歌集「春雪花」
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
60
幾千の
溜め息洩らし
想いしも
君の返りし
こともなかりき
どれだけ溜め息を洩らし、どれだけ彼を想っていたとしても…彼はもう居ない…。
たとえ数日帰省したとしても…私になぞ会いたいとは思うまい…。
以前と同じようには…もうならないのだ。
そう…時は返らないのだから…。
いつの日か
届く想いも
ありしかと
いと侘しくも
筆を取るなり
想いはいつか…届くかも知れない…。それは私が望んだような結果になるわけではないだろうが…。
そう考えると…全く侘しくなってしまうが…それでも、一縷の希望に縋り付き…こうして筆を取っている…。
他人から見れば…ああ、なんと浅ましい者だと思われるかも知れない…。
だが…それが恋と言うものなのではないか…?
それが…愛と云うものではないか…?
ページ上へ戻る