転生とらぶる
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マブラヴ
1004話
ホワイトスターでの神楽坂とのやり取りがあってから数日。俺の姿はマブラヴ世界にあるアンバールハイヴにあった。
以前に起こったBETAの大氾濫で中断していた基地化の作業に関しても、当然既に再開されている。
既にハイヴの中にあるBETAの死骸に関しては全て運び出され、中東連合やアフリカ連合がシャドウミラーと取引をする上で重要な取引材料と化していた。
にしても、今更だがこれって貨幣経済じゃなくて一種の物々交換に近いよな。いや、BETAの死骸を引き取る時にこっちが金を貰っているのを考えれば、一概にそうとも言えないのか?
ともあれ、ハイヴ内部にあるドリフトは今ではすっかり綺麗になっており、コンクリやら何やらの舗装もされていっている。
ホールに関しては、基本的に戦術機やリニアガン・タンク、ガン・ルゥの格納庫的な扱いになっているらしい。
勿論地上に近い位置にあるホール限定だが。
本来であれば、地上に格納庫を作るのが一番いいらしい。だがこのアンバールハイヴ以外にも基地化させなければいけないハイヴが大量に存在している以上、そんな暇はないらしい。
言い方は悪いが、使える所があるのならそれを使えって感じだ。
それと、ついでにプロミネンス計画のカリンダ基地の件もあるしな。
一応元々あった基地を改修する形で工事を進めたんだが、それでも一国の地方にある基地で、世界中の国々から派遣された部隊を引き受けるのだ。キャパシティ的に色々と無理があり、結果的には改修とは名ばかりの増設に次ぐ増設となった。
ただ、プロミネンス計画は間違いなくこのマブラヴ世界の人類にとっては福音に近い影響をもたらすだけの計画だ。それを理解しているからこそ、ハイヴの基地化よりも優先して資材や資金が投入されたのだろう。
そんな風に考えながらハイヴ内部の通路を歩いていると、案内役として派遣された中東連合軍の男が笑みを浮かべて口を開く。
確か中佐だったか? 案内人が中佐ってのも色々とおかしいが……まぁ、この辺に関してはシャドウミラーの代表である俺がいるからこそだろう。
「どうですか、アクセル代表。このアンバール基地もそれなりに見られるようになってきたと思いませんか?」
「そうだな。こうして見る限りでは、確かに整備が進んでいるように見える」
中佐にそう返しながら、周囲を見回す。
何で俺がこんな所にわざわざ……そう思わないでもないが、暇なら前線に顔を出してきて欲しいとエザリアに要請されたんだよな。
実際、俺がやるべき事と言えば書類のチェックやら、あるいは判子を押すとかそういう程度だ。後は実働班に混じって訓練とか。
本来であれば、シャドウミラーの中で最も重要なのは未知の技術の習得。つまり他の世界への転移であり、それを行うのが俺な訳だが……マブラヴ世界の方がまだ安心出来る状態じゃないとか、技術班がまだG元素の中でも魔法に融和性のあるグレイ・シックスの研究に全力で取り掛かっている為に、新しい技術を得たとしても解析出来る余力がないとか、その辺の理由からまだ他の世界への転移は出来ないんだよな。
特にグレイ・シックスの研究は最優先課題と言ってもいい。……そのグレイ・シックスの研究が意外に苦戦している以上、余力的に新しい技術の解析に回せる要素がなくて、そのまま研究に手を付けないまま溜まっていくって事態は、絶対に避けたい。
普通であれば、取りあえず研究の進展が望める場所から手を付けていくのも正しいのかもしれないが、こういう手段が取れるのは魔法球が外の1時間が中では2日間で、更には魔法球の内部では年を取らないって手段があるからこそだ。
そんな風に考えつつ、次に中佐に案内されたのは食堂。
……何で食堂?
ご多分に漏れず、ここもまたホールを改装して作られた場所らしい。
比較的小さめのホールだったらしく、先程案内された格納庫に比べれば随分と狭い……と言う程に狭くはないけど、それも格納庫に比べれば狭いと言ってもいいだろう。
「シャドウミラーからの技術的な援助のおかげで、食事に関しても随分と改善されました。よければ食べてみますか?」
「そうだな、じゃあ頼む」
何だかんだと、中東の料理というのは殆ど食べた経験がない。
敢えて上げるとすれば、スパロボOGs時代に世界中を放浪していた時に少し食べたくらいか。あの時は中東の方は殆ど足を伸ばさなかったからな。
SEED世界でアークエンジェルと共に落下した時は……いや、あれはアフリカだったか。
それでも、ここはアフリカ連合軍も入っているのを考えれば似たようなものか。
そんな風に考えている俺の前に、料理の皿が次々と並べられていく。
まずは、SEED世界でもアフリカで食べたドネルケバブ。……考えてみれば、確かにこれってどちらかと言えばアフリカ料理というよりも中東料理だよな。
他にもチキンライスやムール貝のフライ、サバのサンドイッチ。そして……
「ピザ?」
最後に出てきた料理に、思わず呟く。
そう、今俺の目の前にあるのは間違いなくピザだった。
ピザといえばイタリアの料理じゃないのか? なのに何で中東の料理自慢で出てくるんだ?
そんな俺の疑問を解決したのは、向かいに座って料理の説明をしていた中佐だった。
「ああ、これはラフマジュンといって……そうですね。トルコ風薄焼きピザといって、こうやって食べます」
中佐は手を伸ばすとピザを手に取り、イタリアンパセリを乗せてからレモンの果汁を搾り、クルクルと春巻きのような感じの形状に巻いてから口へと運ぶ。
へぇ、珍しい食べ方だな。
他にも色々と珍しい料理が出てきては、それを食べていく。
BETAに対する最前線という事もあって、このアンバール基地で提供されている食事は殆ど全てが天然物だ。
……まぁ、天然物というか、他の世界から輸入している食材なんだけどな。
この世界の住人にとっては、合成食ではない天然物というのは色々な意味で貴重だ。それを餌にして、BETAとの戦いの最前線に戦力を集めているって事だろう。
ちなみに天然物、天然物と言っているが、他の世界で養殖された肉や魚でも、この世界では天然物という扱いになる。
この辺の表示というか、物言いに関しては、最初色々とトラブルもあったんだよな。今ではすっかり馴染んだけど。
ともあれ、シャドウミラーを通して各世界との貿易が活発化した今では天然物の食事もこうしてある程度は余裕を持って提供する事が出来ている。
まぁ、難民は相変わらず合成食がメインなんだが、そちらに関しても以前と違って味の改善が大分進んでいるしな。
「ふぅ、美味かった。さすがに本場だな。特にサバサンドが予想以上に美味かった」
揚げた鯖を挟んだだけのサンドイッチなんだが、妙に美味かった。単純な料理なだけに、技術が問われるんだろう。
「そうですか、喜んで貰えて幸いです。先程も言いましたが、食事に関してはシャドウミラーのおかげでここまで豊かになったのですよ。アクセル代表達がこの世界にやって来てくれたのは、まさに天の采配と言ってもいいでしょう」
「そうか? まぁ、そう言われて悪い気はしないけど」
「ただ……」
どこか言いにくそうな表情でこちらに視線を向けてくる中佐。
「出来ればオーストラリアではなく、この近辺に転移してきて欲しかったですね」
「そう言われてもな」
まぁ、中佐の気持ちは分かる。現在BETAとの最前線の1つでもある中東と違い、そして極東、ヨーロッパ方面とも違い、オーストラリアには全くBETAの脅威が存在しないのだ。
純粋に対BETAの事を考えれば、やはり最前線であるそのどれかに……そして出来れば自分達の国に来て欲しかっただろう。
だが、オーストラリアだったからこそ今の関係を築けたとも言える。
俺がこの世界に来た時点で、アメリカに次ぐ国力を持っていたからこそ、シャドウミラーという存在を確保し続けられたのだ。
これがもしどこかの小国であれば、国連の管理下に置くとかいう話になり、結局はマブラヴ世界の国連軍VSニーズヘッグという形になっていた可能性も否定しきれない事実なのだから。
そしてそうなっていれば、間違いなくこの世界の戦力は激減していただろう。そして結果的にはBETAがこの世界を蹂躙する事になった筈だ。
当然もしそんな状態になっているとすれば、こっちとしてもこの世界の住人を助けるようなつもりは一切なく、そのままホワイトスターにシステムXNで帰還していただろう。
そんな状態になるよりは、今のこの状況こそがベストな結果だと思うんだけどな。
「過ぎた時を考えてもしょうがないだろ。今はとにかく未来を見るんだな。幸い、俺達の影響でBETAから国土を奪還しているのを思えば、決して悪い話じゃない筈だ」
「……そうですね。確かにその通りです」
「ところでこれはあくまでも可能なら教えて欲しいんだが、次のハイヴ攻略作戦に関してはどうなっている?」
その質問に、中佐は小さく苦笑を浮かべて首を横に振る。
「オペレーション・ルシファーで手に入れた幾つものハイヴの防御と基地化の作業でそれどころではありませんよ。寧ろ圧倒的にマンパワーが足りない状況ですし」
「やっぱりそうなるか」
予想通りの言葉に、小さく息を吐く。
オペレーション・ルシファーの時に各ハイヴが援軍を出してきた以上、今ならまだそのハイヴの攻略は難しくなにんだけどな。
「俺達だけに任せるというのは出来ない、か」
「でしょうね。国連にも面子やプライドがあるでしょうし」
どうぞ、と差し出されたのは紅茶。
へぇ。俺がコーヒーを苦手としているのを知っていたのか、あるいは単純に偶然の産物なのか。ともあれ、渡された食後の紅茶を楽しむ。
そう言えば中東は紅茶の栽培が有名だったな。BETAの活動で起きた気候変動でその辺が今どうなっているのかな知らないが。
ただ分かるのは、この紅茶はかなり美味いって事だ。
少なくても、軍の食堂で出るような代物ではない。
恐らく、俺が訪問するというのを知って準備したのだろう。紅茶派であるというのは、日本の……夕呼、霞、崇継、恭子辺りからのリークか?
俺が来ると聞いた以上、その辺の下調べは当然だろうな。
「ですが、私達としてもいずれマシュハドハイヴの攻略は……そして、その先にあるカシュガルハイヴを」
意気込む様子の中佐だが、正直まだこの世界の戦力だけでフェイズ5のハイヴは手に負えない。
それにフェイズの低いハイヴにしても、オペレーション・ルシファーの時のように近くのハイヴから援軍を出してくる可能性を考えると、色々と厳しい。
地上で戦う以上は、リニアガン・タンクやガン・ルゥを有効活用できるだろうが、それでも大氾濫の時のように20万、30万といった数を出されれば……それに何より、シャドウミラー抜きでとなると、光線級、重光線級の対処もしなければいけなくなる。
「やっぱり俺達が敦煌ハイヴとかマシュハドハイヴを占領するのがベストだと思うんだけどな」
「ですが、それではシャドウミラーの皆さんを盾として一方的に利用するだけになってしまいます」
「確かにそれはあるかもしれないが、こっちにも利点はある」
「利点?」
中佐の言葉に頷き、改めて紅茶へと手を伸ばしながら言葉を続ける。
「例えば、俺達が占領したフェイズ5のハイヴの中にあるG元素は、当然俺達が貰う事になる。G元素を得られるというのは、大きな利点だろう?」
ただでさえグレイ・イレブンは幾らあっても多すぎるという事はないんだし、グレイ・シックスにしても、ホワイトスターに時の指輪を融合させる時に足りなくなるという可能性もある。グレイ・ナインに関しても、今のところは使い道がないので貯蔵したり、こっそりと夕呼辺りに流してはいるが、いずれ使い道が出てくる可能性もある。
この前、夕呼とレモンが通信で色々と話し合っていたんだよな。
専門用語が羅列していたから正確な内容は分からなかったが、何でも量産型Wに使えるかもしれないという話だ。
量産型Wに使うって、具体的にどう使うのかは分からないが……ただ、レモンが笑みを浮かべていたのを考えれば、恐らくは何かのヒントを掴んだのだろう。
「なるほど。確かに上の方にしてみればあまり面白くないかもしれませんが、前線にいる身としてはG元素の所有権だけでハイヴが潰せるのなら是非どうぞという思いもありますね」
「……中佐の言葉じゃないだろ、それは」
「ははは。ここだけの話という事で……」
そこまで告げた、その時。
轟っ! という爆発音がこの食堂にまで聞こえてきた。
同時に、その振動もまた。
「……BETAの敵襲!?」
一瞬焦った表情を浮かべた中佐だったが、次の瞬間に聞こえてきたのは予想外の声。
『このアンバール基地は、我々キリスト教恭順主義派と難民解放戦線が占拠した』
そんな通信が食堂内……そして恐らく、アンバール基地の中で通信設備が整っている場所全てに流れたのだ。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
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撃墜数:1167
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