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ドリトル先生と森の狼達

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第四幕その八

「例え外でもお茶は忘れない」
「その余裕が大事だよね」
「テントで休む日でも」
「お茶とティーセットを楽しむね」
「僕はあくせくすることは無理なんだ」
 生来のおっとりさんです、先生は焦るということは苦手です。それでこの時も動物の皆に対してこう答えたのです。
「それでね」
「この森の中でも」
「こうして食べて」
「そしてね」
「楽しむんだね」
「そうするよ」
 こう言ってでした、先生は実際にカップの中の紅茶を飲みました。
 そして、です。ティーセットも食べます。今回のそれはといいますと。
「スコーンとクッキー、それとビスケットだね」
「保存系です」
 トミーが答えました。
「これから暫くは」
「そうだね、野宿が多くなるからね」
「はい、ですから」
 それでとです、トミーは先生にお話するのでした。
「飽きないですよね」
「うん、大丈夫だよ」
 先生はトミーに微笑んで答えました。
「クッキーもスコーンも大好きだからね」
「ビスケットもですよね」
「あるもので大丈夫だよ」
「それは何よりです」
「味も楽しませてもらうよ」
「どれも何種類ずつか用意していますから」
「そのこともだね」
「安心して下さい」
 先生も他の皆も飽きない様にです、トミーも気を使っています。この辺りのこともしっかりとしている人なのです。
 そして、です。さらに。
 王子がです、先生に言いました。
「あと何かあったら」
「うん、携帯がだね」
「あるからね」
 王子はこう言って携帯電話を出しました、スマートフォンもです。
「それもね」
「そう、あるよ」 
 そうだというのです。
「だからね」
「何かあったその時は」
「そう、連絡がつくからね」
「いや、携帯は便利だね」
「先生も持ってるじゃない」
「持ってるよ」
 その通りだとです、先生はにこりと笑ってです。
 スーツの胸ポケットから携帯を出しました、その携帯の色は先生の古い十九世紀のイギリスそのままのスーツを思わせるデザインのそれにあったものでした。
「この通りね」
「そうだね、じゃあね」
「何かあればね」
「うん、SOS送ればいいよ」
「文明の利器だね」
「文明は正しく上手に使うとね」
「沢山の人を救えるよ」
 先生はにこりと笑ってこうも言いました。
「非常に素晴らしい力なんだよ」
「そうだよね」
「そう、だからね」
「それでだよね」
「何かあったら」
 まさにその時はというのです。
「救援をお願いしようね」
「その時は」
「そうしよう」
 こうお話してでした、そのうえで。
 先生はあらためて紅茶を飲んで楽しみました、先生の三時は森の中でも同じです。
 そしてその後でまた先に進むのですが先生は皆にこう言うことを忘れていませんでした。その言うことはといいますと。 
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