オラリオは今日も平和です
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剣姫の日記
△月〇日 晴れ
今日から日記を始める。けど、何を書けばいいんだろう?
△月■日 晴れ
アレンにどんなことを書けばいいのか聴いたら、「今日の出来事や思い出を書けばいいよ」と言われたので、書いてみる。
今日はファミリアの皆で『遠征』に来ている。現在18階層。
△月!日 天気はわからない
私の日記を見たリヴェリアに、少なすぎると小言を言われた。
あと、『遠征』について、フィンとティオナにも怒られた。「アイズは無茶をしすぎる」って。別に無茶はしてないのに………。
それに、リヴェリアこそ、勝手に人の日記を見るのは良くないと思う。
今日も『遠征』の続き。現在50階層。
△月?日 昨日と同じ
今日は新種のモンスターに出会った。手強かった。
痛い。リヴェリアに「もう少し書け」ってゲンコツされた。殴らなくてもいいのに。
しかも、またリヴェリアに日記を見られた。レベルの差を使って、日記を取られた。
今はリヴェリアが寝たのを確認してから書いている。これだけ書けば十分かな?
おやすみなさい。
△月?日 分からない
明日から地上に帰れる。早くアレンに会いたい。
今度はベートが日記を見ようとしてきた。
思わずお腹の下を蹴っちゃったけど、大丈夫かな?でも、ベートの自業自得だと思う。
「オレの息子がァ………!」とか言っていたけど、本当に大丈夫かな?
……………これだとまだ少ない気がする。
うん、アレンについて書こう。
私が始めてアレンと会ったのは、12歳の時だった、はず。
リヴェリアに「強い奴と会わせてやる」って言われて、ギルドまでついて行った時だと思う。
その時は私も強い人っていうのに興味がわいていた。でも、そこにいたのは普通のギルドの職員だった。
思わずリヴェリアに疑惑の瞳を向けたけど、リヴェリアは笑ったまま、「アイツはお前とは同じ意味でも、違う意味でも強い奴だ」って、ものすごくほめていた。
つい、頬を膨らませたのを覚えている。多分、リヴェリアを取られたような気分になって、面白くなかったんだと思う。
それで確か…………うん、思い出した。仕事中のアレンに襲い掛かったんだ。流石に剣は使わなかったけど。
でも、蹴りを放っても、落としたペンを拾う振りをしてコンマ数ミリで避けられた。だから椅子に座っているのを利用して、背後から殴り掛かったけど、アレンは急に立ち上がって、その反動で下がってきた椅子にぶつかって、私は転んでしまった。
突っ込む速さがそれなりだったから、転んだ時はもの凄く痛かった。うん、本当に痛かった。
アレンは蹲る私を見て、まるで今気付いたかのような態度で、「どうしたんだい?」と尋ねてきた。
嘗められていると思った私は、もう一度突撃しようかと考えたけど、その前にリヴェリアに襟を掴まれて、猫みたいに持ち上げられた。
ジタバタと手足を動かしたけど、リヴェリアのほうがLv.が上だったから、離してもらえなかった。
リヴェリアが私を持ち上げながら、「迷惑かけたな」って謝ったけど、アレンは何でも無かったかのように、「まだまだ小さいですし、仕方がないですよ」って答えていた。
その頃は馬鹿にしている、って思ってたけど、今だから分かる。ギルドの職員に襲い掛かるなんて、厳罰対象でしかない。でも、当時私は罰を一切受けてない。
理由は考えるまでも無い。アレンのおかげだ。
そう言えばアレンに借りがいっぱいある気がする…………
ジャガ丸君買って貰ったり、ジャガ丸君買って貰ったり、相談に乗ってもらったり、ジャガ丸君買って貰ったり、ジャガ丸君買って貰ったり、買い物に付き合ってもらったり、ジャガ丸君買って貰ったり、相談に乗るついでにジャガ丸君買って貰ったり、相談に(ry……
う~ん………どうしよう。
ダンジョンに潜ってない時は、いつもアレンと話してる気がする。
今度リヴェリアと相談して、何かお返しをしよう。
□月〇日 晴れ
私って怖いのかな?
今日、ミノタウロスに襲われていた兎みたいな男の子を助けたけど、すごい勢いで逃げられた………
アレンに聴こうと思ってギルドに行ったけど、仕事が忙しそうだったからやめた。
悲しい…………あと、ステイタスも伸びない。もう限界なのかな?
□月☆日 { 空欄 }
書く気分じゃない。
□月△日 { 空欄 }
書く気分じゃない。
□月?日 晴れ
アレンに会えた。うん、久しぶりにアレンニウムを摂取できた。
少しの間お話するだけで、大分楽になった。やっぱりアレンは凄い。
でも、ベートは嫌い。あの男の子のことも、アレンのことも馬鹿にしてた。許せない。
もう一度お腹のした辺りを蹴っておいた。それでも、許せない。
アレンはベートよりも強い。絶対に負けない。それにベートよりもアレンと……(ペンで乱暴に消されていて、読むことができない)……。
…………寝よう。おやすみなさい。
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