ドリトル先生と森の狼達
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第二幕その四
「それにね」
「それに?」
「僕も運転出来るよ」
「王子もなんだ」
「実は免許を持ってるんだ、車のね」
「あっ、そうなんだ」
「日本でも運転出来るよ」
それが出来るというのです。
「しっかりとね」
「それは有り難いね」
「だからね、キャンピングカーなら馬とオシツオサレツも乗れるから」
それだけ大きなキャンピングカーなのです、王子が持っているそれは。
「それに乗って行こう」
「じゃあね」
「ただ。やっぱり山道だよね」
「うん、そうだよ」
「運転は気をつけるよ」
王子はこのことはくれぐれもと言うのでした。
「本当にね」
「安全運転が第一だよ」
先生も言います。
「僕は車の運転は出来ないけれどね」
「うん、それは絶対に守るよ」
「そうしてくれたら何よりだよ」
「じゃあ行こうね」
キャンピングカーで、とです。先生は言ってでした。
そしてなのでした、先生達は交通手段まで決めてそうして十津川に向かうのでした。その十津川にまでです。
出発してです、本当に長い時間をかけてでした。
皆は着きました、ですが。
王子はやれやれといったお顔で、です。車から出て言うのでした。
「いや、奈良県に入ってね」
「あと少しだって思ったんだね」
「うん、けれどそれがね」
「むしろ奈良県に入った方がだったね」
「長かったよ」
口調もやれやれといったものでした、今の王子は。
「全く以てね」
「そうだね、僕もそう思ったよ」
「というか同じ県だよね」
王子は先生にです、十津川に着いたところであらためて尋ねました。
「ここって」
「そうだよ」
「それでこうなんだ」
「奈良県の南はね。僕もはじめて来たけれど」
「奈良県とは思えないよ」
到底とも言う王子でした。
「これはね」
「そうだね、しかしね」
「着いたことは着いたね」
「うん、そうだよね」
「だからまずはホテルに入ろう」
先生はこうです、王子だけでなく皆に言いました。
「そうしよう」
「そうだね、殆ど真夜中に出て出発してね」
今ままで運転してきたからです、特に山道を長くそうしてきたので。
「運転手も執事も疲れてるし」
「王子もだね」
「僕はまだましだよ、考えてみるとね」
「運転した距離は一番長かったと思うけれど」
トミーが王子にお話しました。
「それでもなんだ」
「僕は何時でも元気だからね、けれどね」
それでもというのでした。
「二人はそうじゃないから、休んでもらおう」
「そう言う王子も他の皆もね」
あらためて言った先生でした、そして。
そうしてでした、皆はホテルに入ってです。お部屋に荷物を置いてから皆でお風呂に入りました、そのお風呂は見事な露天風呂でした。
その露天風呂に入ってです、王子は生き返ったお顔になってでした。
そのうえで運転手と執事、一緒に入っている二人に尋ねました。
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