ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第八幕その一
第八幕 彼のことを聞いて
一週間経ってです、先生はホワイティ達から男の子のことを聞きました。ホワイティとチープサイドの家族、そしてトートーが言うのでした。
「ずっと見てたけれどね」
「とても優しい子だよ」
「誰にも親切よ」
「明るい子だよ」
こう先生の研究室に来てそこにいる先生にお話するのでした。
「意地悪なところもなくて」
「あっさりしててね」
「裏表がなくて」
「公平な子だよ」
「そうなんだ」
先生はホワイティ達のお話を聞いて満足してこう言いました。
「それじゃあね」
「うん、じゃあだね」
「いい子だと思うんだね、先生も」
「そう思ったんだ」
「そうだよね」
「そうだよ」
まさにその通りだとです、先生はホワイティ達に笑顔で答えました。
「皆が言うと間違いないよ」
「それじゃあ」
「あの娘とだね」
「一緒になれる様に」
「頑張るんだね」
「そうするよ」
先生の笑顔での言葉を聞いてです、ホワイティはです。
すぐにです、先生にこんなことも言いました。
「あとね」
「あと?」
「あの子のお部屋も見たけれど」
「何かわかったのかな」
「うん、あの娘の写真飾っていてね」
そしてというのです。
「お財布の中にも入れてるよ、携帯の待ち受けもそうでね」
「それじゃあ」
ここまで聞いて先生もわかりました、
「彼もだね」
「あの娘のことがなんだ」
「そう思っていいね」
恋愛は苦手な先生にもわかることでした。
「相思相愛だね」
「そうなんだ」
「そう、だからね」
それで、と言う先生でした。
「ここは彼と彼女を会わせて」
「そしてなんだな」
「あとは背中を一押しかな」
先生はこれまで読んだ恋愛小説から述べました。
「それでいいかな」
「一押しだね」
「そう、一押しでね」
まさにそうすればというのです。
「二人のそれを。そうすれば」
「いけるんだ」
「そう思うよ」
これが先生の見立てでした。
「無事にね」
「それじゃあ」
「会ってもらおう」
二人にというのです。
「是非ね」
「そして告白?」
「うん、それがいいかな」
こうホワイティに言うのでした。
「この場合はね」
「ううん、どうかなあ」
「ちょっとね」
ここで他の動物の皆も言いました。
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