 そして教会から出てきたムウとナタルを祝福するかのようにシャボン玉が無数に放たれる。
 いや、それをやってるのは専門に雇われた者達なんだけどな。
 そしてナタルの手にブーケが握られると、女達の目が鋭く光る。
 後ろを振り向き、高く放たれたブーケを目指して殺到する女達。
 キャーキャーと黄色い悲鳴を上げながらも、それぞれが半ば本気の表情を浮かべている辺り、色々と本気なのだろう。
 だが……その中に、レモンを始めとした俺の恋人達は一人も入っていなかった。

「いいのか?」
「別にいいわよ。大体、私達はアクセルが貰ってくれるんでしょ? なら別にブーケに必死になる事もないじゃない」

 見事にブーケをキャッチしたフレイを横目に、レモンはそう呟くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179 
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