保留荘の吸血鬼
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吸血鬼、保留
俺は…一体どうなったのだ…?
その言葉が頭の中にずっと存在していた
あれから長い時が経った
ジョースターとの因縁に決着をつけるため、
カイロで奴らと戦い、そして俺は
承太郎に負けた
死んだのか…?
俺が目指していた天国なんて物は
存在しないのか…
時には柄でもない事を気にしていた
子供の事だ
あくまでも噂だが
何人かの女が俺の子供を産んだと聞いた
その子供はどうなったのだろうか
俺とは違う人生を歩んでいるのだろうか
…考えたところで無駄だった
突然目の前が明るくなる
側にはスキンヘッドの男性が2人、立っていた
「…誰だ
ここはどこだ」
二人の男は答えない
代わりに大きな声がそこに響いた
「ようやく目覚めたか〜
君、随分と魂だけで彷徨ってたみたいだねぇ…」
起き上がって
声のする方を確認すると
巨大な、少なくとも常人の2倍か3倍の大きさの人物がいた
「誰だ」
「随分と偉そうだね
まあ、この経歴を見ると当然か」
巨人は手元の巻き物のような物を眺めながら言った
「誰だ、と聞いているのだ」
「そんなに知りたいなら教えてあげるよ…
僕は閻魔、ここで死者たちを裁いているのさ
そこの二人は極と獄、僕の部下みたいなものさ」
閻魔
聞いたことはある
主に日本の方で語られる
死者が天国行きか地獄行きかを
決める者
実在していたのか?
よく見るとその閻魔の両側にいかにもな感じで
天国行きと地獄行きと思われるゲートがあった
「ふん、なんだ?
俺を地獄送りにしようとでも?」
「まあ仕方ないよね
何人も殺してるもん」
「このDIOは天国を求めた男だ…
地獄に行っている暇などない
…ザ・ワールド」
[ヴゥン]
「時よ止まれ」
ザ・ワールドを出現させ、
時を止める
そしてゆっくりと閻魔の目の前まで向かう
「…閻魔よ、図体だけで大したことはないな」
生前にハマってしまったのか
ナイフを投げつけたいところだが手元にはない
仕方なくそのまま天国のゲートへと向かう
この先に目指したものがあるのだ
「覚悟」に満ち溢れた世界が
かつて予言の書の少年…トト神の使い手、ボインゴから
聞いていた幸福にあふれた世界が
この先に…
ゲートの向こうへと足を一歩出す
…が地面に着く直前にグイッと後ろに引っ張られる
「何ィッ!?」
後ろを向くと
どうやら引っ張っているのは
閻魔の様だった
「馬鹿な…時は止まっているはずじゃ…」
「確かに、止まっているね
現にそこの二人も動いてない
でも、僕は別
一応偉い人だからね」
地獄の門の前へと降ろされる
同時に時の停止も制限時間を迎える
「それにしても…
君のそのスタンド能力?が
こっちの世界でも使えるなんてね
あらかじめ調べておくべきだったよ」
「グヌぅ…」
「ほらほら、早くそっち行って
あとが詰まってるんだから」
今のでわかった
恐らく、こいつには何も通用しない
仕方ない、天国へ行く方法は後で考える
とりあえず今は大人しく従うとするか…
それにしても…
長い間眠っていたせいか…
少し丸くなってしまったか?
いや、だとしたらジョナサンの体を奪ってからの方が
長かったはずだ…
地獄のゲートを通過する
…が、今度は大きな警告音のような物が鳴り響いた
「何だ!?何が起きているッ!」
「あ〜、君もか…
ごめん、どうやら君は地獄にも行けないみたいだ」
「だったらどうなる!どこに行けと言うんだ!」
「…君がこれから行く場所、それは…」
閻魔が少しため、その名前を出す
「留国、ってところさ」
「なん…だって…?」
いつのまにか背後にいた
スキンヘッドの二人に体を掴まれ、
どこかへと運ばれる
「離せ!このDIOに触れるんじゃあない!」
だが、二人の力はおもっていたよりも遥かに強く
吸血鬼のパワーですらも振りほどけない
「そんな、馬鹿なァァァァァァァァァ!!」
やがて一台の車に押し込まれ、
そのままどこかへと運ばれていってしまった…
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