ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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SAO
青眼の悪魔
第22話
前書き
軍と出くわす辺りまで書きます。
フロアボスから逃げたキリト達3人は、安全エリアへと逃げ込んでいた。
キリト『はあ〜、ここまで来れば、流石に安全だな。』
サチ『うん。』
アスナ『フロアボスは、ボス部屋の外に出ない事は承知だけど、それでも出て来そうな気がしたからつい安全エリアまで走って来ちゃったわね。』
キリト『だな……特にサチは、俺達を追い越して見えなくなった時はハラハラしたがな。』
サチ『仕方ないでしょ。あんなモンスターを見たら、誰だって全速力で逃げたくなるでしょ?』
キリト『ははっ、そうだな。』
『『『……。』』』
その後、沈黙の時間が続いたが…、キリトが口を開いた。
キリト『なぁサチ、思い出さないか?こんな話をしていると……。』
サチ『私が家出した時の事?』
キリト『そう……。』
サチ『ああっ…確かに……。』
キリト『あの時は汗が止まらなくなったなぁ。特に、サチがSAOから逃げようって言い出した時は……。』
サチ『ゴメンなさい。冗談半分で言ったつもりだったんだけど……。』
キリトが言っているのは、本作第2話の出来事の事。(詳しくは、本作第2話を参照。)
サチ『それにしてもキリト、あのフロアボスにどう対処するの?』
サチはフロアボスへの対処方についてキリトに聞いた。
キリト『そうだな…盾装備のプレイヤーが欲しいな〜。』
キリトはサチにこう返した。
サチ『盾装備ねえ……。』
サチは呟いた。
アスナ『……。』
一方のアスナは、キリトを怪しそう見つめている。
キリト『なっ、何だよ?』
アスナ『貴方知らないの、片手剣のメリットは盾を装備出来る事を。細剣もそうだけど、私の場合はスピードが落ちる欠点があるからあえて装備していないけど、キリト君の場合はそうじゃないでしょ?何だが怪しいなぁ〜……』
キリト『……。』
アスナがキリトを怪しそうに見つめていたのは、キリトは盾を装備していない事。細剣も盾を装備出来るが、アスナはあえて装備していない。だからこそ、アスナはキリトを疑っているのだ。
アスナ『とはいえ、スキル等を聞くのはタブーだし、まあいいわ。』
と言う訳で、アスナは見逃してくれた。
ーーーー
その直後サチが…、
サチ『キリト、お腹空いてない?お弁当を用意してあるんだけど……』
キリト『本当か?丁度お腹が空いていたんだ‼︎』
アスナ『≪ピクッ‼︎≫』
っと言ってお弁当を広げた。サチの言葉に、アスナは反応した。時刻は12:00すぎ、お腹が空いてて当然だ。
≪ぱかっ≫
キリト『うわ〜、相変わらず美味そうだな‼︎』
サチ『ふふっ、ありがとう。』
アスナ『(何でサチばっかり……。)≪ムカムカッ≫』
サチのお弁当は、キリトの好物だけでなく、サラダも入っており色とりどりでとても美味しいそうに見える。それを見たアスナは、イライラを募らせた。
すると…、
アスナ『奇遇ねえ、私もお昼ご飯を用意して来たんだけど…キリト君食べる?』
キリト『えっ?』
アスナもお昼ご飯を広げて、キリトに差し出した。アスナのはサンドイッチ。
キリト『御行為はありがたいけど……』
アスナ『(くっ、こうなったら……。)なら、キリト君のお弁当を半分私に分けてくれる?私も半分分けるから、それでいいでしょ?』
キリト『あっ、ああっ……それなら、別に構わないが……。』
サチ『(なっ⁉︎)』
アスナは、首を縦に振らないキリトに交換条件を突き付けた。
それをキリトが承諾した為、サチは驚いた。
アスナ『じゃあどうぞ♪』
アスナはサンドイッチを半分キリトに渡した。
キリト『ありがとう、じゃあ…はい……。』
そしてキリトは、アスナにお礼を言うと、サチのお弁当を半分アスナに分けて渡した。
アスナ『ありがとう、どれどれ……。』
アスナは、お弁当の半分を受け取ると、早速一口。
アスナ『ふんふん、中々ね……とはいえ、私に比べたらまだまだだけど。』
サチ『クウ〜。』
アスナの感想を聞いたサチは悔しがったが…、
キリト『まぁ落ち着けって。それに、サチのお弁当も中々美味いぞ。』
サチ『本当に?ありがとう‼︎』
アスナ『≪ムカッ‼︎≫』
キリトの感想を聞いて喜んだ。
因みにアスナは、キリトの言葉に嫉妬の表情を見せた。
ーーーーーーーーーー
そんなこんながあって、3人がお昼を食べ終えた後…、
≪ゾロゾロッ≫
6人のプレイヤーからなるパーティーが、キリト達のいる安全エリア内に入って来た。全員戦国時代の武士の様な鎧で身を硬めている。
サチ『キリト、あの人達って……』
キリト『間違いない。クライン率いる<風林火山>だ。』
キリトの言う通り、そのパーティーは紛れもなく、攻略ギルド<風林火山>のパーティーだ。
そしてその先頭にいるのが、そのリーダーのクライン。キリトとサチの知り合いでもある。
すると、そのクラインがキリトとサチに気付いた。
クライン『おおっ、キリトにサチじゃねえか‼︎』
クラインは、キリトとサチの元に歩み寄った。
キリト『よおクライン。』
サチ『お久しぶりです。』
2人は、クラインに挨拶した。
クライン『相変わらず、生き延びていたか?』
キリト『失礼だな、俺等を何だと思ってるんだよ?』
サチ『ふふっ……。』
こうした雑談は日常茶飯事なのは、読者でも解るでしょう。
アスナ『……。』
そんな時、アスナがキリト達の元に歩み寄った。
クライン『なっ⁉︎』
これにクラインは驚いた。そしてキリトとサチに聞いた。
クライン『おいキリトにサチ‼︎何でお前等が〈閃光のアスナ〉と一緒にいるんだよ⁉︎』
キリト『いや、それはだな……』
サチ『実は今日だけ……』
アスナ『暫くの間、この2人とパーティーを組む事になったので、以後宜しく‼︎』
キリトとサチが言い終わる前に、アスナが口を挟んだ。
クライン『キリト、てんめぇ~なぁ〜……。』
アスナの言葉に、クラインはキリトに嫉妬の念を燃やした。
するとその時…、
サチ『≪ササッ≫』
サチが突然、隠れる様にキリトの背後についた。
キリト『どうしたサチ?』
サチ『あそこ。』
『……。』
キリトが聞くとサチは、クラインから見て後方の方角を指差した。
キリト達がその方角に目をやると…、
≪ガチャガチャッ…≫
鎧と戦闘服で身を包み、体の半分が隠れるくらいの盾と片手剣,斧槍で武装した12名の集団がキリト達の目に映った。
クライン『キリト、あいつらって……』
キリト『間違いない、<軍>だ。』
キリトの察した通り、彼等はキリト達のいる<浮遊城アインクラッド>の第1層^はじまりの街^を本拠地とする超巨大ギルド<アインクラッド解放軍>(普段は短く<軍>と呼ばれている。)のメンバーのごく一部。
本作では紹介していませんが、キリト達の時間軸でおよそ1年半程前、クォーターポイントの第25層フロアボス戦で、<軍>の主力部隊が壊滅。それ以降、<軍>が最前線おろか上層エリアに出る事は1度も無かった。
そんな時に出て来る所から察するに、彼等は<軍>のなかでも最精鋭の部隊と見ていいだろう。
アスナ『確か、<軍>の幹部が方針を変えて、最前線に最精鋭部隊を派遣するって噂を聞いていたけど……』
キリト『まさか、本当に出て来るとはな。』
クライン『ああっ、全くだ。』
サチ『……。』
キリト達は、攻略組の中で囁かれていた噂について話した。
この話は、攻略組のメンバーなら誰でも聞いた事のある話だ。無論、この話はサチも知っている。
後書き
今回はここまでにします。次回作は、早くとも今週末に公開の予定でいきます。
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