歌集「春雪花」
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59
諦めの
つかぬ心の
首飾り
想いし朝に
小雨降りける
諦めのつかない恋心…諦めようもない…。
彼の名を形にしたネックレス…ずっと身に付けては、彼を想い続ける日々…。
どうして愛したのか…そんな問いはもはやどうでもいい…。今も…ずっと愛しているのだから、それだけが事実なのだ。
外は明るいが…小雨が降っているようだ…。
古ぼけた
障子の向こうに
朝降る
君の影など
見ゆることなく
些か褪せた障子に、朝の光が降り注ぐ。そこへ鳥などの影が写り込む…。
なんと言うこともない…朝がきただけ…。
だが、そこへ彼の影が写り込むことはないのだ…。
ずっと一緒にいたい彼の影は…あるばすもないのだ…。
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