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歌集「春雪花」

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 重き愛の

  心を打ちて

    悩みしは

 君居ぬ今日も

     灯り淋しき



 彼を愛することに悩み続け…それが常に心を叩いている…。

 夏宵に明かりをつける…ふと、彼が居ないことを思って淋しくなる…。

 一体…これはいつまで続くのか…?



 山梔子の

  咲きてや初夏の

   香をつくり

 風ぞ吹きてや

     君へ送らん



 帰り道…白い山梔子の花が咲いていた。
 初夏に心地好い甘い香りをつくりだしている…。
 そこへふと…柔らかな風が吹き寄せ、山梔子の甘い香りを空へと舞い上げた…。

 あぁ…この香りを、彼の元へ運んで欲しい…。

 彼が…思い出してくれるように…。



 
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