ハイスクールD×D大和の不死鳥
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71人間界への帰還
◇いのり
八月の後半ーー。
私達グレモリー眷属、ヤマト、ウェンディ、ジェラール、アザゼル、シュウは、人間界に帰るために本邸前の駅にいた。
「また会える日を楽しみにしているよ。いつでも気兼ねなく帰ってきてくれて構わんよ」
「あ、ありがとうございます……。」
大勢の使用人を後ろに待機させて、グレモリー郷が軽い感じで言ってくれたんだけど……来ることは少ないと思うよ?……とそんなやり取りが行われている中、リアスさんはサーゼクスさんと会話していた。
「リアス。残りの夏休みの間は、手紙くらい送りなさい」
サーゼクスは息子のミリキャスを抱えながら言う。そのすぐ後ろには、グレイフィアさんが待機していた。
「はい、お兄様。ミリキャスも元気にね」
「うん、リアス姉様!」
そんな感じで、駅のホームにて別れの挨拶を終えた私たちは列車に乗り込み、多くの人たちに見送られながら冥界を後にした。
帰りの列車にて。
「咲いた~♪」
私は外をガラス越しに見ながらエウテルペを口ずさんでいた。その前には『あなたにおくるアイの歌』や『告白』などを口ずさんでいた。
口ずさんでいると後ろから小さい手が私を包んでくる。誰の手なのかを確認する為に歌を口ずさむのを止めて後ろを見た
そこにいたのはーー悪戯っ子な表情をしている小猫ちゃんだった。
器用に身体を動かして後ろから前に回り込み、私の膝の上に座ったきた。
私の膝の上に座った小猫ちゃんは上機嫌に耳と尻尾を動かしていた。
「こ、小猫ちゃん?」
いきなりの事で、ちょっと戸惑いがちに小猫ちゃんの顔を覗き込むと、
「にゃん♪」
ッ!可愛い……………私…普通の人に比べて可愛いとかには疎いけど……今の小猫ちゃんは物凄く可愛い!周りは小猫ちゃんの様子にびっくりしているようだけど……。
かわいいは、大・正義!だよね?
人間界に着くまで、小猫ちゃんを構い倒した。
心ゆくまで小猫ちゃんを構い倒し、無事に人間界側の地下ホームに辿り着いた私は、人間界の空気に安心感を覚えながら背伸びをした。
「んーっ、着いた。、アーシア帰ろ…!?」
アーシアに振り返ったときだった。屑のディオドラにアーシアが詰め寄られていた。
「アーシア・アルジェント……。やっと会えた」
「あ、あの……」
困惑しているアーシア。こいつ!今更何のようだ……向こうで聞いていた……あいつが!アーシアを!
「貴様、アーシアに何のよう?」
私は殺気をだだ漏れ状態とは知らずに間に入る。真摯な表情でアーシアに訊いていた。
「……僕を忘れてしまったのかな。僕たちはあのとき出会ったはずだよ」
こいつ……そんなノウノウと!私は知っている……こいつがいなければアーシアは!
『(落ち着け、このままだと覇龍に飲み込まれぞ!)』
ッ!私はドライグの声で正気に戻る…
「――っ。その傷は。もしかして……」
私が正気戻るとアーシアの声が聞こえ見てみるとディオドラの胸元に大きな傷痕が見えていた。深い傷痕だ。アーシアはそれを見て、目を見開いていた。
「そう、あのときは顔を見せれなかったけれど、僕はあのときの悪魔だ」
「――っ」
その一言にアーシアは言葉を失っていた。
「僕の名前はディオドラ・アスタロト。傷痕が残らないところまで治療をしてもらえる時間はあのときなかったけれど、僕はキミの神器によって命を救われた」
何が命を救われただ!アーシアを教会から追い出したもとを作った屑が…
「ディオドラ? ディオドラね?」
リアスさんが彼に覚えがあるようだった。ディオドラはアーシアのもとに跪くと、その手にキスしようとするが、私がディオドラの喉元にアスカロンを真名が『結晶創造』で作った結晶の剣を突き立てる。
「な、なんだい」
「ふん、何がなんだいよ。薄汚いディオドラ・アスタロト。私達の家族アーシアにふれないでくれるかしら?この忠告に背くならあなたを今ここで〝消滅〟させるわ。」
「私達は上級悪魔だろうが若手の宝だろうが容赦なく殺すよ?葬儀社の一員としてグレモリー眷属として」
ディオドラは舌打ちしながら後ろに下がりアーシアに言った。
「アーシア、僕はキミを迎えにきた。会合のとき、あいさつできなくてゴメン。でも、僕とキミの出会いは運命だったんだと思う。――僕の妻になって欲しい。僕はキミを愛しているんだ」
――そいつは私達の目の前で忠告を破るかのようにアーシアに求婚したのだった。
続く
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