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美しき異形達

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第五十話 明かされる真実その四

「だからどうしてもなら」
「お寺の奥さんか」
「それもあるわ」
「そうか、じゃあな」
「お寺入るの?」
「いや、今のところはさ」
 微妙な顔になってだ、薊は答えた。
「そうした考えもな」
「ないのね」
「お寺なあ」
「結構それはそれで面白いらしいわよ」
 お寺の奥さんとして生きることもというのだ。
「天理教の教会の奥さんもね」
「天理教もか」
「横須賀にも教会あるし」
「ああ、何度か行ってるよ」
「でしょ?八条町にも大きな教会あるから」
「八条グループの総帥さんが信者だって?あそこの」
「そうなの、八条家の宗教は天理教なの」
 八条学園の経営者でもあるこの一族の信仰している宗教はこの宗教だというのだ。奈良県の天理市に本部がある。
「だからね」
「あの教会にか」
「時々通っておられるの」
「家は瓦なんだな」
「天理教の教会はね」
「それが基本か」
「勿論そうでない教会もあるけれど」
 全体的な趣としてはそうなっているのだ。
「ああして瓦になってるの」
「天理教の教会は、か」
「それで畳なのよ」
「日本だな、半被も着るし」
 天理教名物と言ってもいい、黒い半被である。
「あれも面白いな」
「そうでしょ、それであそこの教会の娘さんがね」
「あそこ娘さんいるのか」
「娘さんが三人なの」
「ふうん、じゃあお婿さん取るんだな」
 薊は裕香の話をここまで聞いてこう述べた。
「あの教会は」
「多分ね。一番上の娘さんが」
「お婿さん迎えてか」
「今は天理の方で大学に通っておられるわ」
 奈良県のその街にいて、というのだ。
「天理大学ね、高校もあちらの方の高校だったの」
「天理高校かい?」
「そう、あそこの寮に入っておられたの」
「あたし達みたいだな」
 寮と聞いてだ、薊はこうしたことも言った。
「それだと」
「そうね、私達も寮だし」
「あっちの寮も男と女それぞれだよな」
「それに野球部、ラグビー部、柔道部もなの」
 この三つのスポーツは天理高校でかなり有名だ、どれも全国区であり奈良県はおろか日本全国にその名を知られている。
「それぞれ寮があるの」
「へえ、部活によってもか」
「天理高校は寮があるのよ」
「凄いな」
「それで女子寮におられたのよ、長女さんは」
「あそこの寮どんなのだろうな」
「凄く奇麗な先輩と一緒のお部屋だったらしいわよ」
 裕香はにこりと笑ってその人の寮生活について話した。
「何でもね」
「そんなに奇麗な人だったのか」
「天理高校っていうか天理教って美人さんが多くて」
 何故か知られていないがそうである、この高校だけでなく天理教に関係している人はよい表情の人が多いのだ。
「その先輩の人もね」
「美人さんだったんだな」
「どんな人か。私は写真も見てないけれど」
 それでもだというのだ。 
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