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歌集「春雪花」

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 七夕の

  空曇りしも

   橋渡し

 われと違いて

    想いぞ繋がり



 七夕の節句だというのに、空は生憎の曇り空…。

 しかし、私とは違って…織姫と彦星の想いは繋がっているのだから、雲の上では天の川に橋がかかり、きっと出逢っているに違いない…。

 私は一人…雲の下で彼への想いを紡ぐだけ…。



 願えども

  空しきだけの

   七夕の

 短冊に書くは

    君に会いたき



 願うだけ空しい七夕…願いなぞ叶うはずもないと知っている…。

 だが…知っていて私は、短冊を取り出して願いを書き付けてみたのだ…。

 彼に会いたい…と…。

 会えるはずもない…想われるはずもない…。

 淡い期待は虚しさと哀しみに変わることさえ解っているが…遣らずにはいられなかった…。


 寂しいからだ…。



 
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