精霊使いの剣舞~憑依聖剣を振るうもの~
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六話、フラグ建てます
前書き
其ではどうぞ!!
グレイワースとエルステイン公爵が話を終らせた後、もう夜だと言うことで泊まることになったユウト、グレイワースはエルステイン家の皆と夕食を食べていたがユウトは現在生きた心地がしていない……
何故なら……
「…………。」
エルステイン公爵が殺意丸出しの眼でユウトを睨んでいたからだ
理由は……
「其でね、ユウトさんのお話とっても面白いのよ!!」
クレアが物凄く眼をキラキラしてユウトの話をしているからである
普通はこういう風にはしゃいで喋るのは貴族間ではいけないことなのだが別にグレイワース、ユウトの二人はあまり気にしていないし、ここはエルステイン公爵家……
家にいるときぐらい別にいいだろうとなったのだ
なったのだが……
「(クレア、頼むから止めて!! 明日俺死ぬかも!!)」
ユウトは物凄い汗を内心かきながら心のなかで叫ぶ
「あら、そうなの? 私も聞いてみたいわ」
優しい笑みをしながらそう答えるのはクレアの姉である"ルビア・エルステイン"
姫巫女の才能があり、四年前に〈神儀院〉に上がり、現在では〈火の精霊姫〉の候補になっている
因みにクレアを子猫とするならルビアはどちらかと言うと母猫だろうか
クレアをとても大切にしているのがユウトから見ても解る
「駄目よルビア、貴女は病み上がりなんだから」
そう言ってルビアを諌めるエルステイン公爵夫人
とても優しそうな美女でクレア、ルビアの赤毛はこの人からだな、とユウトは思っていたりする
「道理で――お身体の調子が優れないようですが?」
グレイワースが改めてルビアの様子を見ると、呼気がやや荒くなってきている。薄らと額に汗も滲んできているようで、身体が弱いのは間違いないようだ
「これぐらいなら大丈夫です。慣れておりますから」
「……」
ユウトはそれを聞いて、前世の"あの子"を思い出した
いつもそんな事を言っていた ……まるで"もう生きることを諦めている"ような口調で
ルビアの話を聞くと、我が身に跳ね返ってくる所が多くて
苛立たしいというか、もどかしい。氣術を使える前の無力な自分自身とか、前世の"あの子"の事だとか。嫌でも思い出してしまう
「(大きな儀式の後は倒れると聞いたな)……ユウト、私にやった時みたく出来るか」
グレイワースがユウトに聞く
「……わかった」
『ユウト(さん)(殿)(様)?』
訝しむような、エルステイン公爵家の声
ーーーー……別にいい。自分自身はやりたいと思いやるのだ、 これぐらいは良いだろう
それにルビアにも話を聞かせたい
ユウトはそう思いながら席をたち、ルビアの前に立ち……
「失礼」
ユウトは仏頂面を浮かべていただろう。そのままルビアの両手を取った
「え? あ、あの?//////」
「そのままで。楽にしていてください」
ルビアは顔を赤くしていたがユウトはそれを無視してあることを行う
氣術 "循環医気"
ここでユウトが前世で編み出した"氣術"の説明をしよう
氣術とは体内の生命エネルギー"内気"と体外の生命エネルギー"外気"を合一化させて身体を巡らせる事で自身の周りの物質の操作や破壊、身体能力の強化、解毒や回復、幻術、エネルギー放出による攻撃を可能とするものである
その中の"身体能力の強化"、"解毒や回復"を他人の身体に応用するのが"循環医気"という技である
効果は触れている間相手の生命力を回復し続け、状態異常の回復を早めるというもの……
理屈としてはお互いの生命エネルギー"内気"を介し、循環の性質を利用して気の流れを整えると考えれば良い
接触し続ける必要があるから戦闘中には使えないが長時間行えば末期ガンですら治せるという便利技である
ユウトは手を繋いだまま発動
ルビアの身体に流れる"内気"を、川の流れを引き込むようにこちらに循環させ、同時にこちらからの"内気"を通して気脈の異常を正常に近い形になるよう整えていく
……あれ?
ユウトはルビアの"内気"に違和感を感じ、少し調べようと思ったが流石に失礼だなと思い無視する
程々の所で切り上げて手を離すと、そこには目を丸くしているルビアの顔があった。 先程まで土気色に近かった彼女の頬に赤みが差している。唇も血色が良くなっているようだ
「いかがでしょう?」
「……嘘みたいに身体が軽くなりました。今のは精霊魔術ですか?」
「いえ、精霊魔術ではなく、"氣術"というものです」
『"氣術"?』
「私が独学で身に付けたもので、精霊魔術とは違うものです」
『へ~(まぁ)(ふむ)……』
ユウトの言葉に興味を持つエルステイン公爵家の皆…
「まぁ、こんなことしているのもなんですので夕食を続けましょう」
グレイワースの言葉に皆が気付き、夕食が再開された
●○●○
夕食を楽しんだあと、食堂(で良いのかな?)を出るグレイワースとユウト
「ユウト」
少し歩いてからグレイワースが話し掛ける
「昔なにかあったのか?」
「んー。まあね」
「……そうか……」
それ以上は会話がなかった
その後、お互い風呂に入り、一息付いていると……
「ユウトさん!」
クレアがルビアとエルステイン公爵夫人を連れ立って部屋に入って来た
「こらこら、そんなに慌てなくてもちゃんと聞かせるから落ち着きなさい」
「はーい♪」
小走りに駆け寄ってくるクレアに、ユウトは思わず苦笑しながらそう注意し、クレアは素直に大人しくなる
「ユウトさん、私もお話を聞きたいのですが良いですか?」
「私も興味があるので良いですか?」
ルビアとエルステイン公爵夫人がそう聞く
「良いですよ、では……私(作者も)がとても気に入っているもの……」
ユウトがそう前置きするとクレア、ルビア、エルステイン公爵夫人が聞く姿勢を見せる
「天空の城ラピュタ……をお聞かせしましょう」
後書き
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