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Dead!?お笑い部。

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その4話 【悲報】ただの中学生だった俺がサイボーグの代わりとして絶対に勝てる勝負を言い渡す羽目になった

 やーれやー歌えーーやー やーれやー踊れーーやー
「あーもうあのラジカセぶっ壊してぇ!」
「そんなことを言ってはいけませんよ、米田君」
 ぶつくさ言う米田(ヨネダ) 砂種(ジャシュ)君を、致知羅土(チチラツチ) 辣地(ラツチ)がやんわりとたしなめます。
 呑気な音頭の中、私達は土を耕していました。
 あの日、学校が消滅した日から、学校は明らかにおかしくなりました。
 撃栂(ウツガ) 胡蝶(コチョウ)校長先生も、身長が10cm以上縮み、髪が薄くなり、まるで男の人のようになりました。
 そして、学校もまるで宮殿のようになりました。校則も本当に宮殿でつくっているそうです。
 あーれはなーんのひ、たーいよーうはーー
「あぁもう!」
 米田君が苛立ちながら振り上げた鍬は、
「ありゃ」
 本人の手から離れ、
 ガシャアァアン!
「うわっ、ラジカセッ!」
 示し合わせたようにラジカセを粉砕しました。
「…………ふーーん」
 辣地は目を細めてニヤニヤ笑いました。
「ちょ、致知羅土!態とじゃねぇって!」
「ふぅん、へぇ、ほぉ、なーる、へぇ」
「マジだってぇの!」
 必死な米田君と楽しそうな辣地を横目に見ながら、私は鍬を振るいました。
 ザクッ、ザクッ、ザクッ、
 もーどるおーとこーの、めにひっかるー
 学校を宮殿にするには、多額の費用がかかりました。そしてそれは学校だけでは賄えませんでした。
 そこで学校は、1つの決断をしました。
「ちぇー、なーにが耕作音頭だよ」
 米田君が腕を頭の後ろに組み、ふてくされたような顔をしています。 
「あんなん聞いてやる気でねーよ。俺達ゃ花の14だぜ?」
「でも、ラジオを壊したのは事実じゃないか」
「けどよぉ」
 どうやら先生にこってりと絞られたようですね。事故とは言え、米田君は反省してませんし、仕方無いでしょう。
「2人共、作業に戻るよ」
 私が声をかけると、2人はおしゃべりをやめて耕作を再開しました。
 学校の決断、それはサイボーグ機械によるヒーローショーでした。その利益を学校の建設に充てようというのです。
 しかし、機械工学部はサイボーグ機械の所持を否定。学校と機械工学部の諍いが起きました。噂が噂を呼び、随分と物騒なやりとりをしているとのことですが、当然半信半疑です。
 そこで学校は急遽米田君と辣地に白羽の矢を立てました。
 そしてその2人にヒーローショーのスタントマンを依頼しました。そして、紆余曲折あって2人は了承しました。そこにどんな条件があったかは、2人共教えてくれません。
「えーいやっとぉ」
「ふっと」
「えーいやっと」
「ふっと」
「こーやってる、とっ、」
「ん?」
「俺のほぅがっ、頑張ってるみたぁっ、いじゃねぇか?」
「それは……ふっと、気のせいだっ、よ」
 ワインーに、はらりーと、白髪ー落ちるー
「……なぁ、致知羅土、っ」
「なんっ、だい?」
「勝負、しないか?」
「ルールっ、は?」
 そこで、規則正しい鍬の音が半分やみました。
「取り敢えず、俺の勝ち」
 その時、フッと地面に影がさしました。それも大きな。
 それだけならいつものことですが、地面が黒く塗られる時間が、異様に長いです。
「降るかな…………っ!?」
 空を見上げた辣地は、怪訝な表情をしました。
 それに釣られて私も空を見上げると、
 そこには大きなマンボウが浮かんでいました。
 ていきといーじー、強がる横文字ー
 私達がポカンと見つめていると、スルスルスルと、マンボウ型の何かからハシゴが降りてきました。
「誰か降りてくるのかな?」
 辣地がそう呟いたのを合図にしたかのように、人が降りてきました。
 その人は闇のように黒いタキシードとシルクハットを着ていて、辺りをゆっくりと見渡しています。
「……時差ボケしちまった。今昼だ」
 そう言うと、少し動きを止めて、
「……皆さん、あわてんぼうなサンタクロースからの、ささやかなクリスマスプレゼントです」
 ポケットから何かを取り出して地面に投げつけました。
 サッ!
 地面に突き刺さっているのは手紙でした。
 これが何なのか尋ねようと上を向くと、
 もうマンボウはいませんでした。
「この手紙、見たことあるぞ」
 米田君は手紙を軽く引き抜いてまじまじと観察を始めました。
「あ、これは、……あっ!」
 米田君ははっとした表情をした後、すぐに平静を取り繕いました。
「ききき気のせいだったタたたぜ。しし知らないなーあーなんだろーなーこの手紙ー」
「何か、隠し事かい?」
 撃栂校長が何かを感じてこちらに来ていました。
「ひぃエイエイエイエイえイエイエいエ」
 米田君はブレイクダンスでもできそうな位に手や体をブンブンと振った。
「ぼかぁ、嘘が嫌いなんだ。つかれる嘘も、される嘘も」
「いやいやいや、知りませんよぉ。俺」
「ふああ、じゃあ、君が正直者になるまではおじゃんだねあの話も」
「っえ!?ま、待って下さい!」
「んー?」
「くぅーっ、卑怯な……」
 米田君はプルプルと震えています。
 白色のーちゃんちゃんこー、子にぃ、帰るー
 私はその様子を見てフフッと微笑むと、鍬を大きく振り下ろしました。 
 

 
後書き
次回 さよなら、お笑い部誕生 
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