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歌集「春雪花」

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 朝焼けに

  夏の香受けて

   歩きしも

 君ぞ居ぬ間の

    虚したらんや



 梅雨の冷たい夜風の和らいだ朝方…気晴らしに散歩に出てみた…。

 清々しい空気に朝陽が注ぎ、見れば夏草に朝露が光る…。

 でも…ここには彼がいない…。それだけが私にとっての真実…。

 それだけで…虚しくなる…。



 われ思う

  数え終わりし

   水無月の

 離れし君ぞ

    われを忘れし



 ふと…私は思った…。

 後数日で六月が終わる…。君はきっと、私なぞ疾うに忘れ、日々を忙しく過ごしているのだろう…と。

 私のいない…新たな場所で…。



 
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