ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
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追跡隊結成
前書き
結局、絡ませることになりました!
地上へ戻ると陽はもう沈みかけており、ルナファさんへの報告を終えた頃にはすっかり夜となっていた。
報告に対するルナファさんによると、二十四階層に関するモンスターの大量発生の案件は少し前から早く対応しろと冒険者がうるさかったそうだ。
俺が食料庫でのことを話すと、ルナファさんは驚愕の様子で慌てて奥に引っ込んでいったが……
戻ってきたルナファさんに事の詳細を話して帰されたが、今後、ギルドのウラノス様がどんな対応をするのか気になるところだ。
ホームへ戻るともうすぐ夕食のじかんであった。すぐにバルドル様に話そうかと思ったが、ハーチェスさん達にも話すつもりであったため、どうせなら夕食時に話そうと思いその時まで待った。
で、今がその時。話すなら今だ。
「ハーチェスさん、それにバルドル様。少しいいですか?」
「ん? 式、どうしたんだい? 夕食時に、君から話しかけてくるなんて珍しいね」
食後のデザート(パディさんの自家製アイスクリーム)を幸せそうに舐めながら首を傾げるバルドル様。ハーチェスさんも「そうですね」と頷き、視線をこちらにやる
「結構、重要な案件です。特にハーチェスさん。この間、リヴェリアさんから聞いた話に関することです」
「……分かった。聞こう。皆もいいね?」
いつの間に食事を止めていたのか、エイモンドさんやパディさん達も真剣な面持ちでハーチェスさんの言葉に頷いた。
俺は今日の二十四階層でのことを話した。自分が見たものを出来るだけ詳しく。
モンスターの大量発生、突如現れた謎の壁、植物のモンスター、そして、食料庫に寄生した巨大な植物のモンスターと、それを守るかのようにしていた白いモンスターの頭蓋を被った男とローブの集団。
全てを話すと、食堂は誰かの呼吸が聞こえるのではないかと思うほどに静まり返っていた。
「……それで? 式はどうしたの?」
「はい。流石にでかいのを相手にするのは不利だと思ったので、怪魔と戦車で退散してきました」
「そんな……式さんでも引いてくるなんて……」
そう声を漏らすスウィード。そんなスウィードに頷くようにしてアルドアさんも「っすね」と頷く。
【バルドル・ファミリア】の最高戦力である俺が引くしかなかったことに驚きが隠せないようだ。
「式。君から見て、その白い男はどう思った?」
「……ちょっとわかりません。一言でいうなら不気味、としか。人なのに人じゃないような、そんな気さえしました」
「……チッ、どんな奴だよそりゃ」
顔をひがめて悪態をつくヒルさん。その横でパディさんも「だね」と呟きを漏らした。
誰もが口を閉ざし、思い空気が漂う中、関係ないとばかりに立ち上がりエアブレイクするのはやっぱりこの人
「フッ、とりあえず僕を見るといい。この美しさを目にすれば、他のことなど忘れて見とれてしまうのだからね」
フサァッ、と前髪を払ってポーズを決め、最後には光だすエイモンドさん。
どうでもいいがこの人、この光る魔法に関しては詠唱速度が恐ろしく速い。
そんなエイモンドさんを見て、リリアさんが「バカね」と呆れてため息をついた。だが、今ので場の空気が和んだ気がする。
「……うん、まぁ今からそう悲観しても仕方ないね。とりあえず、これはロキのとこにも話しておいた方がいいかもしれない。少なくとも、ハーチェスの話を聞く限り、今回の件には何かしらの形で絡んでるのは確実だろうし。からかってくるところは嫌いだけど、こういうのに対しての状況判断とかは僕も認めてるからね。なんと言っても、【ロキ・ファミリア】だし」
「ですね。なら、明日バルドル様と僕、それと式の三人で赴くことにしましょう」
ややあって夕食は終了し、各々が自室へと戻っていく。
そんな中、俺はバルドル様を呼び止め、一人【ステイタス】の更新をお願いした。
「昨日やったばかりだろ?」
「まぁ。でも今回結構な数を相手にしましたし」
それに、新しいのが発言する、とは言えないよな……
「……ま、いいよ。じゃぁ、このままついてきてくれ」
いくよ、と言って二階のバルドル様の部屋へと向かう。
「にしても、君はまた厄介事を持ってきてくれたねぇ」
「……すいません」
「いいよ。面倒だとは思うけど、まぁ、程々の刺激だと思うことにするよ」
「さ、上を脱いで」と言われる頃には、すでに上を脱ぎ終わり、背中をバルドル様に向ける。
用意していた針で血を一滴垂らすと、俺の背中に波紋が広がり青白い光を放つ。
そして突然
「……え?」
【ステイタス】を更新するバルドル様の手が止まった。
「う、嘘……っ!? 魔法!?」
その言葉を聞いて、俺は一人バルドル様が驚いている理由を察した。
あの金髪ピアス、王の軍勢を魔法として発現させやがったのか
本来、魔法は人によって取得出来る数に違いがあるが、どんなに多くても三つ以上を取得できない。
魔法種族ならともかく、ヒューマンである俺が四つ目を取得した、ということは前代未聞。
というか、スロットが三つあったことにも驚いていたバルドル様だ。後ろで固まって声が出せないこの状況は仕方ないだろう。
ナンバ・式
Lv6
力 I 91 耐久 I 81 器用 I 73 敏捷 I 98 魔力 I 94
上昇値430オーバー。かなり伸びていることに驚いた俺だが、注目すべきはその下だ。
【ゴルディアス・ホイール】や【プレラーティーズ・スペルブック】に続くその下、新たに四つ目の魔法が発現していた。
【アイオニオン・ヘタイロイ】
・固有結界
・結界内に入れるのは生物のみ
・自身のLv-2の軍勢を召喚する。
・カリスマA取得
・詠唱式【集えよ我が同胞。今宵我らは最強の伝説をこの地で示す。彼方にこそ栄え在れーー苦楽を共にした勇者達。果てを目指した彼の大地。我らが刻みしその心象。滅びた肉体、召し上げられた魂。されど彼らの忠義は世界を越える。絆は我が至宝なり。絆は我が王道なり。刮目せよ、我が無双の軍勢をーー彼方にこそ栄え在れ。征服王の名はイスカンダル】
……詠唱が長いのは、まぁあの規模の宝具だ。納得はできる、か。
後ろで頭を抱えてベッドに倒れ伏し、ブツブツと言葉を垂れ流すバルドル様を横目に羊皮紙を眺める。
詠唱の長さ、そして規模からしてそう易々と使えない、というか使えば相手の殲滅は確実な魔法だ。
しかも、出てくる戦士達が皆Lv4相当。下手したらオラリオの全勢力といい勝負出来るかもだ。しないけど
巨大生物には相性が悪いが、それでも破格の魔法と言えるだろう。てか、これなら四十九階層も数で押せるかもだ。
アイオニオン・ヘタイロイについてあれやこれやと考えていると、後ろでのそり、と音がした。振り替えると、目からハイライトをなくしたバルドル様が起き上がっていた。
そして、はぁ~、と大きく息を吐き、目にハイライトが戻ると何かを決心したかのようにグッと手を握りこちらに目をやった。
「式、今後、その魔法を独断で使用することを禁止する」
「え? マジっすか?」
「当たり前だ。それが四つ目の魔法だと露見してみろ。都市中の神様連中にいらぬ疑いをかけられて、痛くもない腹を探られることになる。下手すると、他の子に被害が及ぶかもだ。使用の際は僕か、ハーチェスの許可をとること」
「……やむを得ない時は?」
「君の命がかかっているなら仕方ない。けど、基本は自己判断での使用は禁止。約束してくれるかい?」
「……分かりました」
それだけ言われれば、反論など出来るわけがない。バルドル様も意地悪ではなく、俺と、ファミリアの安全を考えてのことだ。
俺の返答を聞いて満足そうに頷いたバルドル様は「今度、皆にも教えとかないとね」と一言。
ハーチェスさんにも説明をして、一度アイオニオン・ヘタイロイを見せておいた方がいいとのこと。納得だ。
「それじゃ、俺はこれで失礼します」
「式」
部屋から出ようとした俺をバルドル様が背を向けながら呼び止めた。
「前にも言ったけど、僕らは家族だ。何があっても僕が守るよ」
「……知ってますよ。お休みなさい、バルドル様」
ーーーーーーーーーー
翌日、予定通りにホームを出た俺達三人はまずソーマの酒(六〇〇〇〇ヴァリス)を購入して【ロキ・ファミリア】のホーム、黄昏の館へと向かった。時刻は十時を回ったくらい。
門番として立っていた【ロキ・ファミリア】の団員にロキ様と面会をしたいという有無を伝え、しばらくこの場で待つことになる。
その間、俺は都市最大派閥として名高い【ロキ・ファミリア】のホーム、黄昏の館を眺めていた。
複数の尖塔の建物が建ち並ぶその光景は圧巻というかなんというか……
うちの光明の館は少し大きめの屋敷といった風なので、実に新鮮である。ま、最大派閥だからこそなのだろえが。
「おお、バルたん。よく来てくれたな~」
「出来れば会いたくなかったけどね」
朱色の髪に糸目の女神……というには、少々胸が寂しいが、この方が都市最大派閥の主神であるロキ様だ。以前の酒場でも見かけた。
「ほんで? 態々バルたんが嫌~な思いして来たんや。……なんかあるんやろ?」
「流石、よく分かってるじゃないか。けどとりあえず、どこかに腰を落ち着けたいんだけど、いいかな?」
そう言って、バルドル様はハーチェスさんの持っていた神酒をロキ様に見せると「お土産も持ってきたしね」といって笑って見せる。
んじゃ、こっちやといってロキ様に着いていくと、そこは塔の前の狭い庭園。団員に用意させたのか、卓と椅子が用意されていた。
俺とハーチェスさんは席につくバルドル様の背後に待機する。
「で? 早速本題か?」
早速神酒を開けて自身とバルドル様の杯に注ぐロキ様はその細い目でバルドル様を見る。
「ああ。話っていうのは、ダンジョンでの異変についてだ」
ピタッ、とロキ様の手が止まった
「この間、うちの眷族達が君のところの【九魔姫《ナイン・ヘル》】に聞いたそうだ」
それからもバルドル様の話は続く。怪物祭でのことをから、昨日俺が見てきたものも含めてのできる限りの情報を伝える。
「はぁ~、バルたんも厄介なことに巻き込まれとるなぁ」
「正確に言うと、ほとんど式がやらかしているんだけどね」
だよね?と後ろを振り向き俺に問うバルドル様に俺は苦笑いで頷くしかなかった。
「おお、その子が【秘剣】君か! バルたんとこの秘密兵器!」
その言い方はどうなのだ?あと、ロキ様。その二つ名で呼ばないでください!
とは神様たちの会話に水を差しそうなので言わないでおく。
「聞いとるで~。自分、うちのアイズたんと手合わせしたんやて? 戻ってきたとき服ボロボロにしたアイズたん見たときはびっくりしたで」
「ハハ、俺もボロボロでしたよ。やっぱり、【剣姫】は強かったですし」
まさかこちらに会話が飛んでくるとは思わなかった。それから、何故か俺とロキ様とな会話が続くことになり、俺の精神がガリガリと削られていると、【ロキ・ファミリア】の団員がそっとロキ様に耳打ちをした。
すると、急に機嫌を悪くしたロキ様は深いため息をつき、ちょっと待っててな、と言い残してこの場を去っていく。どうやら、誰か来たらしい。
どうでもいいのだが、結構重要な話し合いに来たはずなのに、うちのアイズたんのことどう思とる?とか、好きな女の子はおんの?とかの恋バナになっていたのは何故なのだろうか。
あと、バルドル様もハーチェスさんも助けてくださいよ!
ごめんごめんと視線で謝ってくるハーチェスさんをジト目で睨んでいると、ロキ様が戻ってきた。
と思えば、その後ろには見知らぬ二人の男女。
女の方は黒髪のエルフだった。
「あ、ディオニュソスだ」
「……ロキ、彼らは?」
「安心し。少なくとも敵やない」
ディオニュソス、とバルドル様が名を口にした男性の方は神様なのだろう。金髪の貴公子然とした様子は気品に溢れていた。
「敵?」
「ああ。ちょっといろいろあってな」
とりあえず、座れ、とディオニュソス様を座るように促したロキ様は、恐らくディオニュソス様の土産なのだろう葡萄酒をダンッと卓に置いた。
……酒だったらなんでもいいのかな?この神様
「で、なんや? 気になる情報っちゅうのは」
「その前に、ロキ。バルドルは信用出来るのか?」
「なんだい、その言い方は。まるで僕を目の敵みたいに……」
ムッとディオニュソス様を睨むバルドル様。だが、俺達もいきなりそな発言というのは如何なものかと思われる。
「安心し。さっき話聞いたけど、白とみてええと思うで」
「そうか、君がそうだというなら信じよう。疑ってすまなかったな、バルドル」
「……まぁ、いいんだけどさ。でも僕的には何がどういう状況なのか全くもって理解不能だよ?」
理由は分からないが、ディオニュソス様がバルドル様を警戒したのには何か理由があるのだろう。
ディオニュソス様とロキ様は一度二人で顔を見合わせた。
「ま、バルたんとこやったら大丈夫やろ」
「だな。こちらとしても力のある協力者が増えることに損はない」
「……なんか、嫌な予感しかしないよ……」
顔をひきつらせるバルドル様に、ディオニュソス様は諸々の事情を話した。
一ヶ月前に、ディオニュソス様の派閥の団員が殺されたことを皮切りにディオニュソス様が独自に調査を始めたことや極彩色の魔石について、そして、俺も見たあの植物のモンスターについてなどだ。
ディオニュソス様はギルドが怪しいと睨んでいたそうだが、これはロキ様が確認をとっため、白、ということらしい。
ついでにいうと、ディオニュソス様のところのLv2の冒険者を殺した人物の所属ファミリアを探っていたらしく、都市中のファミリアは全て敵だとのこと。今回のことで俺らは外されたらしい。
「なるほど、つまるところ僕は巻き込まれた、ということなのかな?」
「やな。残念やったな、バルたん」
ジーっとこちらを向いて睨んでくるバルドル様。思わず目を反らす。
とその時、空から一匹の梟が飛んできたかと思えば、その足に掴んでいた羊皮紙の巻物を卓の上にポトリ、と落とした。
「手紙かい?」
「みたいやな」
ロキ様は巻物を手に取るとそれを開いて中を見る。
ディオニュソス様は出された紅茶を優雅に口付け、バルドル様は気になっているのかロキ様を見る。
そさて間もなく、嘆くようにロキ様は天を仰いだ。
「アイズが二十四階層に行きおった……」
ごふっ!? とディオニュソス様が紅茶を吹き出した。それを見たバルドル様が一瞬吹き出しかけたのを堪えた。
「冒険者依頼頼まれて二十四階層……『心配しないでください』って、するわっ、天然アイズたんっ」
「その依頼をしたのが誰か気になるね。多分だけど、昨日式が見たものと関係はあるだろうし」
「……なに? バルドル、それはどういうことだ?」
そういえば、話すべきだね、とバルドル様は先程ロキ様にした説明をもう一度繰り返した。話を聞き終えたディオニュソス様は視線を俺に向ける。
「それは、本当なのかい?」
「ええ。本当です」
「……そうか……」
俺が嘘をついていないことが分かったのだろう。ディオニュソス様は考え込むようにして腕を組んだ。
ロキ様はそばに控えていた団員に「ベート……あとレフィーヤ呼んで、至急や」と命じる。
「ロキ、どうする気だい?」
「ベート達にアイズを追わせる。こな騒動、確実に街が襲撃されたのと関係あるやろうしな」
襲撃された、というのは、この間リヴェリアさんが話していたことなのだろう。
「二人だけで大丈夫なのか? この件、かなり危険だと思うが……」
「しょうがないやん、他の子らは出払っとるし。アイズの力になれそうなんは、ベートとレフィーヤくらいしか今はおらん」
エルフからハンカチを受け取り口を拭うディオニュソス様に、不服そうに頭の裏で両手を組むロキ様。
「フィルヴィス。ロキ達の子とともに二十四階層へ向かえ」
その言葉に、言われた本人とロキ様が目を見開いた。
どうでもいいが、フィルヴィスっていうのかあのエルフ
「ディオニュソス様、何を!? 貴方様の護衛はどうなさるのですか!?」
「聞け、フィルヴィス。私情でロキを巻き込んだのはこの私だ。私もただ任せるだけではなく、誠意を見せなくてはならない」
「何より、私はロキの信用が欲しい」
フィルヴィスという名のエルフが反論する中、ディオニュソス様は諭すようにいったあと、続けて本音を言い切った。
「信用は行動で勝ち取らなくては……わかるだろ、フィルヴィス」
「……っ」
これ、俺達はどうすんだろうなー、と俺は一人目の前で神酒を飲むバルドル様を見下ろしていた。
「フィルヴィス、どうか頼む」
「……わかりました」
目の前で繰り広げられている神と眷族のやり取りを眺め、俺はそっと隣で黙りっぱなしのハーチェスさんにそっと耳打ちした
「バルドル様はどうするんでしょうか」
「どうだろうね、けど、ここで【ロキ・ファミリア】に仮を作れれば結構大きいし今後、何か役立つかもだけど」
俺とハーチェス様の視線が目の前に座っているバルドル様に向けられる。
その間にもディオニュソス様とフィルヴィスさん話は続き、追跡隊に同行することになった。ちなまに、フィルヴィスさんはLv3だそうだ。
「それで? バルたんとこはどないすんのや?」
「……ここでそれじゃさようならってわけにはいかないだろうね……」
ちびちびと神酒を飲んでいたため、まだ酔わずにいるバルドル様は少し考えるようにして目をつむる。
「うん、それじゃ式にいってもらうよ」
「あ、やっぱりそうっすか?」
「だろうね。二十四階層を実際に見てるのは式なんだし」
どうやら、俺も同行することになるようだ。ただ、そうなるとあの狼野郎とまた顔合わせんのか……
「その子、確かLv5やったな。なら安心や」
「いや、Lv6だよ。つい先日なったから」
その言葉に、ロキ様だけでなくディオニュソス様とフィルヴィスさんも目を見開いた。
まだギルドへの報告をしていないため、この情報は出回っていないのだ。もたろん、報告はするつもり。
「……前のアイズと手合わせしたっちゅー時か」
「まぁ、今度ギルドに報告よ。それより、これなら十分な戦力だろ?」
「……やな」
そらじゃ、追跡隊は門の前に集まっておいてくれというロキ様の指示に従い、俺とフィルヴィスさんは門に向かう。
その途中、俺はバルドル様に呼び止められた。
「式。くれぐれもあれは使うんじゃないよ。そのかわり、戦車と本の使用の許可は出しておくから」
「……わかりました」
そう返事を返し、俺はフィルヴィスさんの後を追う。
はてさて、この騒動、いったいどうなるのやら。
とりあえず、またあの変態と会うだろうから、と俺は肩に背負った袋に入る三つの武器を指先でそっと撫でた。
後書き
クッ!勉強しなきゃならないのに……面白いアニメが多すぎるっ!!
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