ドリトル先生と森の狼達
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第四幕その四
「十二月二十日に入ったらいけない山もあって」
「山の神様もいて」
「それで、ですね」
「そうした山には注意しろって」
「そう、そうした山にも注意しよう」
「何か日本ってそうしたお話があちこちにあるんだよね」
「そうなんだよね」
オシツオサレツがここでぼやく様にして言いました。
「山にいる妖怪とか神様とか」
「それこそ何処にも」
「ああ、そういえば広島の」
「比婆山だったかな」
ホワイティとガブガブはこちらのことをお話しました。
「ヒバゴンとかいう」
「そうしたのもいたり」
「北海道じゃコロボックル?」
「小人の話があったり」
ダブダブとトートーは先生が前お話したことを思い出しました。
「沖縄とかにも」
「そんなお話があったね」
「大きな蛇がいるとか」
「日本には大蛇はいない筈でも」
ジップとポリネシアも先生が前にお話してくれたことをお話します。
「四国の方のね」
「剣山だった?」
「神戸にもあるよね」
「そうそう、六甲の牛女」
チープサイドの家族は皆が今いる場所のことに言及します。
「昔人の家から逃げてきた」
「それでずっと六甲にいるとか」
「本当かどうかわからないけれど」
「あるよね、そんなお話も」
「イギリスも妖精が多いけれど」
「日本もなんだよね」
チーチーと老馬も自分達でお話します。
「あちこちにそうしたお話があって」
「凄いんだよね」
「うん、それだけに研究のしがいがあるよ」
先生は動物の皆に学者として答えました。
「日本の山についてもね」
「ヒバゴンって本当にいるのかな」
王子は広島のこの謎の存在についてです、先生に尋ねました。
「ヒマラヤの雪男みたいだけれど」
「ううん、そうした大型の類人猿はね」
「いてもだよね」
「実際不思議じゃないんだ」
「雪男についても」
「アメリカもビッグフットとか。カフカスにもいるっていうけれど」
先生はそうした大型の類人猿の存在を否定しませんでした。
「別にね、ただね」
「ただ、ですか」
「僕はまだ比婆山に行ったことがないけれど」
それでもというのです、今度はトミーに。
「あの山だけにいるのは不自然かな」
「山脈になるとですね」
「いてもおかしくないけれど、まあ日本には狒々っていう妖怪もいるんだよね」
「動物のヒヒじゃないですね」
トミーは先生にこのことを確認しました。
「日本にはいませんから、ヒヒは」
「そうなんだ、そちらのヒヒじゃなくてね」
「妖怪の狒々ですか」
「その妖怪がいるから」
だからだというのです。
「若しかしたらね」
「その狒々がですか」
「それなのかもね」
「その狒々が大きな猿の妖怪ですか」
「そうなんだ、その正体は何かな」
ここで先生は考えるのでした。
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