転生とらぶる
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マブラヴ
1009話
映像モニタに映し出されているのは、無数のBETAの死骸、死骸、死骸。
恭順派と難民解放戦線の企んだテロ行為。BETAの誘引という行為でマシュハドハイヴから出てきたBETAは、その全てが視界に広がる限りの死骸と化していた。
見渡す限りがBETAの死骸だが、母艦級辺りが実は地面の下にまだ生き残ってたりはしないだろうな? いやまぁ、生き残っていてもどうとでも出来るんだが。
にしても、BETAの誘引という手段を取るとはな。この辺は以前中国がやったと思うが、それが原因で中国という国は日本の保護国に入る事になったんだが……
現在進行形でテロリスト集団である恭順派にはその辺は関係ないといったところか。
難民解放戦線の方は、これが知られれば難民が迫害を受けそうだとは考えなかったのか? そもそも難民というのはBETAにより国を捨てざるをえなかった者達だ。だというのにBETAを利用するような真似をすれば、未だ世界中にいる難民に対しての風当たりが強くなるかもしれないという危険性を認識出来ないとは思えないんだが。
それとも何だ? 難民解放戦線は当の難民から既に見捨てられつつあるからこそ、他の難民達はどうなってもいいという判断か?
それはそれでありそうだが。
何しろ、現在の難民は豊か……とはとても言えないが、それでも食べ物に困るような生活はしていない。
シャドウミラーやマクロス世界を通して食料生産プラントの改良が進み、味に関しても美味い! と言える程じゃないが、結構美味い? と思える程度の物は作れるようになっているし、生産量に関しても餓死するという事はまず有り得ない量を生産している。
更に言えば、多少なりとも金があれば他の世界から輸入した食べ物――缶詰めや瓶詰め、レトルトパウチ――といったものを買う事も出来るようになっているし、もっと金があれば生の食材の購入も可能になっている。
その辺を考えれば、難民解放戦線に協力して無駄に危ない橋を渡る必要もないし、恭順派の方に関してもハイヴを幾つも取り戻している現状では、恐怖に負けて恭順派に入る……なんて者も少なくなってきている。
……少なくなってきているってだけで、皆無じゃないって辺りが人間の不思議なところなんだろうな。
そういう奴を利用して、恭順派も戦力を補充しているんだろうし。
ともあれ……
「こっちは片付いたんだし、アンバール基地に戻るか。BETAの心配はなくなったが、その代わりに向こうの方もどうにかしないといけないだろうし」
アンバール基地は当然まだテロリスト共に占拠されたままだろう。通信の類ではなく、伝令や伝書鳩といったアナログな方法で通信を取り合っていた為に、殆ど情報を入手出来なかったのは痛い。
もっとも、実際に行動に移した以上は既にアナログ的な方法では間に合わない為か通信機の類を使っているようだが。
ともあれ、格納庫を1つ潰した――比喩的な意味――が、元々がフェイズ5のハイヴであったアンバール基地だ。当然格納庫が1つな訳ではなく、他に幾つも存在している。
その全てをテロリストが占拠しているとは思えないが、それでも大部分の格納庫が占拠されているのは間違いないだろう。
出来ればアンバール基地の兵士達が何ヶ所かで抵抗していればいいんだけどな。
格納庫というだけに、ガン・ルゥやリニアガン・タンクが存在しているんだから、最初の襲撃をどうにか出来れば十分に対応は可能な筈だ。
となると……さて、どうやって鎮圧するかだな。
まずやるべきはこっちの手数を……戦力を増やす事か。
……いや、この件を俺だけでどうにかする必要もないな。手数を増やすのなら、それはこの世界の軍隊にやって貰おう。戦力の移動くらいは手伝ってもいいが。
そう判断すると、通信機を取り出してホワイトスターへと繋げる。
「ホワイトスター、こちらアクセルだ。聞こえているか?」
『あら、アクセル。元気そうね。まぁ、アクセルの事だから今更BETAにどうこうされるとは思ってなかったけど』
映像モニタに映し出されるなりそう告げたのは、エザリア。
まるで俺が通信を送るのを待っていたかのようなタイミングだった。……いや、実際に待っていたんだろうな。
既にエザリアとの付き合いもそれなりに長い。俺がアンバール基地に迫るBETAを相手に対処する事は予想済みだったとしても、おかしくはない。
「ああ。アンバール基地に向かっていたBETAの処理は完了した。それで、テロリスト共に占拠されたアンバール基地の方だが、どうせならこのマブラヴ世界の戦力に鎮圧して貰おうと思ってな」
そもそも、あれだけ広いアンバール基地だ。俺が1人で……あるいはアンバール基地で捕まっている軍人達を解放して占拠するのにも時間が掛かるし、何よりも面倒臭いというのもある。せめて敵がもっと一ヶ所に纏まっていれば話は別なのだが、どこにどれだけ存在しているのか分からないしな。
スライムを使って偵察して一々選別していくのも微妙に面倒だし。
そんな思いで紡がれた俺の言葉に、エザリアは小さく驚きを露わにする。
『あら、アクセルが自分からそんな事を言い出すなんて珍しいわね。明日はBETAの着陸ユニットでも振ってくるのかしら』
「おい、それは洒落になってないぞ。いやまぁ、着陸ユニットが降ってくるのなら、シャドウミラーとしてはありがたいんだが」
アメリカがG元素を最初に入手したのも、この着陸ユニットからだしな。
……ただまぁ、アトリエがある訳でもない状態だ。G元素にはあまり期待出来ないだろう。
ああ、けど着陸ユニットをそのまま持ち帰って、ホワイトスターの外にある岩塊に設置してG元素の養殖場に……いや、次元の狭間でBETAがこのマブラヴ世界に連絡を取ったりする事が出来ないとも限らない、か。
まず不可能だとは思うが、BETAは色々な意味で謎の多い生物だからな。万が一という可能性を否定は出来ない。
その結果、門世界の門が突然現れたように、次元の狭間にあるホワイトスターへとBETAが現れたりしたら洒落にならないからな。
BETAに関しては、このマブラヴ世界で活動しているのを撃退していくという形をとった方がいいだろう。
それこそ、ユーラシア大陸のBETAを閉じ込めているこの世界の者達の如く、俺達もまたこの世界にBETAを閉じ込める。
……G元素の事を考えると色々と勿体ない気はするんだけどな。
まぁ、もしもBETAを次元の狭間に放流したとして、宇宙空間では活動出来ないと言われているBETAが、次元の狭間で活動出来るかと言われれば正直微妙だが。
「ともあれ、一旦そっちに戻るからオーストラリアを通して国連軍の方に連絡を入れておいてくれ。乗りかかった船だし、何より恭順派や難民解放戦線をこのまま放っておけば、いずれもっとでかい騒動を引き起こしそうだからな。その前に駆除してしまいたい。それに俺も協力すると伝えてくれ。まぁ、協力と言っても影のゲートでアンバール基地に直接転移するといったものだが、それで十分だろうし」
『でしょうね。そもそも、この世界の人達が転移という現象に慣れているとは思えないわ。唯一使えるのがシャドウミラーだけだというのを考えれば、当然かもしれないけど』
まぁ、そもそも1998年という時代である以上、技術的に後進世界であると言うのはしょうがないんだけどな。……マクロス世界は同じくらいにVFとか作ったりしてたけど、その辺はアタリア島にマクロスがあったからだし。
……ん? いや、違うな。確かマクロスが降ってきたのが1999年だったか?
まぁ、その辺はどうでもいい……とは言わないが、今は殆ど関係ない。
「じゃあ、準備は任せたぞ」
『ええ、分かったわ』
それだけを告げ、通信が途切れる。
それを確認し、俺もまた無数のBETAの死骸をこの場に残してシステムXNでオーストラリアの基地へと戻るのだった。
「おかえり、アクセル君」
オーストラリアの基地に転移してニーズヘッグから降りた俺を出迎えたのは、円と美砂。BETAがアンバール基地に近づいてくると知らせてくれたのが円だったから、その辺の関係だろう。
「それでもわざわざこの世界までやって来なくてもいいだろうに」
「何? 折角恋人達が出迎えて上げたってのに、随分な言い草じゃない」
その言葉に美砂が若干口を尖らせながらそう告げる。
高校を卒業して大人の女になってきた美砂だが、たまに俺の前ではこういう顔を見せる。この辺は恋人の特権だろう。
「いや、勿論美砂が出迎えてくれて嬉しいのは間違いない」
「ちょっと、アクセル君。私は?」
次に不機嫌そうになったのは円。
そんな円に小さく頭を下げて口を開く。
「訂正だ。お前達みたいな恋人に出迎えて貰えて俺は果報者だよ」
「そうそう、分かればいいのよ。ま、本当はあやか達もこっちに来たがってたんだけどね。勉強の為もあって、エザリアと一緒にオーストラリア政府や国連と交渉中よ」
「そ。だから、後であの2人も十分に可愛がってあげてね」
どこかからかうような声を聞きながら、ニーズヘッグを空間倉庫へと収納する。
「ああ、そうさせて貰うよ。それで、交渉の方はどうなっている?」
「結構スムーズに進んでるみたいよ? まぁ、そもそも恭順派や難民解放戦線は百害あって一利なしって感じだから当然でしょうけど」
そう告げる円だが、恐らくどこかの国とか企業とかが協力しているのは間違いないんだよな。
でなければ、あれだけの大規模なテロ行為を起こすのはまず不可能だ。
……一時期はアメリカやソ連辺りを怪しんでいたんだが、その様子はない。
いや、今はその様子はないと表現するのが正しいか。
恐らく以前は確かに手を組んでいた……とまではいかなくても、何らかの協力関係にはあったのだろう。
でなければ、海上プラント襲撃の時に使用された複数のF-15Eを用意は出来ない。俺達が来る前に開発――正確には改修――されたばかりの新型機なんだから。
だが、その辺に関しては別にどうこう言うつもりはない。海上プラントの件でのアメリカの失態に関しては、現在アメリカ軍で使われている戦術機全機種をシャドウミラーに譲渡するということで手打ちとなっているのだから。
問題は、やはり現在の恭順派共がどこの組織と繋がっているかだが……まぁ、その辺に関しては今回のアンバール基地解放作戦で捕虜がいれば聞き出せるかもしれないな。
「なら、そろそろこっちも準備しておいた方がいいか。帰ってきたばかりで悪いが、俺もすぐに出る」
「……でしょうね。そもそもアクセル君がいる時にテロを仕掛けるとか、色々な意味でタイミングが悪過ぎるわ。向こうにしてみれば、青天の霹靂とかそんな感じかしら」
苦笑を浮かべつつ告げる美砂に、円もまた同様だと頷く。
そんな2人を連れ、俺は基地の中へと入っていく。
「それで、交渉自体はどこで? ホワイトスターか? それとも……」
「アクセル君の予想通りよ。この基地の通信施設で。私達も一応護衛って名目で来てるんだし」
「……本当に名目でしかないわよね」
しみじみと呟く円だが、確かに現状でこの基地に攻撃を仕掛けてくるような奴はいないだろう。
そもそもメギロートやイルメヤが外を警戒しているし、生身でも量産型Wが警戒を怠ってはいない。
それ以外にも防衛設備として、技術班の開発したものやら、悪ふざけで考えて開発されたものやら、お遊びで開発されたものやら……等々。色々なものが設置してある。
ぶっちゃけ、出来ればこの世界に基地を作った当初にこれらを設置していれば、色々な国の侵入者達に対処する手間が減っただろうに。
「なるほど、じゃあ通信施設の方に行くか」
そう告げ、円と美砂を引き連れながら基地の中を歩いて行く。
シャドウミラーの基地である以上、当然ながら人間の姿よりも量産型Wやメギロート、イルメヤといった存在の方が多く見える。
中には何でいるのか分からないが、ハイエルフやダークエルフも数人いる。……本当に何でいるんだ?
思わず首を傾げながら歩いていると、俺達が向かっていた方向から歩いてくる人影が3つ。エザリア、あやか、千鶴の3人だ。
どうやら予想以上に早く交渉が纏まったらしい。
「どうだった?」
そんな端的な言葉に、エザリアは問題ないと小さく笑みを浮かべて口を開く。
「予想通りね。向こうにしてもアンバール基地を恭順派の手に渡しておく訳にもいかないみたいだから、簡単に乗ってきたわ。それに、今回協力するのはシャドウミラーじゃなくてアクセル個人だって言っておいたのも効いたみたい」
こうして、恭順派と難民解放戦線の一大作戦で乗っとられたアンバール基地奪還作戦が始まることになる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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