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オズのベッツイ

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第八幕その七

「目にかけたら寝てしまう砂をね」
「眠りの砂ね」
「それがあるから」
「それじゃあ猛獣が来たら」
「カリダが出て来てもね」
 オズの国で一番獰猛なこの獣が出て来てもというのです。
「大丈夫よ」
「そうしたものを持ってるのね」
「私はいらないって言ったけれど」
 アンは少し苦笑いになってベッツイに答えました。
「お父様とお母様がどうしてもって言って」
「持たせてくれたの」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「今持ってるから」
「よかったわ、それじゃあね」
「いざっていう時は任せて」
 アンはベッツイににこりと笑って言うのでした。
「猛獣が出て来たらね」
「それで、先の道はね」
 ガラスの猫も言ってきました。
「地図であらかじめ確かめてるし」
「これでね」
 ベッツイは猫にも答えて地図も出しました。
 そしてその地図を観つつです、皆に言うのでした。
「これはウィンキーの最新の地図だけれど」
「そこにはですね」
「ええ、真実の池までの道も書かれてるけれど」
 それでもというのです。
「危ない場所は書いていないわ」
「それで、ですね」
「用心していくわ」
 ナターシャにも応えてでした、そのうえで。
 地図でチェックしながら先に進みます、そしてお昼になると御飯を食べるのでした。お昼はハンバーガーとラーメン、それと果物の盛り合わせでした。
 そのハンバーガーを食べつつです、アンは言いました。
「これがね」
「ウーガブーの国ではですね」
「そう、私は食べないの」
 アンはこうジョージに答えました。
「王宮ではですね」
「そうなの、だからね」
「ここでこうして食べると」
「新鮮よ」 
 そう思えるというのです。
「とても美味しいし」
「それは嬉しいですね」
 ハンバーガーが大好きな彼にとってはです、とても嬉しいお言葉だったので笑顔になりました。
「じゃあどんどん食べて下さい」
「ラーメンもね」
 アンはそちらも食べて言います。
「いいわね」
「これは中国のラーメンなんです」
 今度は神宝がアンにお話します。
「どうでしょうか」
「こちらもいいわね」
「それじゃあこちらもどんどん」
「そうさせてもらうわね」
「そういえばね」
 カルロスもハンバーガーとラーメンを楽しんでいます。その中でふと恵理香に顔を向けて彼女に尋ねました。
「日本にもハンバーガーとラーメンあるけれど」
「ええ、どちらもね」
「違うよね」
「今食べているハンバーガーやラーメンと」
「うん、同じ食べものとは思えない位にね」
「そうそう、それはね」
「僕も思うよ」 
 ジョージと神宝も恵理香に言うのでした。
「日本のハンバーガーはね」
「ラーメンもね」
「違うんだよね、アメリカのと」
「中国のラーメンとは本当に違うよ」
「味付けも大きさも」
「麺の作り方が別だよ」
「ううん、最初にそう言われた時は驚いたわ」
 本当にとです、恵理香も言います。 
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