FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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亡霊の正体
前書き
ブルーミストラルではウェンディにヨシノが変身してましたが、ここではシリルにヨシノが変身しています。
最初からヨシノが変身していることがわかるように書かせてもらいます。
原作を読んでない方いらっしゃいましたら申し訳ありませんm(__)m
翌日・・・竜の谷にて
「し・・・シユウさ~ん・・・?」
現在竜の谷では、昨日手紙で呼ばれたシリルに化けたヨシノがシユウの名前を呼んでいる。
(わざわざ手紙で呼び出すなんて・・・大事な話ってもしかして・・・)
シリルはソワソワしてシユウの到着を待つ。
「シリル!」
「ひゃあ!!」
突然後ろから抱きつかれたシリルは驚き、悲鳴をあげてしまう。
「来てくれてよかった」
そんなシリルにシユウは笑顔で言う。
次にシユウは周りを見回し始める。
「・・・シリル一人?」
「は・・・はい!あの・・・大事な話って・・・」
シリルはシユウを見上げる。シユウはそんなシリルを見つめる。
「・・・シリル」
「・・・・・」
シリルは何を言われるのか想像してしまい、ドキッとする。
しかしシユウは突然、シリルの腕を掴み歩き出す。
「来て!」
「えっ・・・」
「見せたいものがあるんだ」
シリルはシユウに腕を引かれ、そのままついていく。
しばらく歩くとさっきまで黙っていたシユウが口を開く。
「昨日みんなが帰ったあとに見つけたんだ」
「見つけたって・・・何をですか?」
シリルの質問に答えるように、シユウが前を指さす。
「行方不明の人たちを・・・」
シリルもそちらを見ると、そこには村の人たちが氷漬けにされている光景があった。
「みんな・・・!!なんでこんな・・・」
シリルはそれに近寄る。それを触るとシリルはそれが氷だということに気づく。
(氷!?それなら・・・)
シリルは近くにあった大きめの石を持つ。
「待ってて・・・すぐに助けるから!!」
シリルはその石で氷を砕こうと叩く。しかしその氷は壊れるような気配はない。
「シリル!そんなんじゃ壊せないよ!!」
「でも!!」
「これは普通の氷じゃないんだ!!」
シユウはシリルを止める。シリルはその勢いで石を地面に落とす。
「俺もいろいろ試したけど・・・どうしても壊すことかをできなかったんだ」
シユウはシリルの肩に手を置き言う。
「シリル・・・やっぱりみんなを助けるには、竜の宝の力が必要だと思うんだ。
もう一度・・・あの石の使い方を考えてみてくれないか?」
シユウはシリルの耳元でささやく。シリルは一度固まるが、シユウに向かって話始める。
「昨日・・・シャルルに言われて気がついたことがあるんです」
「え?」
「亡霊騒ぎが始まった半年前・・・一つだけ村に変化がありました」
シリルはシユウに向き直る。その目にはうっすらと涙がたまっている。
「あなたが・・・村に来たことです」
シリルは氷漬けの村人の前に行き、氷を触る。
「氷の魔法・・・これを使えば偽物の橋をつくることができる。
霧の中にドラゴンの姿をつくれば亡霊が出たように見えます」
シリルは胸に手を当て、再びシユウの方を向く。
「そしてあなたなら、村人を連れ去ることも・・・」
「ま・・・待ってくれ!!俺は魔法なんか使えな・・・」
「でもあなたが魔導士だと考えるとすべてつじつまが合うんですよ!!」
シリルはシユウの言葉を遮り、大きな声を出す。そしてシユウに視線を移す。
「この事件の犯人は、あなたですね。シユウさん」
その頃・・・本物のシリルは・・・シリルside
「も~!どこ行っちゃったのよあの子!!」
「落ち着けよ、シャルル」
「そうだよ~!シャルル~」
俺たちは今はヨシノちゃんの家でお茶をごちそうになっている。シャルルはヨシノちゃんが家の中にいなくてソワソワしている。
「一人で出歩くなっていっておいたのに・・・」
「まぁまぁ。ヨシノちゃんなら大丈夫だよ」
ウェンディもシャルルをなだめるが・・・シャルルは落ち着きなく家の中をウロウロする。すると・・・
「何かしらこれ・・・」
「どうしたの~?」
シャルルが何かを見つけ、俺たちは近づく。シャルルが拾ったものは・・・紙?
「普通に紙じゃない?それ」
「ゴミ箱から出ちゃったのかな?」
俺とウェンディはシャルルの持っている紙を見てそう思う。しかしシャルルは何かを感じたのか、その紙を広げてみる。
「ちょっと!!これ!!」
シャルルはその紙を広げると慌てて俺たちに渡す。俺はそれを見るとそこには文が書いてあった。
[大事な話があるんだ。明日、竜の谷で会いたい。シユウ]
俺はそれを読んでヨシノちゃんがどこに行ったのかを理解する。ウェンディもその手紙を見て気づいたようだ。
「行こう!!ウェンディ!!」
「うん!!」
俺たちはヨシノちゃんが向かった竜の谷へと走っていった・・・
竜の谷にて・・・第三者side
ドン
「きゃあ!!」
シリルはシユウの放った魔法をギリギリで避ける。シユウの魔法が当たった場所は一瞬にして凍ってしまっていた。
「せっかく穏便にしまそうと思ってたのに・・・」
「し・・・シユ・・・」
シリルはシユウを向くと、そこには先程までとは違う、表情が明らかに変わってしまっているシユウがいた。
「そこまでバレてるなら仕方ないな・・・早く竜の宝の秘密を解いてくれよ」
「お・・・俺知りません・・・きゃっ!!」
シユウはシリルに向かって次々と攻撃を繰り出し、一歩一歩詰め寄っていく。
「だったら早く考えてくれよ。もう時間がないんだから」
シユウはそう言いながらもシリルに次々と魔法をぶつける。シリルは魔法の勢いに押され倒れてしまう。
「・・・なんで反撃してこないの?すごい魔法使えるんだろ?」
シユウはシリルを見下ろしながら冷たく言う。シリルは倒れたまま起き上がれない。
「・・・それなら」
シユウはシリルに向けていた手を氷漬けのの村人たちに向ける。
「一人ずつ人質を消す間に、考えてもらうしかないな」
「やめてえ!!」
手に魔力を溜め、村人に溜めた魔力を放とうとしたシユウ。しかしそれをシリルは飛び付いて止める。
「どけっ・・・」
「本当のシユウはそんなことしない・・・
だって・・・だって私知ってるもんー!シユウは優しい人だって知ってるもん!!」
「・・・は?」
シユウは腕に捕まっているシリルを振り払う。
「数日前にあったばかりの奴が何を・・・!!俺の何を知ってるんだよ!!」
「なんだって知ってるよ!!こんなこと好きでやってるんじゃないんだよね!?そうでしょ!シユウ!!」
シリルは涙ながらにシユウに呼び掛ける。シユウはそれを見て、ようやくこのシリルが違う人間だと気がつく。
「・・・お前まさか・・・」
シユウはそこまでいい、騙されていたことに怒り、表情を歪ませる。
「離せ!!」
「きゃ・・・」
腕に抱きついたヨシノを再び振り払うシユウ。振り払われたヨシノは壁にぶつかりそうになるが、
パシッ
それを本物のシリルが受け止める。
「お前・・・」
「・・・なんだよ・・・」
シリルとシユウがにらみ合う。しかしその隙に
「天竜の咆哮!!」
「なっ!!わっ!!」
後ろから来ていたウェンディがシユウに咆哮を繰り出し、シユウは壁に叩きつけられる。
「やっぱり・・・ヨシノの変身魔法だったのか・・・」
シユウはそう言うとがっくりと肩を落とす。
「ヨシノちゃん!!」
ウェンディがシリルとヨシノのところに駆け寄る。
「大丈夫・・・?」
「ウェンディ・・・シリル・・・」
ヨシノは変身魔法を解き、元の姿へと戻る。
「どうしてここが・・・?」
「さっきヨシノちゃんの家でシユウさんからの手紙を見つけたんだ」
「それでここまで急いで来たんだよ~」
ヨシノの質問にシリルとセシリーが答える。
「アンタ・・・シユウが怪しいって気づいてたのね」
「・・・」
シャルルの質問にヨシノは黙ってしまう。
「シリルに変身して危ない目に・・・」
「どうして相談してくれなかったんだ?」
「・・・だって」
ウェンディとシリルがヨシノに聞くとヨシノはようやく答える。
「もしシユウが犯人なら・・・私が止めたかったの」
「ヨシノちゃん・・・」
「シリルの姿で訴えたら、やめてくれるかもって思ったんだ・・・私、変身魔法だけは得意だから・・・でも・・・できなかった・・・」
ヨシノの目からポタポタと涙がこぼれ落ちる。
「こんなんで“特別”とか言って、私・・…バカみたいだね・・・」
「そんなことないよ」
「え・・・?」
シリルは泣いているヨシノにそっと話しかける。
「ヨシノちゃんはシユウさんのためにすごい頑張ったじゃん。“特別”な人のために頑張った。それだけで十分だと思うよ」
「シリル・・・」
「私もそう思う。だから・・・バカみたいとか言わないで」
シリルとウェンディにそう言われ、ヨシノは涙を拭いながらうなずく。
「う・・・ヨシノがなりすましてたなんてな・・・通りで答えられないはずだ・・・」
すると壁に打ち付けられ気を失っていたシユウが意識を取り戻す。
シリルはウェンディたちの前に立つ。
「シユウさん・・・なんでこんなことをするんですか?」
「竜の宝を何に使うつもりですか?」
「・・・答える必要はないな。お前たちはさっさと竜の宝の秘密を解けばいいんだ」
シリルとウェンディの質問にそう返し、シユウは手に魔力を溜める。
「昨日も言いましたけど、俺には竜の宝の秘密なんかわかんないですよ!!」
「わかるはずだ!!滅竜魔導士だろ!!」
シユウはシリルに氷の槍で攻撃する。
「水竜の鉄拳!!」
「な・・・!」
しかしシリルはそれを鉄拳で砕き割り、シユウはそれに驚いてしまう。
「ウェンディ・・・ヨシノちゃん・・・離れてて」
「うん・・・」
シリルはウェンディたちを遠ざける。
シリルはシユウを見据える。
「昨日の両親の話もウソですか?」
「・・・それは本当だ」
「亡くなったご両親は、あなたがこんなことして喜ぶわけないでしょ!?」
「黙れ!!」
シユウはシリルに魔法放とうとする。しかしそれよりも先にシリルが動く。
「水竜の翼撃!!」
「うわ!!」
シリルの魔法によりシユウは壁に叩きつけられる。シリルはシユウの前に歩みよる。そんなシリルをシユウをを見上げる。
「・・・これが、滅竜魔導士の力・・・」
「氷漬けの人を解放してください。今ならまだ村のみなさんだって・・・」
「おとなしく俺のいうことを聞けばよかったんだ」
シリルの言葉を遮り、シユウは砂を掴みながら言う。
「その正義感のせいで・・・この村は全滅だぞ」
「・・・え?」
「どういうことですか?」
いつのまにか近くに来てきたウェンディがシユウに聞く。
「もういいわシユウ。あとはあたしたちがやるから♪」
しかし後ろからそんな声がして、シリルたちはそちらを振り返る。
「?」
「なんだ?」
「なっ・・・約束は明日のはずだろ!?」
シユウはやって来た二人に言う。しかし二人は悪びれた様子もなくこう言う。
「だってあたし、待ちきれなかったんだもの♪」
「盗賊団ナイトバタフライ参上だよぉぉ!!うわぁぁん」
シリルたちの向いた方には若い男と太った女の二人組がいた。二人とも、ものすごい変な格好をして・・・
「「「「「・・・・・」」」」」
あまりの変な格好に思わず言葉を失うシリルたち。しかしすぐに正気を取り戻す。
「ええっ!!」
「盗賊団!?」
「そんな・・・」
「そんな・シユウは盗賊団の一味だったのね!!」
「ウソォ~!!」
「今、一瞬変な間がなかった?」
「うわぁぁん!」
盗賊団という言葉に驚く五人。変な二人組は一瞬変な間が空いたことにイラだっているようだった。
「シリル~!!」
「囲まれてるわ!!」
「え!?」
「いつのまに・・・」
「そんな・・・」
シリルたちが変な二人組に気を取られていると、周りを大量の盗賊団に囲まれていた。
「シユウのやり方は生ぬるいのよ~。滅竜魔導士のお嬢さんたちに秘密を解かせればいいんでしょ?簡単じゃないの」
男はそう言い、ニヤッと笑う。すると太った女の手から触手のようなものが現れ、ヨシノを捕まれる。
「きゃ!!」
「「ヨシノちゃん!!」」
捕まえられたヨシノは地面に叩きつけられる。男はそれを見て笑みを浮かべる。
「大事なものをいたぶればいいのよ♪」
「やめて!!」
「ヨシノちゃんを離せ!!」
ウェンディとシリルは男に向かって走り出す。しかしその前に他の盗賊団たちが立ちふさがる。
「どけぇ!!」
「ヨシノちゃんを返して!!」
シリルとウェンディは盗賊団を魔法で凪ぎ払う。
「きゃっ!」
「ウェンディ!うわっ!」
ウェンディが背後から攻撃を受け、そちらに気をとられたシリルも攻撃を受けてしまう。
二人はその間にたくさんの敵に囲まれてしまった。
「きゃああ!!」
「ひゃああ!!」
「シャルル!!」
「セシリー!!」
シャルルとセシリーも盗賊団からの攻撃を受けてしまう。シリルとウェンディはセシリーとシャルルを抱えるように抱き締める。
「水竜の盾!!」
シリルが水の盾をしき、攻撃を防ぐ。
「いっ!!」
「「ヨシノちゃん!!」」
しかしそれを見た盗賊団の男はヨシノを地面に叩きつけられる。
「早く秘密を解きなさいよ~。お友だちが死んじゃうわよ~」
「やめてください!!」
「俺たちは竜の宝の秘密なんて知らないんだよ!!」
盗賊団にウェンディとシリルが叫ぶ。それを聞いた盗賊団はつまらなそうな態度をとる。
「あ、そう!」
「しめあげるよぉぉ!!」
「あっ・・・」
盗賊団の女が触手を操りヨシノの首を締める。
「おい!!やめろって!!」
それを見たシリルは怒鳴る。ヨシノはシリルとウェンディに息も絶え絶えに話しかける。
「に・・・逃げて・・・シリル・・・ウェンディ・・・」
「何言ってるの!!」
「そんなことできるわけないでしょ!!」
「お・・・お願いだから・・・逃げて・・・
巻き込んじゃって・・・ご・・・めんね・・・シリル・・・ウェ・・・ンディ・・・」
ヨシノはそう言うと力尽きたように手をだらんと下げる。
「「ヨシノちゃん!!」」
シリルとウェンディが助けようと魔法を出そうとするがたくさんの盗賊団の攻撃により、魔法を出すことができない。
「きゃ・・・」
「くそ・・・」
二人とも成すすべなく盗賊団の攻撃を受ける。シリルは悔しくて地面を 叩く。すると隣でウェンディが大粒の涙を流しているのが目に入った・・・
「ヨ・・・シノ・・・ちゃ・・・」
「やだぁ~。泣いちゃったぁ。ウザ~イ」
「やり過ぎちゃったよぉぉ!?」
シリルはウェンディの泣いている姿を見て、歯を食い縛る。そして
「くそ・・・くそぉ!!」
「シリル!!」
シリルはヨシノを締め上げている女に向かって突っ込む。しかしそれを盗賊団たちが止めに入る、が!!
「火竜の・・・咆哮!!」
「「「「「ぐあああ!!」」」」」
突然上から来た炎が盗賊団を凪ぎ払う。
シリルはその隙に女に向かって加速する。
「行かせ・・・」
「アイスメイク、突撃槍!!」
「ぐあっ!!」
また立ちふさがろうとした敵が、今度は氷の槍によって倒される。そしてシリルはヨシノを締め付けている女の目の前に到着し、
「水竜の、鉄拳!!」
「うわあああん!!」
シリルの拳が女の顔面に入る。女はそれによって気を失い、ヨシノを締め上げていた触手が姿を消す。
「ヨシノちゃん!!」
解放され、落ちてきたヨシノをウェンディがキャッチする。二人はそれから盗賊団を凪ぎ払った炎と氷が飛んできた方を見る。
「無事か!?シリル!!ウェンディ!!」
「間に合ってよかったな」
そこにはナツ、グレイ、ルーシィ、エルザ、そしてハッピーがいた。
「皆さん・・・!」
「来てくれたんだ・・・!」
二人は五人を見て笑顔になる。
「ちょっ!!あれって妖精の尻尾じゃない!!なんでこんなとこに!?」
盗賊団の男はナツたちを見て動揺する。ナツは男を見る。その表情は怒りに満ち溢れていた。
「・・・てめぇら・・・大事な仲間を泣かせやがって!!俺が絶対許さねぇ!!」
ナツはそう言い、拳に炎を纏った。
後書き
いかがでしたでしょうか。なんとかナツたちが到着するまでシリルがやられてくれてよかったですw
ちなみに盗賊団のリーダーと思われる奴ですが、絵を見た感じだと私は男だと思ったのでそういうことで話を進ませてもらいました。
次はナツたちも大暴れします。
次回もよろしくお願いします。
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