インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
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突然の敵襲
「更識さんのISの色って私と同じ銀なんですね」
「………そう、だね……」
私は横に立つ小柄な女子生徒を見る。彼女は私のISをじっくりと見ている、彼女と組んで3日経つ。彼女は私の対戦相手をしてくれたりと優しい。本当に裏があるんだろうか?
「じゃあ、そろそろ上がりますか?」
「………うん」
♦︎
先輩は私と話す時、決まってこの四つのフレーズを使う。それも悲しそうな顔をして。
『簪ちゃんは私に勝ちたいの……』
『私が優秀過ぎるから……』
『そんな事気にしなくていいのにね』
『あの子に力になってあげて』
「はぁ〜」
私は白い天井を見つめながら、ため息をつく。あの姉妹を仲直りさせるのは至難の技みたいだ。
(なんか、大変な事に首を突っ込んじゃったかな)
トントン。キィーとドアが開き、シャルが入ってくる。
シャルはベットに寝転がっている私を見ると顔を赤らめる。そして、私を指さすとブンブンとその手を揺らす。動揺が溢れ出たようだ。
「もう‼︎優里‼︎シャツ一枚でベットに横になっちゃいけないって言ってるでしょ!!」
「言いましたけど、トランクスってパンツみたいなものじゃないんですか?」
「違うよっ!!全く違う!!だから、スボン履いて」
「そんなに焦らなくても私は構いませんよ?」
「僕が構うの!!」
「分かりましたよ〜」
「もう……」
(何をそんなに焦る必要があるんでしょう)
私はスボンを履きながら、そんな事を考える。
♦︎♢♦︎
真っ暗い部屋の中、一人の人影がパソコンの画面を見ていた。そこには一人の少女が映っていた。黒髪だが少し茶色っけが多い髪をお下げに結んで、魅力的な蒼い大きな瞳が此方を見つめている。その写真の斜め上に表示された名前には那珂優里と書かれていた。
「………那珂優里……」
人影はニヤっと笑うとパソコンを閉じた。
♦︎♢♦︎
「では、専用機持ちトーナメント戦を開催します〜」
更識先輩がそう言うと周りの生徒が歓声を上げる。その歓声の中、私は妙な視線を感じて周りを見渡すがもちろん誰もいない。安心して前を向くと突然、サイレンが鳴る。続けて、織斑先生の声がする。
『学園内に侵入者が入った。専用機持ちは生徒を安全な所まで誘導をお願いする』
「優里っ」
「ええ、行きましょう」
♦︎
私は銀狼を展開するとシャルと一緒に生徒の誘導を開始する。一夏たちも他の所で誘導しているらしく、ここにいる専用機持ちは私とシャルで更識先輩も居たんだが、他の所から援護を頼まれたやらなんやらで忙しく去って行った。
「くっ!気炎万丈!!」
全身が赤いオーラで包まれる。そして、敵を切って行く。その戦っている敵はゴーレムといって簡単にいって石人形だ。
「っ」
「優里、大丈夫?」
「これくらい、あれに比べればどうってことないです」
「もしかして……まだ根に持ってるの?」
シャルが苦笑するが私はそのシャルにウィンクを送る。それから数時間が経ち、あらかた敵も生徒も減った所で私はあることに気づいた。
(………更識さん……どこ行ったんだろう……)
周りを見渡すがそれらしき人物が見当たらない。確か開催式には居た気がする……ということは他の生徒一緒に逃げたのだろうか?いや、彼女も専用機持ちだ。他の生徒をおいて、自分だけ逃げたとは考えにくい。
(………なんか、嫌な予感がするな……)
「とう!やぁ!!これである程度は……あとはシャル任せていいですか?」
「うん?いいけど?どうしたの?」
「ちょっと気になった事があるので」
シャルにその場を任せて、走る。
♦︎
「……おいおい。この子、那珂優里じゃないぞ。貴様、また適当にそこらに居た子を連れて来ただろう」
「あっ。本当だわ〜、オレ目が悪いから気づかんかった〜」
「貴様という奴は……」
学園から遠く離れた場所にある廃墟に黒い髪の男と青い髪をした男が話し合っていた。その傍らには水色の髪をセミロングにしてメガネをかけた少女が横たわっている。黒い髪の男は少女に手を伸ばすーーちょうどその時。
「はぁ……はぁ……。疾風迅雷を使ってまでもまだ長いってどんだけですか……」
男が突然開いたドアに視線を送るとそこにははぁ…はぁ…と肩で息をしているお下げの少女が居た。少女は男達を睨むと傍らにいる少女を指さす。
「とりあえず、更識さんを返してもらっていいですか?」
黒い髪の男はその少女こそが自分達が求めていた少女だと悟った。すると自然と笑みがこぼれる、まさかターゲットがノコノコと自分から現れてくれるとは思いもよらなかったから。静かに笑い続ける男を怪訝そうに見つめる少女。
「会いたかったですよ。那珂優里さん」
「…………。そうですか、それより更識さんを返して下さい」
「……まぁ、いいでしょう。おい」
「へいへい」
黒髪の男に言われ、青髪の男はメガネの少女の縄を解くと少女に投げる。少女は一瞬驚くが見事に受け止めると近くの壁に少女をゆっくりと置いた。振り返ると男達から少女を守るように立つ。
「それで?私、何か用ですか?」
「君は意外と話がわかる子なのかもしれないね。簡単に言うとぼくらと一瞬に来て欲しいだよ。ぼくらはこの世界を変えようと思っていてね。君の力を借りたいと思っていてね」
「お断りします。私、やることがいっぱいあるので」
「……即答だね。もっと考えてくれてもいいんだよ?」
「考えるまでもありませんよ。私は今のあの学園に守らないといけない約束と人が居るんです。その人たちを置いて行くことは出来ません」
「………そうかい」
少女は言うだけ言うと壁に座っていた少女を抱き上げると出口へと去って行く。そんな少女の後ろ姿を見つめていた黒髪の男はニヤっと笑うと
「陽炎……来い……」
「ッ!?」
「おっと、早いね。ぼくの不意打ちを避けれたのは貴女が始めてだね」
「こっそり、行雲流水を発動してて正解でした。貴方こそ、突然襲ってくるなんて礼儀がなってないですね」
「貴女がぼくの話を真面目に聞かないからだよ」
♦︎
(この気配はなんだろう……)
得体もしれない気配に自然と戦闘モードへと切り替わって行く。腕に抱えている更識さんを見て、私は軽く唇を噛んだ。これはヤバイ状態かもしれない。さっきの不意打ちで本の少しだが背中にかすり傷をつけてしまった。
「彼女を抱えたままでは不利でしょう?地面へ下ろしたらどうですか?」
「………」
(確かに更識さんを下ろしたら、戦いやすい。だが、まだ下にはこの男の味方が居るはず。そいつにまた、攫われたら今度こそ取り返せないかもしれない。
「そのままで戦いますか?貴女も物好きだね」
「なんとでも言って下さい」
鬼切を構えると相手も構える。
♦︎
「っ………はぁ………はぁ………」
ポタポタと汗が地面へと落ちる。戦闘を始めて数時間が経過した。私は正直、限界なのだが相手は涼しい顔で私を見つめる。そして、ニヤっと笑うと
「もうお終い?あれを使えばいいのに」
「あ……れ………?」
「あれだよ。清風明月」
「…………」
確かに清風明月を使えば、勝てるかもしれない。でも、あれを使う体力もあるかわからない。
「じゃあ、トドメを指してあげますね」
「優里ーーー!!!」
剣が振りかざされると目を思わずつぶる。そんな私の頬を冷たい風が触った。続けて、カキン!!という音がする目を開けるとオレンジのISが私とあの男の間に入っていた。
「良かった……。もう!!優里は無茶しすぎなんだよ」
「すみません……」
「………シャルル・デュノア……、ここは一旦引きましょうか。それではまた」
男は剣を前に出して、シャルの体制を崩すと青髪男と去って行く。その後をぼぅ〜と見ていた私とシャルは少し休憩して学園へと帰った。
後書き
どうでしょうか?展開が早かったという方はすみません。まだ勉強中で、基本頭に描いたものをババッと書いているので読みにくいかもしれません。
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