異世界系暗殺者
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決行の時間(2016/05/16 一部修正)
前書き
今回もA・Tがそれなりに活躍です。ただ、今までと違ってイッキ以外も活躍しているので、その点を想像しながら読んで頂けると幸いです。
また、あとがきで次話以降のアンケートも執り行っています。ご協力頂けると幸いです。
【視点:樹】
8月中旬某日、暗殺旅行初日の夜。俺達E組は暗殺を成功させる為、昼間の内に暗殺場所の準備を整えるだけでは飽き足らず、乗り物酔いの激しい殺センセーを船上レストランにまで連れ出し、貪欲なまでに殺センセーの弱体化を謀った。
そして、暗殺決行1時間前。暗殺場所であるホテルの離れにある水上パーティールームで、殺センセーを更に弱体化させる為の映画鑑賞が行われることとなった。
船に酔って棒を杖代わりに突きながら歩く殺センセーを案内するのは男子クラス委員の悠馬だ。
「殺センセー。暗殺会場はこの水上パーティールームです。この逃げ場のない場所でまずは動画鑑賞といきましょう」
「んな訳だから、さっさと席に着けよ。殺センセー。楽しい暗殺動画鑑賞の始まりだ」
殺センセーに席に座る様促すのは、皆が晩飯を食ってる間も映像編集を行っていた三村。いや、本当にご苦労さん。ちなみに動画内容は「実録!殺センセーの痴態の全て」といったオリジナル動画だ。
どういった殺センセーの痴態が映されていたかというと、女装して女子限定ケーキバイキングの列に並んでいたり、街頭で配られているティッシュを唐揚げにして食べていたり、廃棄されたエロ本を拾い読みしているものだったりする。
いい大人が嘆かわしい。しかも、こういった映像を1時間も見せられるとか、殺センセーじゃなくても普通に恥ずか死すると思うわ。
動画鑑賞の1時間はあっという間の過ぎ、液晶に完の文字が表示された時には、若干ではあるが殺センセーの上半身が恥ずかしさの影響で萎れていた。
「……死にました。もう先生死んでしまいました。あんなの知られたら生きて行けません」
既に虫の息。殺センセーは主に首から上が萎れているが、逆に下半身――複数の触手は膨張している。あっ!これは別に変な意味じゃないからな。
「!!?」
満潮の影響で水上パーティールームに海水が流れ込み、その海水をセンセーの触手が吸って膨張してるんだ。ほら、水は殺センセーの弱点の1つだし。
「ありゃー。満潮で水が入り込んで来るとか、随分と欠陥建築だ。無事生き残れたら、ホテルに苦情でもしてみれば?殺センセー」
実際の所、欠陥建築ではなく昼間の内に渚、カルマ、友人を始めとした一部の生徒が支柱を短くしただけなんだけどな。この水上パーティールームは烏間先生経由で政府が買い取ったっぽいから、無茶苦茶しても問題はないだろう。
「船に酔って、恥ずかしい思いして、海水吸って。大分動きが鈍って来たんじゃない?」
「さぁ、ここからが本番です」
「避けないで下さいね、殺センセー」
最後に有希子がそう言い終えると、触手破壊組―――俺、有希子、悠馬、奥田さん、中村、律の6人は対殺センセーエアガンを触手に向け、一斉に発砲した。
そして、13本の触手破壊と同時にパーティールームの外壁が破壊。今度は俺と悠馬が風の技で作り出した規模の小さい竜巻の檻で殺センセーを閉じ込める。
正確には只の竜巻ではなく、海水を巻き上げている竜巻―――水嵐の檻だ。もっと分かり易く説明するなら、エア●ギアに登場した竹内空とキリクの混合技・Crystal Sand Windの水verと思って貰えばいい。
殺センセーは急激な環境の変化に対応できず反応速度が遅れる。当然、その隙を俺と悠馬が見逃す訳が無い。
俺と悠馬はA・Tを使って同時に殺センセーの頭上へと飛ぶと、柏手を打って殺センセーを海水で水浸しとなった床に叩き付ける。触手だけでなく全身をふやけさせ、更に弱体化させる為だ。
普段の殺センセーなら俺達が作り出した空気の塊を避けることもできただろう。が、今回に限ってはそれもできずにいた。それは一言に陽斗の功績だ。
元々、この島は沖縄より更に南にある離島。夜であっても気温が基本的に高い。故に俺の履いている炎の試験型玉璽によって発生する熱もある程度なら感知され難い。
つまり、熱対流による光の屈折で姿を消すことも比較的容易にできる。無論、環境の変化で殺センセー自身がテンパっていたことも一役買っている。
姿を消していた陽斗は石の正規実用型疑似玉璽で水晶振動周波を発生させ、ダイラタンシー現象とは異なる硬化現象を引き起こし、それによって殺センセーは動けずにいたって訳だ。
まぁ、殺センセーが粘液を自分の周囲に張り巡らせていたら、石の正規実用型疑似玉璽による硬化現象も殺センセーには届かなかったんだろうけどな。
そうそう。姿を消していたのは陽斗以外にも16名いる。その16名は陽斗が石の正規実用型疑似玉璽で発生させていた硬化現象を解くと同時に、手に持っていたエアガンで一斉射を始める。
が、その射撃も殺センセーに当てる為のものじゃない。殺センセーは自分に当たる攻撃に対してすごく敏感だからな。故に、敢えて一斉射では殺センセーを狙わない。この一斉射は逃げ場を塞ぐ弾幕――水嵐の檻に次ぐ第二の檻だ。
当然のことながら、これだけでは殺センセーを釘付けにするだけで殺せない。だから、攻撃担当は水嵐の檻と外側に別に存在している。
王クラスである有希子と片岡が棘の正規実用型疑似玉璽から棘――針状の大気の塊を、カルマが牙の正規実用型疑似玉璽から牙――大気の刃を水嵐の檻へと放つ。
そうすることで棘と牙が嵐によって巻き上げられた水を纏い、殺センセーにとってこの上ない凶器へと変貌する。ちなみに、外の有希子達がピンポイントで殺センセーを狙えるのは、檻の内側にいる律とリンクしているモバ律のサポートがあるからだ。
檻の内側では俺が牙を、律が棘を放ち殺センセーの体力を奪っている。まぁ、俺の履いている玉璽が炎の試験型玉璽ということもあって、本来の牙より威力が劣り、体力を削ることしかできない訳なんだが……。
念のため説明しておくが、別に専用の玉璽や疑似玉璽が無くても牙や棘を放つことはできるんだぞ。ただ、足や体への負担が半端無いけどな。
ぶっちゃけ、縮地を可能とする瀬田宗次郎の脚力が無かったらできない芸当だ。でなきゃ、遠の昔に足が壊れている。
と、少し話が逸れた。取り敢えず、俺を含む王の攻撃は真の一撃を隠す為のものでしかなかったりする。真の一撃、それは龍之介と速水による精密狙撃。
外でカルマが放った牙によって、水嵐の檻にできた隙間から狙って貰う為、かなり難しくはあるが、それでも龍之介と速水の腕なら十二分にできると思っている。
仮に失敗したとしても、その時はその時で檻の内側にいるメンバーで殺ればいいだけの話だ。それができるくらい殺センセーの体力を削っている訳だし。
そして、ついに外から放たれた本命の一撃。それが殺センセーの頭部に当たるかと思った瞬間、殺センセーの全身が閃光と共に爆ぜ、水嵐の檻はかき消され、檻の内側に居た者は俺を含め海に放り出された。
後書き
原作ではフライボードを使われていましたが、当作では風の技で代用しました。
その結果、フライボード要員も殺センセーの包囲要因に回ることができたと思って下さい。
それでは、ここから次話以降のアンケートに移りたいと思います。
・次話以降登場する敵対キャラ側の装備についてのアンケート。
①装備は原作通り
②原作装備以外に試作型疑似玉璽あり。
(②の場合、試作型疑似玉璽入手経路は防衛相。烏間経由の防衛相からの依頼でイッキが製作したという設定が加わります)
・上記のアンケートで②を選ばれた人限定アンケート
「敵勢力戦力について」
③原作と変わらず
④敵戦力を増強
・上記アンケートで④を選んだ人限定アンケート
「敵増量戦力のキャラについて」
⑤エア●ギアに登場したジェネシスのオルカ(っぽい子)
⑥エア●ギアに登場したジェネシスの暗殺者・ガウェイン(っぽいキチガイ)
⑦エア●ギアに登場したジェネシスのアーサー&シャーロット(っぽいホモコンビ)
⑧エア●ギアに登場したジェネシスの武内宙(っぽい狂人?)
(相手役候補は順にカルマ、烏間、イッキ&有希子、イッキとなる可能性が大です)
以上が取り敢えず、次話以降に製作に影響するアンケートです。ご協力頂けると幸いです。
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