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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第百七十二話 全てに決着を…Ⅱ

 
前書き
インペリアルドラモン・パラディンモードとキメラモンカオス・ルインモードの激闘の続き。 

 
スーパーポジトロンレーザーとテラヒートバイパーによる大爆発が消えるとインペリアルドラモン・パラディンモードとキメラモンカオス・ルインモードは距離を取りながら睨み合っていた。

キメラモンカオス・RM[流石だな…更なる力を得たこの俺とここまでやるとは…]

インペリアルドラモン・PM[お褒めの言葉ありがとうよ。大分この姿に慣れてきたところだ。もうパワーに振り回されたりはしないぞ]

キメラモンカオス・RM[ほう、そいつは楽しみだ。では見せて貰おうか。]

インペリアルドラモン・PM[ふ…]

互いに不敵な笑みを浮かべる。

キメラモンカオス・RM[俺にとって貴様は未知の力を秘めた敵だからな…力が湧き出るような感覚…最高だ]

インペリアルドラモン・PM[お前は本当に戦うことしか頭にないんだな]

キメラモンカオス・RM[それが戦うために生まれた者の本能だ。戦闘種族の貴様とてそうだろう?]

インペリアルドラモン・PM[違いない。だが、俺とお前とでは決定的な違いがある。俺には守る者があるが、お前は戦いと破壊しかない。守る者がある限り、諦めない限り限界なんかないんだからな。俺はまだまだ強くなる]

キメラモンカオス・RM[戯れ言を…では見せて貰おう。貴様の力を!!]

インペリアルドラモン・PM[勿論見せてやるさ。全力をな!!]

同時に一瞬で間合いを詰める両者。

インペリアルドラモン・PM[でやああああ!!]

キメラモンカオス・RM[オオオオオ!!]

拳と拳の激突。
その衝撃波により、地面が大きく陥没する。

インペリアルドラモン・PM[スプレッドポジトロンレーザー!!]

拡散砲撃がキメラモンカオス・ルインモードに迫る。
しかし、それを容易くかわしてみせる。

キメラモンカオス・RM[その程度の技を受けるほど甘くはないわ!!]

インペリアルドラモン・PM[流石だな!!けど、俺が何の考えもなく放つと思うか!!]

キメラモンカオス・RM[何!!?]

背後を見遣るとかわしたはずの拡散砲撃がキメラモンカオス・ルインモードに迫る。

キメラモンカオス・RM[遠隔操作も出来ると言うのか…!!]

背後から迫る拡散砲撃をかわす。
インペリアルドラモン・パラディンモードは拡散した砲撃をひとまとめにしてキメラモンカオス・ルインモードに向けて放つ。

キメラモンカオス・RM[何だと!?遠隔操作だけでなく、このような繊細なコントロールまで出来ると言うのか!?]

インペリアルドラモン・PM[驚いているようだな。確かに1人では無理だ。けどな、その不可能を可能にするのがジョグレス進化とユニゾンエボリューションだ!!]

インペリアルドラモン・PMはブイモンとワームモンの能力だけに限らず、大輔と賢とのユニゾンエボリューションで強大なパワーと繊細なエネルギーコントロールを誇る。

大輔『ワームモンのエネルギーコントロールと賢の狙いは正確だぜ?』

キメラモンカオス・RM[舐めるな!!テラヒートバイパー!!]

砲撃に向けて熱線を放つ。
相殺しようとしていたのだろうが、賢はそれを見切っていた。

インペリアルドラモン・PM[弾けろ!!]

再び砲撃が拡散状態になる。
砲撃に向けて放った熱線は見当違いの方向に。

キメラモンカオス・RM[なっ!?ぐああああああ!!]

技を繰り出した後の硬直を突かれたキメラモンカオス・ルインモードは拡散砲撃をまともに受けて地面に墜落した。

ミミ「やったあ!!」

空「全弾命中よ!!」

テントモン[こ、これなら…勝てるんやありまへんか?]

「どうでしょうね。」

ヤマト「君は聖竜学園の…」

聖竜学園の女子生徒が上を見遣る。

「私もキメラモンカオスを見るのは初めてだから上手くは言えませんが、先輩達からキメラモンカオスのことを聞いています。あの先輩達が化け物の言い切る程の相手ですよ…」

「僕、一度先輩達とキメラモンカオスの戦いを見たことがあるんです。キメラモンカオスは先輩達が戦ってきた敵でも最強なんです」

聖竜学園の生徒達の中でも直接キメラモンカオスの戦いを見たことのあるメンバーは少しも安心してはいない。
勿論大輔達のことを信頼していない訳ではないのだが…。

キメラモンカオス・RM[ふはははははは!!]

凄まじい勢いでインペリアルドラモン・パラディンモードに突撃するキメラモンカオス・ルインモード。

インペリアルドラモン・PM[チッ、てんで堪えてないか。そうこなくちゃな!!]

キメラモンカオス・RM[レザーウィング!!]

インペリアルドラモン・PM[ハイパープロミネンス!!]

キメラモンカオス・ルインモードのレーザーの弾幕をこちらも身体の全砲門から一斉にエネルギー弾を放って相殺する。

キメラモンカオス・RM[ビートホーン!!]

インペリアルドラモン・PM[っ!!]

両腕を交差させてガードするが、その強力なパワーで体当たり状態のまま、インペリアルドラモン・パラディンモードを押し倒す。

インペリアルドラモン・PM[何!!?]

地面に強く叩きつけられるインペリアルドラモン・パラディンモードだが、すぐに体勢を立て直して強烈な右ストレートを喰らわせた。

キメラモンカオス・RM[ぐっ!!]

「おおおっ!!行け行けーーーーー!!」

応援する後輩。

ゲンナイ「互いに譲らずの激しいバトルじゃのう!!」

凄まじい戦いに年甲斐もなく興奮するゲンナイ。

「す、凄い…」

「正に頂上決戦か…」

後輩達も目を見開いて戦いを見守る。
インペリアルドラモン・パラディンモードとキメラモンカオス・ルインモードの拳が蹴りが激突する。
接近戦はキメラモンカオス・ルインモードに僅かに分があるようだ。

インペリアルドラモン・PM[やっぱりその4本の腕は厄介だな…]

捌いた瞬間、次の腕が襲ってくる。
これではジリ貧になる。

キメラモンカオス・RM[消し飛べ!!]

渾身のメガブラスター。
凄まじい勢いで向かってくるそれをオメガブレードで両断する。

インペリアルドラモン・PM[喰らえ!!]

得意技のインペリアルキック。
上空からの蹴りというシンプルな技だが、インペリアルドラモン・パラディンモードのそれはそこらの究極体にとっては必殺の一撃。

インペリアルドラモン・PM[(よし…段々、奴の動きが分かってきたぞ…)はあああああ!!]

隙を与えることなく、キメラモンカオス・ルインモードの前に移動したインペリアルドラモン・パラディンモードはキメラモンカオス・ルインモードの顔面を殴り飛ばす。

キメラモンカオス・RM[ぐはあああああ!!?]

まともに喰らったために勢いよく遠くへ吹っ飛ぶ。
即座に体勢を立て直してインペリアルドラモン・パラディンモードを睨み据えた。

ゲンナイ「な、何という戦いをしとるんじゃあいつらは!!?」

インペリアルドラモン・パラディンモードとキメラモンカオス・ルインモードの戦いを見守りながら驚愕するゲンナイ。

伊織「さっきまでの戦いがお遊戯同然だなんて、どちらも凄いです!!」

キメラモンカオス・RM[己ぇ…俺は負けん!!負けんぞ!!俺のパワーはこんなものではない!!戦いはまだまだこれからだ!!グオオオオオッ!!!!]

力を放出するキメラモンカオス・ルインモードに対してインペリアルドラモン・パラディンモードは鋭い視線でキメラモンカオス・ルインモードを見据える。

インペリアルドラモン・PM[いいや、終わりだ。何もかもな!!]

キメラモンカオス・RM[ほざけえ!!]

口から凄まじい業火を放つ。

インペリアルドラモン・PM[ぐっ!!]

業火に飲まれるインペリアルドラモン・パラディンモード。
業火により大地は焼き焦げ、煙を放つ。
その大地に両の足でしっかりと立つ古代聖騎士。

インペリアルドラモン・PM[…………]

キメラモンカオス・RM[ふう…ふう…ここまで戦いを楽しめるとは…この時を我が最良の時としよう…ここまで戦いを楽しめたのは初めてだ…]

インペリアルドラモン・PM[そうか……はあああああ!!]

キメラモンカオス・RM[グオオオオオオオオ!!]

再び激突する。
目に見えない超スピードの2体の超究極体同士の激しい激突はデジタルワールド全体を揺らす。

ズドン!!ドゴン!!バアン!!ズガガガガ!!ズドオオオン!!

及川「と、とんでもない戦いだ…!!動きが速すぎて、何がどうなっているのか……まさか、これほど凄いなんて…!!」

凄まじすぎる戦いに及川も汗を流しながら見守る。

インペリアルドラモン・PM[うおおおおおお!!!!]

凄まじい拳のラッシュがキメラモンカオス・ルインモードに叩き込まれる。

キメラモンカオス・RM[ぐうううう!!?]

インペリアルドラモン・PM[俺は…俺達は負けない!!]

キメラモンカオス・ルインモードにはインペリアルドラモン・パラディンモードに大輔、賢、ブイモン、ワームモンの姿が重なって見えた。

キメラモンカオス・RM[テラヒートバイパー!!]

インペリアルドラモン・PM[スーパーポジトロンレーザー!!]

キメラモンカオス・ルインモードの必殺技を即座に相殺し、インペリアルドラモン・パラディンモードは一気に突撃。
それにキメラモンカオス・ルインモードも迎え撃とうとするが…。

インペリアルドラモン・PM[切り裂け!!オメガブレード!!スプレンダーブレード!!]

キメラモンカオス・RM[ガッ!!?]

聖剣・オメガブレードと腕の爪から発現する光の剣の二刀流でキメラモンカオス・ルインモードの全ての腕を切り落とす。
そしてオメガブレードをキメラモンカオス・ルインモードの腹に深々と突き刺す。

キメラモンカオス・RM[う……あぁ…!!がふっ…!!ぐはっ!!お、己…この程度で…]

即座に腕を再生しようとするが、再生しない。

キメラモンカオス・RM[!!?ば、馬鹿な、どういうことだ!!?]

インペリアルドラモン・PM[自分の再生能力を過信し過ぎたな、キメラモンカオス。オメガブレードは攻撃した対象のデータを初期化する。お前の高い自己再生能力をもってしてもオメガブレードが突き刺さった状態じゃ、身体を保つのが限界って所だろう]

キメラモンカオス・RM[ぐうううう…!!]

自分の腹に深々と突き刺さっているオメガブレードを憎々しげに見遣るキメラモンカオス・ルインモード。
それを見たインペリアルドラモン・パラディンモードは好機を逃さないと言わんばかりに動いた。

ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオン!!ドゴオオオンッ!!

キメラモンカオス・RM[ぐああああああああああ!!!!?]

キメラモンカオス・ルインモードに繰り出した、目に見えないスピードでの凄まじいラッシュを一瞬のうちに浴びせる。

インペリアルドラモン・PM[これが、究極のジョグレス進化だ!!]

キメラモンカオス・RM[ぐ、うううう…まさか、この俺が…!!]

インペリアルドラモン・PM[終わりだ。キメラモンカオス。2年前の戦いから続いた俺達の因縁も何もかもな]

キメラモンカオス・RM[俺が終わる…?いや…終わらん…俺は…終わらない!!…フ…フハハハハハッ……ハーッハッハッハ!!]

上空に移動し、狂気に満ちた目でインペリアルドラモン・パラディンモードを見下ろす。
キメラモンカオス・ルインモードの口に凄まじいエネルギーが収束する。

インペリアルドラモン・PM[終わりにしようぜ、キメラモンカオス]

ポジトロンレーザー砲をドラゴンモードの名残である竜顔に接続し、凄まじいエネルギーをポジトロンレーザー砲に収束させて、キメラモンカオス・ルインモードに向ける。

キメラモンカオス・RM[終わるのは貴様だ!!くたばれええええ!!!!]

口から放たれたキメラモンカオス・ルインモードの全身全霊の一撃。
インペリアルドラモン・パラディンモードもポジトロンレーザー砲から必殺の一撃を放った。
インペリアルドラモン・PM[全エネルギー、フルチャージ……こいつで終わりだ!!ギガデスッッッ!!!!]

ポジトロンレーザー砲から放たれたファイターモード時の最大の必殺技。
しかしパラディンモードの状態で放たれたそれはファイターモード時とは比較にならない程の規模と破壊力。
超強烈なエネルギー波はキメラモンカオス・ルインモードの熱線を容易く飲み込んだ。

キメラモンカオス・RM[っ!!?]
全身全霊の一撃を破られたことに驚愕するキメラモンカオス・ルインモードは身体が固まったように動かない。

インペリアルドラモン・PM[終わりだーーーっ!!!!]

エネルギー波は見事なまでにキメラモンカオス・ルインモードの身体に命中した。

キメラモンカオス・RM[ぐおおぁぁああああ!!!!?]

絶叫するキメラモンカオス・ルインモードをとてつもない律動が襲った。
内から外から、キメラモンカオス・ルインモードの構成するデータが揺さぶられる。
異世界の吸血鬼により、戦うためだけにこの世に生まれた1体の破壊合成獣は、消滅した。
様々なデジモンを合成したデータの一欠片も残さずに…。
エネルギー波は拡散し、色鮮やかな光が明滅する。
それはまるで彗星が爆散したかのような美しい光景であり、幻想的な光景でもあった。

大輔『…俺達の勝利だ!!』

全員【やったああああああ!!!!】

大輔の声が響き渡るのと同時に全員が歓喜の声を上げたのだった。 
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