ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第十幕その五
「乗ることはね」
「しないんだね」
「乗り場のところでね」
「二人を待ってだね」
「見守るよ」
そうするというのです。
「ここはね」
「そんなに無理して乗ることはね」
「ないしね」
チープサイドの家族がその先生に言います。
「僕達が見ておくから」
「先生はね」
「ここで見ていてくれたら」
「それでいいわよ」
「そうなんだ、じゃあ」
先生はチープサイドの家族の言葉を聞いてほっとして言うのでした。
「僕はここにいるよ」
「うん、じゃあね」
「先生はここにいてね」
「僕達が二人見ておくから」
「安心してね」
こうしてでした、お二人がジェットコースターに乗っている間は鳥の皆が見守ってでした、お二人がジェットコースターから降りてから先生に言いました。
「特にね」
「おかしなことはなかったわ」
「お静さんはずっとお嬢さんの肩にいてね」
「時々囁いてて」
「どうすべきかね」
「言っていたわよ」
「そうなんだ、お静さんもしっかりしてるんだ」
先生はそのことも聞けて笑顔になりました。
「それは何よりだよ」
「うん、じゃあね」
「これからもね」
「このまま見ていこう」
「お二人をね」
「うん、ただね」
ここでチーチーが先生に囁きました。
「何かガラの悪い人達がいるよ」
「何処にかな」
「うん、あそこだよ」
こう言ってです、先生達から見て右手を指し示しました。するとそこにいたのは如何にもという感じの人達です。
その人達を見てです、先生も言いました。
「うん、あの人達はね」
「あまり、だよね」
「いい人達じゃないね」
「所謂チンピラ?」
「そういった連中だよね」
オシツオサレツも言います、その人達を見て。
「もう目つきが違うね」
「悪い目つきしてるよ」
「ああした人は本当にだね」
「何処にもいるね」
「気をつけよう」
先生も皆に言うのでした。
「ああした人達はね」
「うん、何をするかわからないから」
「だからね」
オシツオサレツも先生に応えます。
「ここはね」
「しっかりとね」
「あの連中がお二人のところに行かない様に」
「目をつけられたらね」
「その時はね」
「僕達で何とかしよう」
「そうだね、どんな悪いことをしても平気な連中もいるんだよ」
世の中には、です。
「ならず者の中でも特にね」
「性質の悪い連中がね」
「いるからね」
「そう、だから注意しよう」
先生も警戒する目になっています、そのガラの悪い人達を見つつ。
「何も無い様にね」
「若し何かしようものなら」
ジップも言います。
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