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ドリトル先生と森の狼達

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第三幕その一

                 第三幕  山の生きもの達
 先生達はじっくりと寝た後で、でした。
 朝早く起きて支度をしてです、皆でホテルを出てから山の中に入りました。
 そしてそこで早速山の生きもの達の調査をはじめました、するとです。 
 トートーが目を先生の頭の少し上を飛びながら言いました。
「虫が多いね」
「そうだね、虫の数の種類もね」
「相当だね」
「うん、蛾に蜂にね」
 少し入っただけで鬱蒼としている森の中で、です。先生は慎重にですが的確に歩いて進みつつ周りの虫達を観察しました。
「その他にもね」
「蚊もいるね」
「山の蚊ね」
 こう言ったのはポリネシアでした、ポリネシアも飛んでいます。このことはチープサイドの家族も同じです。
「これは」
「そうだね、蚊がいるから」
「蚊はこちらで食べるから」
「近寄せないから」
 チープサイドの家族は皆にこう言いました。
「蚊も食べるから」
「安心してね」
「それに何かね」
「蚊は少ないよ」
 こうも言うのでした。
「思ったよりも」
「寄って来ない感じだね」
「それは君達を避けているね」
 だからあまりいないとです、先生はチープサイドの家族に答えました。
「天敵の君達をね」
「ああ、天敵だから」
「それで私達を避けて」
「先生達にはあまり寄って来ない」
「そうなのね」
「うちでもそうだよね」
 先生がお家にいる時もかというのです。
「その時もね」
「そういえばそうだね」
「お家も蚊少ないわね」
「イギリスにいた時から」
「何かと」
「そうだよ、君達を避けているからだよ」
 この辺りは本能的にそうしているのです、虫達も。
「蚊は少ないんだ、ただ調査出来るだけはいるから」
「そのことは安心して」
「調査していけばいいね」
「そうだよ、虫も調査して」
 そしてなのでした。
「後はね」
「生きものだね」 
 ここでこう言ったのはジップでした、ジップはお鼻をくんくんとさせています。
「狐や狸もいて」
「そう、鼬も栗鼠も鹿もいて」
「沢山の動物達がいるね」
「そうだよ、彼等の調査をするよ」
 こうお話してでした、先生は楽しそうなお顔で先に進んでいきます。ですがその中でなのでした、チーチーがです。
 ふとです、不安そうに言いました。
「ニホンザルもいるけれど」
「怖いのかっていうんだね」
「ニホンザルって本当に結構怖いからね」
 チーチーはこのことが不安なのです。
「大丈夫かな」
「うん、乱暴だったらね」
「あまり近寄らないで、だね」
「調査しないとね」
「僕達猿はすばしっこいしね」
「しかも力も強いからね」
 先生はこのこともよく知っています、猿の力の強さも。
「握る力が」
「だから気をつけてね」
「わかっているよ、チーチー」
「若し何かあったら」
 チーチーは確かな声で先生に言いました。 
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