ドリトル先生と森の狼達
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第一幕その二
そのうえで、です。動物園の中を歩いていきました。日本にはいない虎や豹、ライオンのコーナーの見てです。
そうして狼を見たところで、でした。
ジップは首を傾げさせてです、先生に尋ねました。
「あの、この狼は」
「中国から来た狼だね」
先生はその狼の説明を読んでからジップに答えました。
「あの国にもいるからね」
「そうなんだ」
「うん、そうだよ」
「そういえば狼も色々な国にいるね」
「ユーラシアと北米の殆どの地域にいるよ」
「本当に色々な国にいるんだね」
ジップは先生のお話を聞いて応えました。
「僕達犬のご先祖様でもあってね」
「そうだよ、犬は狼から生まれた生きものだからね」
「それで僕達も全世界にいて」
「狼も広い場所にいるんだ」
「犬は日本にも沢山いるね」
ガブガブも言いました。
「じゃあ狼も」
「あっ、日本の狼は」
ガブガブの今の質問にはです、先生は。
そのお顔を暗くさせてです、こう答えました。
「いないんだ」
「そうなんだ」
「昔はいたよ」
こう答えるのでした。
「沢山ね」
「今は、なんだ」
「絶滅したんだ」
先生は日本に狼がいなくなった理由を悲しいお顔でお話しました。
「だからもうね」
「日本にはいないんだ」
「ほんの百数十年前まではいたよ」
日本にもというのです。
「日本の山のあちこちにね」
「どうして絶滅したのかな」
ホワイティが先生のその訳を尋ねました。
「家畜を襲うからとか?」
「それもあるしジステンバーでね」
「あっ、蚊の病気の」
「それが一番大きかったんだ」
この病気のせいでというのです。
「日本の狼、ニホンオオカミはいなくなったんだ」
「そうだったんだ」
「このニホンオオカミも面白い生きものだったらしいね」
「どんな狼だったのかな」
トートーもそのことが気になりました。
「それで」
「うん、狼の多くは平原に住んでいて。森に住む狼も平らな場所にいるよね」
「そうだね、他の国だと」
「けれど日本は山がかなり多いね」
「じゃあ山にいる狼なんだ」
「そうなんだ、それがね」
「ニホンオオオカミ、北海道にいたエゾオオカミなんだ」
「成程ね」
トートーは先生の説明を受けて納得しました。
「それがニホンオオカミなんだね」
「そうだよ、だから他の狼より小さかったんだ」
先生は皆にこのこともお話しました。
「日本にいる他の生きものと同じでね」
「やっぱりそうなるのね」
ダブダブは先生のお話を聞いて言いました。
「山にいると」
「隠れるには小さい方がいいからね」
「それに日本の山は色々なものが沢山あるから」
「大きいと邪魔になるから」
「だから皆小さいのね」
「そうなんだよ、生態系の適性を求めた進化」
それは何かといいますと。
「ダーウィンだね」
「また凄い学者さんの名前が出て来たわね」
ポリネシアはダーウィンと聞いてしみじみとした声で述べました。
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