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ハイスクールD×D~妹様な転生者~

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第2話 気になるあの娘は吸血鬼?

 
前書き

更新遅くなりました。

後半はちょっとした非日常です。

 

 
 


「初めまして!フランドール・スカーレットです。私の名前のフランドールって呼びにくいでしょうからフランって呼んでください♪」



迷子になった次の日………今日は留学生として初めての学校での自己紹介。
とりあえずスカーレット家のメイド長が書いてくれていたメモを参考にして明るく元気に自己紹介をするとクラスの人達が笑顔で拍手をしてくれた。
その反応を見て自己紹介が上手く出来たことを確信した私は笑顔でこれからクラスメートにもう一度礼をする為に頭を下げようとしたその瞬間………

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!君は昨日の白レースの娘だぁ!!」

大声を出しながら私を指差す一人の男子生徒がいた。

「………ふぇ?」

私は驚いて一瞬固まってしまうが、不意に昨日の記憶が思い浮かぶ。
薄暗くなり始めた路地を曲がった時にぶつかり、私の下着を凝視していたそのぶつかった相手である男子生徒………

「ああ!あの時の………変態さん?」

その事を思い出した私も男子生徒を指差すが名前が分からなかったので思わずそう言って首を傾げる。

「誰が変態だ!!俺には兵藤一誠って名前があるんだぞ!!」

私が指差した男子生徒は大声でそのことに対して噛み付いてきたけど………
周りからの視線………特に女生徒からの蔑むような視線が男子学生………一誠に突き刺さる。
 
「そ、そんな馬鹿な………」

その中心である一誠は驚愕の表情を浮かべているが、この駒王学園ではすでに周知の事実らしい。
私が生徒会に挨拶へ向かった際に女子にとっての要注意人物として名前だけ教えられていたから名前を聞いていたのでどういう人物なのかはだいたい知っている。
しかも本人自体が変態であるのにその友人である松田、元浜という二人もかなりの変態らしいから気をつけるようにとの説明もあったくらいだから同じクラスになったら注意してくださいと何度も念を押されているのだ。

「えっと………上手く一誠って発音出来ないから呼び方はイッセーでいいかな?よろしくね♪」

とりあえずどう接していいのか分からなかった私は呼び方について笑顔でそう聞いてみると

「お、おう………よろしく」

私の笑顔にイッセーは一瞬見とれてしまい、勢いを削がれてしまったのかそのまま着席してしまった。
それを見届けた私はゆっくりと教室にいるクラスメートを見渡してもう一度………

「これからよろしくお願いします♪」

笑顔でそう言うのだった。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「ふぅ………今日は大変だったなぁ………」

学校が終わって帰宅途中の夕暮れ時に私は周りの景色を楽しみながら前回迷子になった住宅街を歩く。
今回はあのリムジンの運転手から地図を入手している為、もう迷うことはないので安心して歩ける。

「歩くって気持ちいい♪………でもあの家っていうか………屋敷に帰るのは気が滅入るよぅ………」

私は若干落ち込みながらポツリと本音を呟いた。
実は私も昨日初めて行って驚愕したけど………街外れに全てを赤色で統一した今通っている駒王学園よりも広い敷地を誇る豪邸があり、メイドさんが2000人くらいは配置されていたのだ。

「うちのメイド長とお姉様の過保護っぷりにはもうため息しか出ないよ………」

確かに私は貴族であるスカーレット家の娘ではあるのだけど、すでに当主の座はお姉様が継いでいるので私にここまで贅沢をさせる意味が分からない。
それにお姉様は自分の企業を持っており、そこのスポンサーとして自由に操れる立場まで確保しているのだ。

「たしか………OZEU(オージーイーユー)コーポレーションだっけ?………やっぱりお姉様は凄いよ………」

何でも出来てパーフェクトな姉を持つと妹としてはかなり肩身が狭く感じてしまうのだけど、お姉様はそんな事を気にすることなく私に向き合ってくれるからとっても大好き。

「とりあえず帰ったらお姉様にメールをしなきゃね♪………ん?あれって………」

そう呟いて携帯を取り出そうとした瞬間………見覚えのある男子生徒が路地の暗がりに消えて行くのが見えた。

「もしかして………イッセーかな?」

不審に思った私はその後を追ってみるとイッセーらしい男子生徒はフラフラとまるで酔っ払っているかのような歩き方でどんどん街外れの方に歩いていく。
今の彼の状態は明らかにおかしい………

「……………」

私はその異様な様子に警戒を強めながら後を追い続けると街外れの廃墟にたどり着いた。
しかもそこからは私にとって………いや、私達"吸血鬼"にとって大好物であるあの鉄が少し錆びたような匂いが漂って吸血鬼として人間なんかより格段に優れた私の嗅覚を刺激する。



「これは………血の……匂い………」



妙に渇く喉を潤したい衝動に駆られながらも私は中に入っていったイッセーを追って少し遅れて中に入ると………

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ッ!?しまった!!」

廃墟に絶叫が響き渡り、私を正気に戻す。
私は抑えていた吸血鬼としての身体能力を解放して廃墟を駆け抜ける。
そしてそこにいたのは………



「おやおや、今日は獲物が二匹も捕れたみたいだねぇ」

「か……ぁ………」



上半身は女性の身体だけど下半身は異形の巨大な化け物で四足の足があり、尻尾には独自に動く蛇のようなものがあった。
そしてその足元に赤い液体を腹部から流し続ける見覚えのある男子生徒………イッセーが腹部に手を当てて苦しそうに横たわっている。

「イッセー!?」

昨日初めて出会って目の前でいきなり泣いてしまった最悪の出会いだったけど、クラスメートとして新たに仲良くなるはずの彼が死にかけているのを見て何も思わないほど私は非情じゃない。

「ダメだ!俺に構うな!!」

それを見たイッセーは自分が一番苦しいはずなのに私を逃がそうとそんな事を言ってくれる。
そんな彼を見て私はさらに思いを強くする。



「絶対助けるよ!!」



化け物はその言葉にケタケタと笑うが………その表情を凍りつかせた。
何故なら………私の右手には杖にも似たナニかが全てを燃やし尽くさんばかりの業火を撒き散らしながら突然現れたからだ。



「禁忌………レーヴァテイン」



私はその剣の名前を呟きながらゆっくりと化け物に向かって歩くと化け物は慌てたように足元に倒れていたイッセーを人質にしようと身を屈めようとする。
しかし………その行動は吸血鬼の私にとってはあくびが出るほど遅く感じた。

「終わりだよ」

私はそう言って化け物の脇をすり抜ける。
すると化け物の首と胴体が別れて燃え上がり、断末魔の悲鳴をあげる間もなく燃え尽きた。
その一瞬の出来事にイッセーは目を丸くして腹部の傷から血が流れていることを忘れてしまったように口を開けてポカンとしている。

「イッセー大丈夫?」

私はレーヴァテインを消して今だに放心状態のイッセーに手を差し延べると

「君はいったい………何なんだ?」

イッセーはそう言って私を見つめてきた。
だから私は廃墟の天井の隙間からこぼれる月明かりを背景にしながら宝石みたいな飾りの付いた翼を広げ



「私の名前はフランドール・スカーレット………由緒ある貴族の娘にして吸血鬼だよ♪」



笑顔でそういうのだった。



 
 

 
後書き


この化け物………バイザーだねぇ………

バイザーェ………


 
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