戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第二十四話 浦少佐!俺の胃袋は異次元だ!!その八
「だから日清、日露戦争の日本軍の将兵もだ」
「大勢脚気で死んだんですね」
「森鴎外もややこしいこと言って」
「そうした話もあった、少なくとも時代劇や教科書を鵜呑みにしないことだ」
「ですね、本当に」
「特に教科書は」
二人も納得して頷く、そしてだった。
二人は難波でのフードファイトに挑むのだった、ただし白米ばかり食べる様なことはすまいと誓うのだった。脚気にならない為に。
だが日帝衆は違う、西郷は麦や稗、粟と雑穀がかなり占めている飯を喰らいつつだ、共に同じものを食べている源田とハルトマンに語った。
「美味いでごわすな」
「はい、まことに」
「美味です」
二人も西郷に確かな声で答える。
「作ってくれたお百姓さんの心を感じます」
「実に」
「この稗に粟、麦は」
「どれも」
「素晴らしいです」
「そうでごわす、心があるでごわす」
どの食材にもというのだ、尚おかずは野菜の漬け物が少量に茸の味噌汁だ。それが西郷のこの日の昼食だ。
その昼食を食べつつだ、彼は二人にこうも言った。
「これ以上の馳走はないでごわす」
「全く以て」
「世の人達は粗食と言うかも知れませんが」
「心が入っている」
「作ってくれた人達のそれが」
「だからでごわす」
それが為にというのだ。
「これは非常にでごわす」
「最高の馳走になっています」
「これ以上の贅沢はありません」
「この食事を堪能出来ること」
「無上の幸福です」
「その通りでごわす」
語りながらだ、西郷は実際にその雑穀入の飯を堪能していた。そしてだった。
二人にだ、今回の勝負のことを問うた。
「して、今回の勝負でごわすが」
「はい、難波においてです」
「フードファイトとなっています」
二人は西郷に即座に答えた。
「出陣するのは浦少佐」
「日帝衆一の大食漢です」
「食事の素晴らしさもわかっています」
「大事にする気持ちも」
「大食とは何か」
西郷は瞑目して言った、箸を一時止めて。
「それは決して食事を粗末することではないでごわす」
「そこに食事に対する愛情があれば」
「作ってくれる人達に感謝するのなら」
「それもまたよし」
「そうですね」
「そうでごわす、浦少佐にはその心があるでごわす」
料理、食材全てへの愛情がというのだ。
「米一粒さえも残さないでごわす」
「常に」
「そうです」
「出されたものは完食するでごわす」
それが浦という男なのだ。
「粗末にすることは決してない」
「では、ですね」
「浦少佐ならば」
「今回の勝負を託せる」
「フードファイトにも」
「そうでごわす」
まさにとだ、西郷は言い切った。
「勝利、そしてでごわす」
「食事に対する愛情」
「それもまた期待されていますか」
「少佐は世の人達に見せて欲しいでごわす」
是非に、という口調での言葉だった。
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