FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
希望の鍵
砂漠地帯にて・・・シリルside
「そっか・・・エクシードと間違われて、それど通報されて奴らが嗅ぎ付けたのか」
「そういうことみたいですね」
さっき妖精の尻尾が王国軍に見つかったのは、どうも俺たちが森の中で大暴れしたせいで村の人に通報されたかららしい。なんかすみませんね・・・
「エルザが敵なんてまだ信じられないよ」
「いやぁ、怖いのはあっちもこっちも一緒だけどなぁ」
「ああ!?」
「いやいやいやいや、エルザの話!」
ルーシィさんににらまれて怯えるナツさん。相当あの拷問技がきてるみたいだな・・・
「あたしたちからすれば、エルザと仲良くやってる話の方が信じられないよ」
「不思議ですね」
「だよね~」
妖精女王と妖精狩りだもんなぁ。
妖精を守るものと狩るもので完璧に真逆ですし。
「あいつを恐れない魔導士なんていない。顔を見たときは死ぬ時だ」
「ぜってー会いたくねー!!ただでさえ怖ぇのに・・・」
「ナツさんとグレイさんはエルザさんのこと苦手ですよね」
二人はよくケンカしてるからそれをエルザさんに怒られるから怖がってるらしい。エルザさん、結構優しいのに・・・
「ほら、着いたよ。見えるか?」
「おお!!」
ルーシィさんの視線の先を見る。そこには大きな街が広がっていた。
「街だぞ、ハッピー!」
「何日も歩くのは大変だったね」
「え?まだ1日しかたってないよ~?」
ハッピーにセシリーが突っ込む。正確には一日もたってないぞ?
「なんか丸いですね」
「そういえば丸いね」
ウェンディの言う通り、俺たちの見ている街はなんだか丸い形をしている。なんであんな形なんだ?
「さ、急ぎましょ」
「あの、来てくれて助かりました」
「もうちょっとでカエルに食べられるとこでした」
ウェンディと俺がルーシィさんに向かってそう言うと、ルーシィさんは顔を赤くして目線を反らす。
「つ・・・着いてきな。魔法の武器も持たずにこの先旅を続けんのは無理だからな」
「ありがとな、怖いルーシィ」
「怖いルーシィ」
「ケンカ売ってんのかコラァ!!」
このあとナツさんがルーシィさんに関節技を決められたのは言うまでもない・・・
ルーエンの街にて・・・
「ちょっと前までは、魔法は普通に売買されてたんだ。けど、王国のギルド狩りがあって、今は魔法の売買は禁止されてる。それどころか、所持してるだけで罪になるんだ」
俺たちはルーシィさんを先頭に街の中を歩いている。ルーシィさんの言う通り、街には魔法屋らしきものがたくさんあるけど、どれも閉まっている。
ていうか、俺たちはどこに向かってるんだ?
「所持してるだけで罪って・・・」
「元から使える人はどうなるんですか?」
「俺とかすでに犯罪者ってことですよね?」
今は俺しか魔法は使えないけど、エクスボールさえ手に入ればナツさんもウェンディも魔法を使えるようになるんだから・・・そうなると二人も犯罪者ってことになるのか?
「どうって・・・魔法を手放せばいいだけだろ?つーか、さっきのアースシリルの魔法って、一体どんな原理で出してるんだ?」
「「「「「「!?」」」」」」
ルーシィさんにそう言われて俺たちは顔を見合わせる。どういう原理と言われても・・・俺にもわからねぇ?
「どうやらこっちの世界じゃ、魔法はものみたいな感じらしいわね」
「物?」
「どういうこと~?」
シャルルの言葉にハッピーとセシリーが質問する。
「魔力が有限ということは、私たちのように、体の中に魔力を持つ人がいないってことよ」
なるほど。確かに体内に魔力をもってたらいくらでも回復できるから有限な訳ないな。
「魔力を持つのは魔水晶などの物質。それを武器や生活用品に組み合わせることで、魔法の道具を作る。その総称を【魔法】とくくってるようね」
「なるほど~」
シャルルの説明にセシリーが納得する。分かりやすい説明をありがとうございます。
「こっちの魔導士って魔法の道具使うだけなのか?」
「さぁ?」
「そういうことになりますよね?」
魔力を体内に持ってないんだから・・・
「着いたよ」
ルーシィさんがそう言うと、そこには地下へと続く階段がある。
「この地下に魔法の闇市がある。旅をするなら必要だからな」
「闇市・・・」
「おおっ!!」
闇市と聞いてウェンディは少し怯えた声を出す。だけど今はそんなことは気にしてられない。それになんか闇市って響きがかっこいいぞ!!
「しょうがねぇ。こっちのルールに乗っ取って魔法使うか」
「あい!」
「順応・・・早いわね・・・」
「さすがナツくん!!」
ナツさんは全然気にした様子はないようだ。さすがに逆境に強い人だな。
俺たちはバレないように地下へと降りていった。
闇市にて・・・
「おおっ!なんか怪しいものが一杯並んでる!」
「ていうかこの店、なんかカビ臭いわね」
「確かに少し空気が悪いかも~」
ハッピーたちは闇市にあるものを見てそんな話をしている。確かにカビ臭い気がするけど・・・気にしたら負けでしょ。
「おっほほほほほ。そらなんてったって歴史深い骨董品が多いですからな~。
カビとか傷とか臭いとかは、いわゆる味というものですよ。お客さん」
店の店主はそういうけど・・・傷はともかくカビと臭いはダメだろ?管理ができてないだけじゃないのか?
「味なんてどうでもいいんだよ。大事なのは使えるかどうか。結構パチもんも多いから、買うときはよく点検しな」
「いよぉ、親父。炎系の魔法は?」
ナツさんは棚の中を見ながら店主に質問する。確かにナツさんと言ったら炎だもんな。ナツさんが水とか使ったらカッコ悪いし。
「おっほほ!それなら最高のものがありますよ!」
店主はそういって足元から何かを取り出す。それは剣の鞘の部分のように見える。
「こちらなんかいかがでしょう?エドラス魔法、【封炎剣】!!ここをこうやって・・・」
店主が何かのボタンを押すと炎の刃が現れる。
「ほらぁ!!すごいでしょ!?」
ドラスの魔法ってあんな感じなのか・・・なんかショボいような気が・・・
「ショボい炎だけどないよりはましか」
「お客様お目が高い!!」
ナツさんは少しがっかりしたようにいうけど店主はお構いなしにそういってくる。バカにされてるってわからないのかな?
「私、これがいいです!」
「どこがいいの?」
「ちっちゃくてかわいいじゃない?」
ウェンディは何やら小さい水色の筒を持ってそう言う。確かにかわいいけど・・・あれは何の魔法なんだ?
「あのねぇ・・・そういう基準で選んじゃダメでしょ!」
「戦えるか戦えないかが問題なんだよ~」
シャルルとセシリーがウェンディにそう言う。まぁ別にいいんじゃないか?かわいいし。
すると店主はウェンディに近づく。
「これは空裂砲と言いましてなぁ。外見はただのかわいい小箱ですがここをこうして少し開ければ・・・」
店主がそうやって少し筒を開けると、辺りに風が吹いてくる。
「わぁ!!風の魔法だ!なんかロマンチック!」
「お客様お目が高い!!」
うっとりしてるウェンディとウェンディにそう言う店主。店主は何買ってもお目が高いしか言わないんじゃないかな?
「シリルは何か買う?」
ウェンディが俺に空裂砲を持って聞いてくる。別に俺は魔法使えるから必要ないよな。
「いや、俺はいいや」
「そう?まだかわいいのいっぱいあるのに・・・」
ウェンディはそういって魔法を眺めている。俺はかわいいのなんか買わんぞ?
「よーし、この二つをくれ。」
「は~い。ありがとうございます。二つでしめて2万になりますが、おおまけにまけて1万8000あたりでどうでしょ?」
「あぁ・・・高ぇな・・・」
「何分品数も少なくて貴重なので・・・」
ナツさんは魔法が予想よりも高かったらしく嫌そうな顔をする。でも魔法は少ないみたいですし仕方ないですよ。
「つーか大事なこと忘れてたけど、お前ら金は?」
「がっははは!そんなん持ってるわけねぇだろ」
「笑い事か!?」
大笑いするナツさんに突っ込むルーシィさん。俺も金あるかな?
「私もポケットにビスケットしか・・・」
「俺もクッキーしか入ってないです・・・」
「なんであんたらはお菓子をポケットに入れてるのよ・・・」
俺たちにシャルルが突っ込みを入れる。そういえばなんでお菓子が入ってるんだ?
「しゃねぇ・・・ルーシィ、払っといてくれ」
「え!?」
ナツさん・・・そんなこと言ったらまた関節技決められるんじゃ・・・
俺がそんな心配をしているとルーシィさんはなぜか顔を赤くする。
「どうかしたのか?」
「まぁいい!ここはあたしが奢ってやるよ」
ルーシィさんは腕を組んでそう言う。めっちゃ太っ腹ですね!
すると店主が慌て出す。
「いえいえいえ!ルーシィ様からお金をいただくわけにはいきません!」
ルーシィさんからはお金もらえないって・・・どういうこと?
「以前ガサ入れの時助けてもらいましたからなぁ」
「まぁあれしきのこと、どうってことないさ」
「とにかく、これは私めからのプレゼントということで」
店主はそういってにこやかに笑う。こっちのルーシィさんはずいぶん顔が広いんだなぁ。本当助かります。
「じゃ、遠慮なくいただくよ」
「ありがとよ、おっちゃん」
俺とウェンディも店主にお辞儀をして店を出た。
「あっちのルーシィと違って怖いルーシィは頼りになるね」
「だから怖いをつけるなって!!」
俺たちは店を出たすぐ前で少し立ち話している。ハッピーは相変わらずルーシィさんに怖いをつけているな。ま、確かに怖いけど。
「しかも、ここらじゃ結構【顔】って感じだからな」
「本当助かりました!」
「ありがとうございます」
俺たちがルーシィさんにそう言うとルーシィさんは少し顔をぽりぽりとかく。
「ところでさぁ・・・」
「「「「「「?」」」」」」
「あっちのルーシィって奴の話に興味があるんだけど・・・」
喫茶店にて・・・
「あははははは!!あーはっはっはっはっ!!あたしが小説書いてんの?ひ~(笑)。そんでお嬢様で鍵の魔法使って、あーはっはっはっはっ!!」
「やかましいとこはそっくりだな」
「やかましい言うな!!」
俺たちは喫茶店の屋外テラスでアースランドのルーシィさんの話をエドラスのルーシィさんにしたら、それを聞いたルーシィさんは大笑いしている。
ナツさんの言う通りとてもやかましいですよ?
「さっきもらったこれ、どう使うんだっけ?」
「バカ!人前で魔法を見せるな!」
「あうっ!」
ウェンディがさっき闇市で買った魔法をいじってるとルーシィさんに怒られる。ウェンディはルーシィさんに怒られて慌てて隠す。
「今現在、魔法は世界中で禁止されてるって言っただろ」
「ごめんなさい・・・」
ルーシィさんは辺りをキョロキョロと見回しながらそう言う。ウェンディはしょんぼりしてるけど、誰にも気づかれてないみたいだし、あんまり気にしなくていいぞ。
「でも、元々魔法は生活の一部だったんでしょ?」
「そうだよ。王国の奴ら、あたしたちから文化を一つ奪ったんだ・・・」
「何のために?」
「自分たちだけで独占するためだよ」
「酷い奴らだね~」
その独占欲のせいで俺たちにまで被害が来るんだからたまったもんじゃないよな。
「んじゃあ、王国の奴らやっつければ、また世界に魔法が戻って来るかもなぁ」
「な、何バカなこと言ってんだよ!!王国軍となんか戦えるわけねぇだろ!!」
ルーシィさんはナツさんの言葉に立ち上がってそう言う。
「だったら・・・なんで着いてきたんだ?」
「それは・・・王都までの道を教えてやろうと・・・戦うつもりなんかなかったんだ・・・」
ルーシィさんは少し暗そうに話す。
「そっか。ありがとな」
「!?」
ルーシィさんはナツさんにそう言われると少し顔が赤くなる。なんかナツさんに何か言われる度に顔が赤くなるのはなぜだ?
すると突然俺たちの後ろから声がする。
「いたぞ!!街の出入り口を封鎖しろ!!」
「王国軍!!」
「ええ!?」
「噂をさればなんとやら・・・って奴か・・・」
その声の主は王国軍の連中だった。もう見つかったのか。
「妖精の尻尾の魔導士だな?そこを動くな!!」
「もうバレたの!?」
「早すぎるよ~!!」
「うぇぇ!!」
王国軍は俺たちに向かって一斉に走ってくる。しょうがない、相手するか!!
「ここは俺「よ~し!さっそくさっき手に入れた魔法で」」
「よせ!!」
うわお・・・久しぶりに台詞を阻まれたよ・・・なんか久しぶり~・・・
「いくぞ!!ファイヤー!!」
俺の台詞を阻んだナツさんは封炎剣で炎を出して王国軍を凪ぎ払おうとする。さっき店で見たときより威力上がってるぞ?どうなってんだ?
「シャルル!!これどうやって使うんだっけ!?」
「知らないわよ!!」
「何かを開けるんだよ何かを~!!」
「何かって何!?」
一方ウェンディは魔法の使い方がわからずに空裂砲を振り回している。あぁ・・・こりゃあダメだ・・・
「ははははは・・・あっ!?」
高笑いしていたナツさんが王国軍が無傷なのを見て驚く。あれは・・・盾か?
「にゃろぉもう一回!!」
ナツさんはもう一度封炎剣を使おうとするが・・・炎が出てないぞ!?
「魔力は有限だって言っただろ!!全部の魔法に、使用回数が決まってるんだ!!」
「一回かよこれーー!!!?」
「使えねぇー!!」
「出力を考えれば100回くらい使えたんだよ!!」
出力を考えるとか・・・めんどくせぇ・・・俺は普通に魔法使えるからいいんだけどね。
王国軍はそんな俺たちに一気に迫ってくる。やっぱり、俺が行くしかないだろ!!
「いくぜ!!水竜の【スポッ】え?」
「あ!」
スポッという音のあとに突然俺たちを竜巻が飲み込む。まさかウェンディの空裂砲か!?どうなってんだよこれ!?
「何したウェンディ!?」
「ごめんなさーい!!」
「ほれ見ろウェンディの方がドジっ子だったー!!」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ~!!」
「「うわあああああ!!」」
俺たちは竜巻に巻き込まれたまま、どこかの家に入っていった。
どこかの家にて・・・
俺たちが今いる家の前を王国軍が通りすぎる。やれやれ助かった・・・
「なんとかまけたけど・・・このままじゃ街を出られないよ」
「不便だなぁ、こっちの魔法」
「ですね」
ナツさんとウェンディはエドラスの魔法の扱いづらさにしょんぼりしてきた。ウェンディは使い方をちゃんと聞いておいて。
「う~ん~・・・」
「どうしよう」
「別の出入口ない?」
「難しいな・・・」
「正面突破でもします?」
「それはやめろ!!」
「す・・・すみません・・・」
俺の提案はルーシィさんに即却下される。でも出入口は一つしかないし・・・どうしよう・・・
と俺たちが頭を悩ませていると、
「いたぞ!!妖精の尻尾だ!!」
「「「「「「「ギクッ!!」」」」」」」
外からそんな声が聞こえて俺たちは出入口を見る。しかし王国軍が踏み込んでくる気配がない。すると外から聞き覚えのある声がする。
「離してよ~!」
「あれ?」
「この声・・・」
俺たちは恐る恐る扉を開ける。
「こっちに来い!」
「お前はルーシィだな?」
「確かにルーシィだけど・・・何なの一体!?」
そこには王国軍に腕を取られているルーシィさんがいた。たぶんアースランドの。
「ルーシィ!?」
「あたし!?」
ナツさんとエドルーシィさんはそれに目を丸くしている。なんでルーシィさんがあるんだ?
「痛いってば!!」
「なんでルーシィがここに?」
「ど、どういうこと?」
「わかんないよ~!!」
セシリーたちもルーシィさんを見て目を丸くしている。だけど・・・そんなこと言ってる場合じゃない!!
「助けねぇと!!」
「そうですね!!」
ナツさんと俺はそういって隠れている家から飛び出す。ナツさんは魔法使えないし、俺が助けないと!
「開け!!天蠍宮の扉!」
「ルーシィさん!こっちの世界じゃ魔法は使えないんです!!」
ルーシィさんは金の鍵を取り出して魔法を使おうとする。あの鍵はスコーピオンさんか?あいつ俺なんかにやられる弱い星霊じゃん!!そんなの呼ぶなよ!!
「間にあうか?水竜の・・・」
俺が咆哮を出そうとした時、
「スコーピオン!!」
「ウィーアー!!」
「「「「「「!?」」」」」」
スコーピオンさんが現れて俺は魔法を放つのをやめる・・・え?なんで?
「サンドバスター!!」
「「「「「「「「「「うわあああああ!!」」」」」」」」」」
スコーピオンさんの攻撃によって王国軍は吹き飛ばされる。
「魔法・・・」
「なんで?」
「これは・・・」
ウェンディたちはルーシィさんが魔法を使ったことに驚いている。
魔法を使えるってことは、ルーシィさんもエクスボールを飲んだってことだ!!もしかしたら予備のエクスボールもってるかも!!
「俺っち、これからアクエリアスとデートなんで。んじゃ」
スコーピオンさんはそういって星霊界に帰っていく。デートだから帰るって、自由だな・・・
「ルーシィ」
「ん?」
ナツさんが呼ぶとルーシィさんがこちらを向く。よかった、本物だ。
「みんな・・・会いたかった~!!」
「何がどうなってるんだ・・・」
「俺にもさっぱり・・・」
「あい・・・」
ルーシィさんは俺たちに駆け寄ってくる。しかしその視線がエドルーシィさんを見ると驚きの表情に変わる。
「あたし!?」
「ま・・・まさかこいつがアースランドの・・・」
「見ての通り・・・」
ルーシィさんとエドルーシィさんは互いを見つめて固まってしまう。そりゃあ自分に似てる人がいたら驚くよね。
「いたぞ!あそこだ!!」
するとさっきルーシィさんに吹き飛ばされた王国軍がゾロゾロと集まってきた。復活はやっ!!
「王国軍が集まってきた~!!」
「話は後回しにしましょ!!」
「このままじゃ捕まっちゃうよ!!」
セシリーたちが慌てた様子で言う。では、とっとと倒して逃げますか。
「ルーシィさん!!やりますよ!!」
「あたし!?ナツがいるから二人でやっつけてよ!!」
「どうやって?」
「あんたの魔法で。決まってんでしょ?」
そういえばルーシィさんはナツさんが魔法使えないの知らないんだった。
「俺たち魔法が使えねぇんだよ!」
「・・・は!?」
驚くルーシィさん。そりゃあそうですよね・・・だってルーシィさんは魔法使えるんだから。
「ルーシィ!!シリル!!お願い!!」
「あいつらをやっつけて!!」
「ルーシィさんとシリルしか魔法使えないんです!!」
「ルーシィさんお願い~!!」
ウェンディたちがルーシィさんにお願いする。早くやんないと敵が迫って来ちゃうよ?
「もしかして・・・今のあたしって最強?」
「いいから早くやれー!!」
「ほらルーシィさん!!敵がすぐそこまで来てますよ!!」
王国軍は俺たちが話してる間にもこちらに迫ってくる。ルーシィさんゆっくりしすぎ!!
「開け、白羊宮の扉、アリエス!!」
「あ・・・あの・・・頑張ります。すみません!」
「モコモコ!!」
「懐かしい~!!」
「お久しぶりです。アリエスさん」
「こちらこそお久しぶりです・・・すみません!」
ルーシィさんはアリエスさんを召喚する。エンジェル戦以来かな?
「な・・・なんだこれは!?」
「人が現れた!?」
「いや魔物か!?」
「こんな魔法見たことないぞ!!」
エドルーシィさんと王国軍はアリエスさんが現れたことに驚く。エドラスじゃあこんな魔法ないだろうから当然だよね。
「アリエス。あいつら倒せる?」
「は、はい!やってみます!!」
アリエスさんはそういって腕をバタバタとさせる。なんかかわいいなぁ・・・
「ウールボム!!」
「あ~ん!!」
「やさしい・・・」
「癒される~」
アリエスさんの魔法によって王国軍は癒されていた・・・これ攻撃系の魔法じゃないよな?
「あれ?効いてるんでしょうか?すみません!」
「十分ですよ!!あとは任せてください!!」
俺はアリエスさんのウールボムで癒されている王国軍に近づく。
「気持ちいいとこ悪いけど・・・水竜の翼撃!!」
「「「「「うわあああああ」」」」」
俺の攻撃で癒されていた王国軍は吹っ飛んでいく。やっと魔法できた!!さっきまで全然魔法やらせてもらえなかったから気持ちいい!!
「みんな!今のうちよ!!」
「早く逃げましょ!!」
「こんな感じで、よかったんでしょうか?すみません」
ルーシィさんと俺は王国軍が飛んでったのを見てみんなに逃げるように言う。アリエスさんはどこまでも謙虚と言うか可愛らしいというか・・・
「モコモコ最高ー!!」
「ナイスルーシィ!!」
「シリルかっこいい!!」
「さすがシリル~!!」
ハッピーとナツさんはルーシィさんを、ウェンディとセシリーは俺を誉めてくれる。やべぇ、超気持ちいい!!
「あ~!あたしも気持ちいいかも!!」
「エドラスに来て初めて活躍した気がする~!!」
ルーシィさんと俺も上機嫌でその場をあとにする。
ルーエン近くの森にて・・・
「ここまで逃げてくれば大丈夫よね?」
「だと思うよ~?」
俺たちはルーエンの街から一度出て、近くの森に身を隠している。さすがに王国軍もあの魔法を食らったあとだとすぐには追い付いてこれないようだな。
「しっかしお前、どうやってエドラスに来たんだ?」
「私たち、ルーシィさんも魔水晶にされちゃってると思って、心配してたんです」
「助かったのは俺たち滅竜魔導士だけだと思ってましたから」
俺たちはルーシィさんにそう言う。なんでルーシィさんは無事なんだ?
「ホロロギウムとミストガンが助けてくれたのよ」
「ホロロギウム!?」
「ミストガン!?」
ルーシィさんはホロロギウムが時空の歪みを感知したとかで助けられ、その後ミストガンに事情を説明され、エクスボールも飲まされて、こちらの世界に飛ばされたらしい。
ミストガンも意外と説明するのがめんどくさかったのかもね。俺にも説明してくれたし。
「で、誰か知り合いがいないかって、ずっと探してたのよ」
「ミストガンさん。どうしてエドラスの世界のことを知ってたんでしょう?」
「ミストガンはこっちの世界のジェラールらしいよ。だから顔が一緒らしい」
俺はウェンディにミストガンから聞いたことを簡単に説明する。てかミストガンもこっちに早く来いよ、と思ったのは俺だけじゃないはず・・・
「まぁ、そんなことはどうでもいいや。ルーシィさん!ミストガンからエクスボールもらったと思うんですけど・・・それウェンディたちにあげてくれませんか?俺もらうの忘れてたもので」
「え?あたしももらってないわよ?」
「「「「「「・・・は!?」」」」」」
ルーシィさんにそう言われて俺たちは思わず声をあげる。まさかミストガン・・・誰にもエクスボールを渡してないんじゃないだろうな・・・
「てめぇら、本気で王国とやりあうつもりなのか?」
「当然!!」
「仲間のためだからね!!」
エドルーシィさんの質問にナツさんとハッピーが答える。そりゃあもちろん!やるしかないでしょ?
「・・・」
「本当にこれ・・・あたし?」
「顔はそっくりだよ~?」
黙ってしまうエドルーシィさんを見てそう言うルーシィさん。セシリーの言う通り、顔は同じだけど中身は大分違うからなぁ。
「魔法もまともに使えねぇのに・・・王国と・・・」
「ちょっと!!あたしたちは使えるっての!!」
ルーシィさんはそういって立ち上がる。
「ここは、妖精の尻尾現最強魔導士のあたしに任せなさい!!」
「いや、最強ならシリルのほうじゃねぇか?」
「いじけるわよ・・・」
うわっ・・・ナツさんの心無い一言でルーシィさん泣き出しちゃった。フォローしないと。
「じゃ、じゃあ俺とルーシィさんの現最強コンビでいきましょう!!」
「それいいわね!!」
俺の提案でルーシィさんも機嫌を治してくれた。俺とルーシィさんのコンビなんて中々ないけど・・・今はこれしかないでしょ!!
「情けねぇが・・・」
「頼るしかないわね」
「あい!!」
「いけいけ二人とも~!!」
「がんばれシリル!!ルーシィさん!!」
ウェンディの笑顔の声援で俄然やる気が出てきた!!
「燃えてきたぞ!!」
絶対に仲間を助け出す!!俺はそう心に誓った
後書き
いかがだったでしょうか。
次回はエドラスのナツが登場します。
次回もよろしくお願いします。
ページ上へ戻る