転生とらぶる
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マブラヴ
1024話
「これは……凄い活気ですね」
それが、交流区画を見た恭子の第一声だった。
その意見には他の者達も同様らしく、崇継、真壁、如月の3人も頷いている。
まぁ、気持ちは分からないでもない。元々ホワイトスターの交流区画はそれなりに活気があったが、時の指輪とホワイトスターの融合の件があってからは人数が一気に増えたのだから。
時の指輪の効果を受け取るには受信機が必要なのだが、それがなくても、もしかしたら何らかの効果があるかもしれない。そんな風に考えている者も多いのだろう。
こちらとしても、時の指輪とホワイトスターの融合……それもグレイ・シックスというG元素を使っての融合だ。
スパロボOGs世界、ネギま世界、マブラヴ世界という3つの世界の技術やマジックアイテムを使った融合である以上、確かにホワイトスターにいるだけで何らかの効果を受けられないとも限らないという思いがあって、特に規制はしていない。
何しろ、ホワイトスターというのは今や時の指輪と融合しているのだ。つまり、ホワイトスターにいるという事は、時の指輪の内部にいるのも同様という事になる。
である以上、何らかの限定的な時の指輪の効果を受けたとしても、何の不思議もない。
寧ろ、俺達には及ばないまでも多少の効果があればホワイトスターに人を集める効果になるかもしれないという思いもあったりする。
勿論、今までのように各世界が審査してホワイトスターに訪れるようになっていたのが、その審査が緩和されるのだ。当然そうなれば問題を起こすような者も出てくるが、今のホワイトスターは門世界の件があってかなりの数の量産型Wが配置されている。
当然何か問題を起こせば、即座に捕まって各自の世界に強制送還となる訳だ。
もっとも、各世界にしても異世界間貿易で多大な利益を得ている以上、世界間を繋ぐハブの役割を担っている俺達との関係を悪くするような事を望む筈もない。
その為、多少審査を緩くしたとしても、今のところは特に問題のない者達しか来ていなかったりする。
ともあれ、そういう理由で現在のホワイトスターは人も多く、活気に満ちている訳だ。
「規模で言えば、それ程大きいという訳ではない。京都の方が余程栄えているだろう。けど、この人の活気は間違いなく京都よりも上だ」
崇継がしみじみと呟く。
確かにそれは事実だ。規模では京都に負けているかもしれないが、活気という面はホワイトスターの方が上だろう。
この辺、マブラヴ世界で日本のお偉いさんでもある五摂家の1つ、斑鳩家の当主としては思うところがあるのか。
確かにマブラヴ世界では最近BETAに対して優勢になっている関係もあって、一時期よりは活気に満ちてきている。
寧ろ、一度人類はもう終わりじゃないかと思っていた者が多かっただけに、その反動で喜びも一気に湧き上がった筈だ。
だが……それでも、今目の前にある交流区画の賑わいに比べると、一段劣ってしまうと感じるのだろう。
「ま、今は難しい事を考えないで、ここを楽しむとしようか」
崇継が何かを吹っ切るかのようにそう告げ、全員で揃って交流区画の中を冷やかしていく。
ちなみに牧場での土産購入や、この交流区画で使われている金はギアス世界、SEED世界、ネギま世界、マクロス世界のいずれの金でも使用可能だ。
最初はホワイトスターの独自通貨を作ろうかとも考えてエザリアに聞いてみたんだが、シャドウミラーの中で自由に金を使える場所というのは実質的に牧場と交流区画だけだ。それを考えると、わざわざ独自通貨を作るよりも各世界の通貨をそのまま使った方がいいという結論になり、独自通貨の導入は見送られた。
今考えるとそれで良かったんだろう。独自通貨を作っても実質的に使う者が10人前後とか、どこにわざわざ独自通貨を作る必要があるのかって感じだし。
技術班が積極的に買い物とかをしたりすれば……いや、それでもシャドウミラー全体で100人もいないんだから、大差ないか。
ただし、色々な世界の通貨が全て使えるのだから、当然レートに関しては色々と調整しなければならない。その権限については、完全にシャドウミラーのものとなってる。
とは言っても、そのレートを決定しているのは基本的に量産型Wだ。機械的にレートを決めている訳で、どこかの世界が有利になるといった風にはしていない。
何らかの異常があれば、エザリアが直接介入するという事になってはいるが。
ともあれ、そういう理由で各世界の通貨が使える交流区画では今日はマブラヴ世界の日本の通貨も使えるようになっている。
その辺のレートに関しては、同じ円を利用しているネギま世界の通貨を参考に決めていた。
ちなみに少し前に来たマブラヴ世界のオーストラリアの通貨、豪ドルに関してはレートは決めたものの、使用はされなかった。
基本的に政府としてきたオーストラリア御一行様なので、交流区画にやっては来たものの、今回のように買い物とかはしなかったんだよな。そういう意味では、マブラヴ世界で初めて交流区画で買い物をしたのは日本って事になるのか。
「うわぁ、いい香りが……この甘い香りを出しているあのお店は何ですか?」
「最近交流区画に店を出すようになったドーナツ屋だな。ちょっと寄ってみるか?」
やはり若い女だけあって、甘い物の魅力には勝てないのだろう。思わず笑みを溢す恭子を引き連れてドーナツ屋へと向かう。
ちなみにこのドーナツ屋、いわゆるフランチャイズとかの店ではなく、ネギま世界からの個人での出店だ。
何でも店主は魔法使いではないが、親戚に魔法使いがいるという関係でこっちの世界に顔を突っ込むようになったらしい。元々どこぞの有名パティシエに弟子入りしていたとかいう人物で、当然その腕で作られるドーナツは評判を呼び、最近ではこの交流区画でもかなり有名になってきている。
……そんな店よりも売り上げが上の超包子は。色々な意味で凄いよな。
まぁ、お菓子であるドーナツと食事がメインの超包子。しかも超包子は桃まんとか杏仁豆腐のようにデザート系もあるのを思えば、ドーナツだけのラインナップで渡り合えているドーナツ屋こそが凄いと言うべきか。
何気にこのドーナツ屋に関しては円や美砂から聞いただけで、俺自身も入るのは初めてだったりする。
崇継や恭子、護衛の2人と共に店の中へと入っていくと、当然ながら店内は大勢の客で混雑していた。
そんな中でも数人がこちらに視線を向け……そして俺に気が付き、大きく目を見開く。
まぁ、このホワイトスターの代表だからな。首相やら大統領やらがいきなり前に現れたような感じなのだろう。
「いらっしゃいませ」
だが、客達がざわめく中でも店員は特に驚いた様子もなく俺達を待ち受ける。
この辺、さすがだ。
「俺はクロワッサンドーナツのプレーン、ストロベリー、チョコ、をそれぞれ1つ。それとプレーンを30個くれ。持ち帰りで」
他の者達の先んじて注文すると、恭子達もそれぞれ注文する。
ちなみに持ち帰りを選択したのは、店の中がそれなりに込んでいたのもあるが、やはり客達の視線が俺に集中しているからだ。
……30個の注文時にざわめいたが、別にその30個は俺が食う為に注文したんじゃないぞ。この後に向かう場所への土産だ。
ともあれ、他の皆も数個ずつのドーナツを注文し、料金を支払う。
30個のプレーンドーナツは幾つもの袋に分けられて渡されたので、空間倉庫の中へと次々に放り込む。
その光景にドーナツ屋の客達が目を見開いて驚いていたが、中にはネギま世界の魔法使いと思しき杖を持っている者もいるんだから、空間倉庫に驚く事もないだろうに。
背後からざわめく声や、近くにいる奴と話している声といったものを聞きながら、俺達はドーナツ屋を出る。
「アクセルさん、凄い注目の的でしたね」
「いや、アクセル自身がと言うよりはドーナツを……空間倉庫だったかな? そこに入れたいたのが理由だと思うんだが。さすがにいきなりあんな光景を見せられれば、それは驚くだろうし。大体、何故ドーナツを30個も? それだけの量を買ったのですら、注目の的を浴びる理由になると思うんだけど」
そんな恭子と崇継の話を聞きつつ、俺は早速自分用に購入したドーナツへと口を付ける。
クロワッサンのように何重にも重なった生地の歯応えが楽しい。まず最初にプレーンから食べ始めたんだが、良かったな。
「この後で行く場所に関係してるんだよ。それよりも、ほら。折角だからお前達も食えよ。ドーナツは時間が経てば味が落ちるぞ」
「……歩きながら食べるのですか? それは少々はしたないような……」
「恭子、郷に入っては郷に従えと言うだろう? それに回りを良く見てみれば分かると思うけど、結構歩きながら食べている人はいるようだよ?」
崇継の言葉に、周囲を見回す恭子。
実際、歩きながらクレープやドーナツを食べている人はそれなりの人数がいるし、たこ焼きを食いながら歩いている者もいる。
……たこ焼きか。ドーナツもいいけど、たこ焼きもいいんだよな。
そんな風に考えていると、恭子としてもやはり興味があったのだろう。やがておずおずとドーナツを取り出して、歩きながら口へと運ぶ。
2人の護衛である真壁と如月の2人もまた歩きながらドーナツを口へと運んでいる。それでも周囲を見回す目が鋭いのは、護衛としての仕事を忘れていないからだろう。ドーナツ片手では様にならないが。
崇継も含めてそのままドーナツを食べながら歩き続けていると……やがて交流区画の端の方へと辿り着く。
人の数が少なくなっていくその様子に、如月が不思議そうに俺の方へと視線を向けてくる。
「アクセル代表? この先には一体何が?」
「このホワイトスターで最近目玉の観光地の1つだよ。別に恭子に危害を加えるような場所じゃないから、安心しろ」
その言葉をどこまで信じたのかは分からないが、それでも如月は特に何を言うでもなく、先導する俺の案内に従ってついてくる。
そのまま人気のない方へと歩き続け……やがて10分程が経ち、既に食べていたドーナツも全員の分が既に――俺の分も合わせて――なくなる頃になり、ようやく目的地へと到着する。
「ここは……公園?」
呟いたのは、真壁。何故ただの公園に自分達を連れてくる必要が? そんな思いでもあったのか、公園を見回し……次の瞬間、大きく目を見開く。
そこにいた、大勢の人間達を見たから……という訳ではなく、その人間達と笑みを浮かべて話している人物に気が付いたからだろう。
具体的に言えば、公園にいる女を口説いているハイエルフのホドリューの姿を。
……ホドリューって何だかんだと女好きなんだよな。いや、その辺に関して俺がどうこう言える筋合いじゃないのは知っているんだが。
ただ、時々この公園に来るとホドリューが女を口説いている光景というのは良く見るし、そして続いて……
「父さん、何をやっているのかしら?」
慈母の如き笑みを口元に浮かべたテュカの姿。
ただし、その目は口程にも笑ってはいない。
テュカの姿を見た女達は、愛想笑いを浮かべながら去って行く。
そんなやり取りを見ながら笑い転げているダークエルフ達。
……そう、ここはエルフ族に与えられている公園だ。しかも森が存在する自然公園であり、ハイエルフ、ダークエルフに限らずエルフ族であれば暮らしやすい環境となっていた。
「全く、父さんは少し目を離すとこれなんだから……」
「いや、テュカ。これには訳がだね」
「言い訳は後で聞きます。全く、母さんも何だってこんな父さんと……」
「痛たたたたっ、ちょ、テュカ! テュカ! 耳、耳を引っ張るのは止めてくれ!」
ホドリューの耳を引っ張って去って行くテュカという親子の背を、思わず安堵して見送る。
別に話し掛けても良かったのだが、そうすれば間違いなく面倒な出来事に巻き込まれていただろう。それを思えば、俺に気が付かなかった方が助かったとすら言えた。
「え……ええっと、アクセル? 今のは……」
らしくもなく言葉に詰まっている様子の崇継に、小さく肩を竦めて口を開く。
「ま、見ての通りホワイトスターにいるエルフ族だ。特に今のはハイエルフとダークエルフの両方を纏めているホドリューって男だな」
「……あの方が、ですか?」
女を口説こうとして、そこを娘に邪魔され、耳を引っ張られながら去って行くホドリューに、その娘のテュカ。これだけを見れば、確かに不安に思ってもしょうがない。
「まぁ、ああ見えてやる時はやる男だからな。何だかんだで、ダークエルフの方もしっかりと纏めているよ」
確かに軽い性格のホドリューだが、実際には極めて高い統率力を持っている。
その辺に関しては、ダークエルフをも纏め上げているのを見れば明らかだろう。
「アクセル代表、これは気が付きませんで」
俺の言葉で気が付いたのか、その場にいたエルフ族の多くが小さく頭を下げてくる。
跪かないだけ、大分前よりもマシになった。
「ああ、今日はちょっとこいつらの案内でな。構わないか?」
「ええ、アクセル代表のお知り合いの方であれば、門を閉ざす事などありませんよ」
代表としてダークエルフの男がそう告げ、俺達は暫くエルフ族と共に過ごすのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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