リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
最終話 全ての終わり
前書き
最終話
キメラモンカオス・ルインモードをやっとのことで撃破した大輔達は深い溜め息を吐いた。
大輔「ふう…キメラモンカオスの気配は完全に消滅した…ようやく終わったぜ」
賢「もう僕クタクタだ。休みたいよ」
ブイモン[そりゃああれだけボロボロになればなあ]
ワームモン[仕方ないよね。僕も疲れたし休みたいよ]
フェイト「お疲れ様大輔、アインス」
はやて「賢兄もリインもお疲れ~」
クタクタでへたり込んでいる大輔達にフェイト達が歩み寄る。
一輝「ふう…手間取りやがって…」
安堵したように呟く一輝に隣で聞いていたカリムも苦笑した。
他の子供達もパートナーと抱き合い、全身で喜びを表している。
自分達は勝利した、異世界の戦いの時と同じように。だが2年前と違うのは、2つの世界の選ばれし子供達が一丸となって敵に立ち向かった事だ。
ゲンナイ「うんうん、大輔、賢、ブイモン、ワームモン。お主達のおかげでデジタルワールドの全てが救われた。テイルモン、お主に渡す物がある」
ゲンナイがテイルモンに見せたのは光を反射して煌めく金色の輪であった。
テイルモン[ホーリーリング!]
ゲンナイがテイルモンにホーリーリングを差し出す。
テイルモンは嬉しそうにそれを見つめていた。
あるべき者の手の中に戻ったホーリーリングは、約1年ぶりにテイルモンの尻尾に嵌められた。
彼女を抱き上げたヒカリも、ほっとした表情を浮かべる。
ゲンナイ「ホーリーリングは、デジモンカイザーの移動要塞で暗黒の力を制御するために使われていたのじゃよ。そのまま置き去られていたのを、京達のジョグレス進化の為に使わせてもらっていたのじゃ。」
大輔「ちょっと待て。じゃあ要塞が爆発しそうになったのはあんたのせいってことか?」
ゲンナイ「まあ、そうなるかのう。しかしあの件が無ければジョグレス進化の事を京達が知ることはなかったし結果オーライじゃな。」
全員【ゲ、ゲンナイさ~ん!!】
ゲンナイ「よしよし、お主達もわしの親心を理解してくれたか」
大輔、エリオ「「ふざけるなああああああ!!!!」」
プロレスラー顔負けの破壊力を誇る親子のクロスボンバーがゲンナイに炸裂した。
フェイト「私達も行くよはやて!!!!」
はやて「行くでフェイトちゃん!!!!」
賢「あんたは僕達を何だと思ってるんだ!!!!」
アリサ「みんな、この糞爺を1回殺すわよ!!!!」
一輝「もし大輔達がいなかったらどうするつもりだったんだてめえは!!!!」
ルーテシア「本当に考えなしの馬鹿なんだから!!!!」
なのは「ゲンナイさん、ちょっとO☆HA☆NA☆SHIしようか!!!!」
ユーノ「O☆HA☆NA☆SHIじゃ足りないよO☆SHI☆O☆KIだよ!!!!」
ドカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ!!!!!!!!
大輔達全員からフルボッコされるゲンナイ。
しかしゲンナイはキメラモンカオス並の耐久力を発揮した。
ゲンナイ「ふっ、いつまでもやられっ放しではないぞ。わしはお主達の制裁に備えてデジモンや選ばれし子供達特有の攻撃をシャットアウトするプログラムを身体に仕込んでいたのじゃ!!!!」
全員【出たよ技術の無駄使い!!!!】
フレイモン[くそ、余計な知恵をつけやがって!!!!]
チビモン[これじゃあ私達の攻撃が通じないよ!!!!]
悔しそうにゲンナイを睨む大輔達とブイモン達。
ギルモン[なら、これならどうだ!!10べえ!!かーめー○ーめー]
大輔「待て、それは色んな意味でやばいだろ!!」
はやて「いや、あの爺にダメージを与えられるなら著作権なんかくそくらえや!!」
ゲンナイ「ぬわあああ!!ちょっと待」
ギルモン[波ーーーーっ!!!!!!]
ゲンナイ「ぬおああああああああああ!!!!!!!!?」
ギルモンの気功波を喰らったゲンナイは吹き飛ぶ。
流石に他作品の技は防げないらしい。
なのは「今だよユーノ君!!今のユーノ君なら超ユーノ人4に…」
ヴィヴィオ「超ユーノ人ゴッド超ユーノ人がいい!!」
ユーノ「いやだからなれないってば!!まだそのネタを引っ張るの!!?」
ガブモンX[そうだよ。超ユーノ人4じゃなくて超フェレット人4だよ]
ツカイモン[いやいや、ここはやはり超スクライア人ゴッド超スクライア人が…]
ハックモン[ゴッドや4よりももう5になっちゃえば?]
ユーノ「だからなれないってばああああああ!!!!!!」
京「そうだ。暗黒の種は?取り除かなくて良いの?」
向こうが馬鹿をやっている時、不安そうに尋ねた京に、チンクはパートナーのピエモンの隣で笑顔でパートナーを抱き締める子供達を見ながら首を横に振った。
チンク「大丈夫だ。夢を実現する力を信じることが出来れば、種はもう芽を出すことはないはず。賢の言葉を信じるならな」
京「そう…よかった……」
チンクの言葉に京は息を吐いた。
子供達は自分のパートナーを大事そうに抱えている。
その表情はにこやかで、もう闇に呑まれる心配はないだろう。
なのは「あ、エリオ君、キャロちゃん、ルーテシアちゃん、ヴィヴィオ!!!!」
エリオ「え?」
キャロ「身体が透けてる…」
ヴィヴィオ「え?え?」
ルーテシア「も、もしかして、私達、元の時代に帰るの?」
アリシア「そんな、帰っちゃうの?」
ユーノ「デジタルワールドが正常化したことで未来の人間であるエリオ達を異物という形で帰すことになったのかもね」
大輔「勝手だよなデジタルワールド。誰のおかげで救われたと思ってんだか」
アリサ「本当に勝手だわ。でも…それでも好きなのよね、デジタルワールドが」
どんなに勝手でも、デジタルワールドを嫌いにはなれないのだ。
エリオ「父さん…」
大輔「安心しろ、必ずお前達を見つけてやるさ」
フェイト「いつか家族みんなで暮らそうね」
キャロ「うん!!」
ヴィヴィオ「ユーノパパ…なのはママ…」
ユーノ「元気でね」
なのは「未来の私達によろしく」
ヴィヴィオ「うん!!」
ルーテシア「それじゃあ、みなさんお元気で!!」
エリオ、キャロ、ルーテシア、ヴィヴィオ、エア、グランス、ハックモンが光に包まれて消えた。
元の時代に帰されたのだ。
ダスクモン[……]
遼「寂しいか?」
ダスクモン[ふん、知らんな]
伊織「あ、あの……及川さん。あなたはこれからどうするんですか?」
エリオ達が未来人だと聞いていた伊織はいきなり消えたエリオ達に驚きながらも及川に尋ねた。
及川「俺は俺なりに罪を償おうと思っている。今までしてきた罪を…」
大輔「殆どアルケニモン達がやったとは言え、あんたにも罪が無いってわけじゃないからな」
及川「ああ…許されるとは思っていない。だが、俺は…」
伊織「確かにあなたは罪を犯しました。ですが罪を償おうというのは間違っていないと思います。大切なのは償おうという気持ちなんですから」
及川「ありがとう。流石、浩樹の息子だ。」
伊織「はい。あの…」
及川「ん?」
伊織「いつかお父さんのお話を聞かせて下さい。お父さんが子供の頃どんな人だったのか…」
及川「ああ、勿論。」
大輔「なあ及川さん、デジタルワールドがあんたを拒絶していた訳じゃない。あんたが、デジタルワールドを拒絶していたんだよ。勝手に高みの世界に位置付けて、自分は行けないんだって、そう思い込んでいたんだろ?だけどそれは違うんだよ。デジタルワールドは、本当はずっと近くにあったんだ。大人でも、信じる心を忘れなかったら、きっと行けるはずだったんだ。事実、こうして、ベリアルヴァンデモンが消えたあんたは、今まさにデジタルワールドにいるじゃないか。パートナーとだって、会えたじゃないか」
及川「ああ、そうだね」
数ヶ月後。
クロアグモン[貴様ら、何をサボっている!!]
ビジバシビシバシビジバシビシバシビジバシビシバシビジバシビシバシビジバシビシバシビジバシビシバシビジバシビシバシビジバシビシバシ!!!!
マミーモン[痛だだだだだだ!!!!か、勘弁してくれえええ!!]
アルケニモン[あ、あんた後で覚えて…]
クロアグモン[口答えするな!!]
バシィイイン!!
アルケニモン[痛ああああああ!!!!?]
聖竜学園の雑用係として雇われたアルケニモンとマミーモンにビジバシビシバシビジバシビシバシビジバシビシバシと鞭を振るうクロアグモン。
一応、クロアグモンはアルケニモンがダークタワーで生み出したダークタワーデジモンである。
しかしクロアグモンに鞭で叩かれ、扱かれているこの光景を見ていると、とてもではないが、アルケニモンがクロアグモンの創造主などとは思えないだろう。
クロアグモン[これ以上仕事をサボると言うのなら、貴様等の給料を下げるぞ]
マミーモン[ええ!!?これ以上下げられたら俺達給料タダになっちまうよ!!!!]
クロアグモン[ならば働け!!!!]
マミーモン[はい…]
ヘコヘコしながら雑用を再開するマミーモンとアルケニモンであった。
因みに及川は聖竜学園の教師として働いている。
及川はデジモン達と触れ合い、そして様々なことを経験して幸せそうだ。
及川と扱いが違いすぎではというツッコミはしてはいけない。
大輔「……終わったな」
フェイト「そうだね」
屋上に佇む大輔とフェイト。
フェイトは大輔に出会って始まって、たくさんの事柄を経験した。
たくさん笑って泣いて、時には苦しくて、でも幸せで。
大輔「早いもんだな。お前と会ってからもう3年過ぎちまった。」
肉体的には12歳。
しかし中身はデジタルダンジョンと異世界での時間を合わせれば16歳。
隣のフェイトも本来なら14歳の年齢だ。
フェイト「うん、色々あったね今まで…本当にお疲れ様。」
大輔「ああ。一時はどうなるかと思ったこともあったけどな……」
フェイト「私、キメラモンカオスとの戦いでは何も出来なかったな……」
まともに戦えもせず、力を送ることしか出来なかった。
大輔「俺はお前が……みんながいたから頑張れたんだよ。少なくとも俺はフェイトと家族や友達がいると思うから、戦えた。キメラモンカオスには惨敗とか不甲斐ない結果出しちまったけど……」
フェイト「大輔…」
大輔「フェイト、いつか近い未来。エリオとキャロ見つけて、家族みんなで暮らそうな?」
フェイト「うん!!家族みんなでね!!」
そしてエリオとキャロ、ルーテシアが飛ばされた時間軸。
エリオ「えっと…大分日数が過ぎているな。僕達がいなくなって数ヶ月も過ぎてる」
キャロ「デジタルワールド、少し適当過ぎだよね」
ルーテシア「大輔さん達に謝らないとね」
本宮家に急いで帰ると。
パーン!!
エリオ「!!?」
大輔「よう!!」
スバル「お帰り!!そして久しぶりエリオさん!!キャロさん!!ルーテシアさん!!」
キャロ「え?久しぶり?しかもさん付け?」
ティアナ「もう忘れちゃった?私達が子供の頃に一緒にたたかったじゃない」
ルーテシア「ええ!!?知ってたんですか?」
賢「うん。」
ルーテシア「だったらどうして冒険の内容を教えてくれなかったんですか!!」
ルカ「楽しようとしても駄目ですよ」
大輔「エリオ、キャロ、ルーテシア、お帰り。これで選ばれし子供全員が揃ったな。ようやく」
エリオ「父さん…」
フェイト「お帰り、3人共」
キャロ「お母さん…」
久しぶりに聞く大人の両親の声にジワリと来たキャロ。
フェイトは満面の笑みを浮かべながら口を開いた。
フェイト「エリオ、キャロ。あなた達にプレゼントがあるの」
エリオ「え?」
キャロ「プレゼント?」
首を傾げる2人にフェイトはお腹をさする。
フェイト「赤ちゃん。懐妊しました、エリオとキャロはお兄ちゃんお姉ちゃんになります」
軽く笑いながら言うフェイトに、エリオとキャロは唖然とした。
何を言うべきか考えている様子のエリオとキャロだったが、暫くすると、物凄い勢いで喜び始めた。
エリオは満面の笑みでフェイトの手を握り、ぶんぶんと上下に振っている。
フェイト「わ、わ、エリオ!!?」
まるで懐妊を伝えた時の大輔がそうしたように。
流石は親子。
本当にそっくりだ。
エリオ「よかったですね母さん!!赤ちゃんが産まれるの、いつですか、いつ!!?」
フェイト「まだ1ヵ月ぐらいだからまだまだだよ……」
キャロ「私、お姉ちゃんだってルーちゃん!!」
ルーテシア「よかったねキャロ!!」
まるで自分のことのように喜んでくれるルーテシアにキャロも満面の笑みを浮かべた。
そして更に1年後の高町家。
ヴィヴィオ「パパ、ママ、ただいま!!」
なのは「お帰りヴィヴィオ!!」
ユーノ「お疲れ様」
自分の帰りを両親は暖かく出迎えてくれた。
ヴィヴィオは両親に抱き付く。
こうして異世界を巻き込んだデジタルワールドでの戦いは幕を閉じた。
人の心の中にも、そして世界中にも光と闇がある。
これからも、ずっと光と闇は戦い続けるだろう。
しかし、心の中の光を…夢を実現する力を忘れなければ大丈夫だ。
僕らのデジタルワールド
あの日あの時 出会わなければ
今の僕らはきっといないね
ありがとうデジタルワールド
信じる凄さ気づかなければ
こんなに強く なれなかったよね
冒険の旅は まだまだ続くよ…
ページ上へ戻る