転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0972話
「分かってはいたけど、まさかここまであっさりと勝負がつくとは思わなかったな」
映像モニタに映し出されている光景を目に、思わず呟く。
その映像の中では、エルベ藩王国を始めとした軍勢が帝国軍を押しまくり、前線そのものも押し上げていっている。
帝国軍にしても黙ってやられる訳にはいかないのだろうが、何しろ切り札のオーガは軒並みイルメヤやメギロートに捕らえられ、あるいはビームやレーザーで殺されてしまったし、この世界の軍隊では大きな力を持っている竜騎兵にしても同様だ。
ワイバーンを得るという理由があるだけに、可能な限りスパイダーネットで捕らえたからな。
それを目の前で見せられただけに、帝国軍の士気は急激に下がっていった。
そんな所に突っ込んで行くのは、これまで散々帝国軍に搾取されてきた恨みを持つ周辺国家の軍勢だ。
その2つがぶつかり合えばどうなるのか。その結果が、今俺の目の前にある光景だった。
「何と言うか、一方的ね。一応数でまだ互角だったのに」
円の言葉に、俺も同意するように頷く。
「一般人を入れれば、寧ろ帝国軍の方が多かったのは事実だな。……まぁ、結局はあの有様だが」
他の国々にしても、帝都に住む一般人を皆殺しにするつもりは一切ない。
寧ろ、この戦いで勝った後の事を考えれば出来るだけ生き残って貰った方がいいのだから。
だからこそ、連合軍の兵士は自分達に向かってくる者以外は極力手を出さないようにしているし、あるいは一般人を監視している指揮官達を集中的に仕留めている。
まぁ、そうは言ってもこの門世界の兵士達だ。当然質の悪い者は多く混ざっているし、雇われている傭兵にしてみればその辺は全く関係無いとばかりに一般人を殺している奴も多いのだが。
「そう言えば、結局この帝国軍って誰が総大将なの?」
不意に呟かれた美砂の言葉に、その場にいた全員が思わず首を傾げる。
こんな風に余裕を持っていられるのも、シロガネが絶対安全だと分かっているからだが
じゃなくて。
「そう言えば、確かに誰なんだろうな?」
第1皇子のゾルザルは、とてもではないが表に出られる格好ではない。第2皇子のディアボは既に引っ捕らえてエルベ藩王国に引き渡してある。俺が知っている中で残るのはピニャかモルトくらいだが……モルトは権力欲が強い俗物ではあるが、自分が戦場に出るような勇気も能力も意思もない。となると、ピニャくらいしかいない。……俺達の力を知っているピニャが、わざわざ自分から望んで戦場に出るような真似をするか?
いやまぁ、どうしても他に手がないとなれば、その可能性もなきにしもあらずだが。
その辺を口にすると、マリューも同意見なのか誰が総大将が分からないと首を傾げている。
ピニャと会った事がなく、この門世界についての知識はデータでしか知らない円や美砂にしても当然分かる訳がなく、首を傾げていた。
「俺達が全く知らない皇族とか……あるいは、単純に位の高い貴族って可能性もあるな」
皇族が出てくる事がなければ、やはりその下にいる貴族……あるいは将軍とかの軍人とかか。
そんな風に考えている間にも戦況は徐々に……いや、圧倒的に連合軍有利に推移していく。
防御側に有利な籠城戦ではなく、こうして帝都の外での戦闘を選んだ以上はここで勝つしか手はないんだろう。そもそも、援軍の当てがある訳でもないのに籠城しても、無意味なだけだが。
まぁ、最大の理由は城を含めた一体がオーブの攻撃により瓦礫の山と化しているからだろうけど。籠城しようにも籠城の意味がないんだよな。
「……あ、崩れた」
円の声。
そちらへと視線を向けると、今まで何とか連合軍の攻撃を持ち堪えていた帝国軍がバラバラになってそれぞれ好き勝手な方向へと逃げ出している。
一般人だけではない。帝国軍の指揮官でもある騎士や貴族といった者達までもが蜘蛛の子を散らすように逃げ出しているのだ。そこには、既に規律も何もあったものじゃない。
それを追撃する連合軍は、ファンタジーの騎士道とはなんぞや? と疑問に思うでもなく、逃げ出した相手の背後から攻撃を仕掛けては騎士や貴族といった者達を討ち取っていく。
幸いなのは、一般人を相手にしている者達が殆どいない事か。
よく考えれば分かるのだが、一般人を討ち取るよりも騎士や貴族といった者達を討ち取った方が当然手柄は大きい。その手柄の大きい相手を好き放題に討ち取れるチャンスなのに、それを放っておいて一般人を相手にするなんて馬鹿らしいとしか言えないだろう。
「うわぁ……貴族って言っても戦争で負けると醜いのね」
呟く美砂の視線の先では、自分のすぐ後ろまで迫ってきた連合軍の兵士達から逃れるために、隣を走っていた仲間の貴族が乗った馬を攻撃し、その場で倒れ込んだ貴族が映し出されていた。
当然背後の連合軍の兵士にしてみれば、棚からぼた餅とばかりに地面に倒れた貴族に襲い掛かり、首を挙げる。
その貴族を殺した兵士達の背後からは他の兵士達も姿を現し、先程仲間の貴族を犠牲にして逃げ出した貴族を狙って矢を放つと、その矢が貴族の胴体に突き刺さりこちらも落馬する。
そして当然兵士達がそこに群がり……そんな光景が、戦場のそこかしこで行われていた。
極少数……連合国に所属する国の貴族と知己のある貴族に投降するのに成功したような例外を除き、殆どの貴族や騎士は帝都の中に入る前に屍を晒す事になる。
帝国軍にとって更に悲惨だったのは、先に帝都へと逃げ込んだ貴族が背後から迫ってくる兵士の恐怖に耐えられずに門を閉めさせた事だろう。
「ここで無駄に時間を取るのもな。……マリュー」
「ええ、ホーミングミサイルで大丈夫よね」
最後まで言わずとも、こちらの意図を察してくれるのは付き合いの長さと濃さ故か。
ともあれ、シロガネの外部スピーカーから味方の軍隊へと円が通信で門の前から避難するように告げる。
だが……
「ねぇ、ちょっと。門の前から動かない人が結構いるんだけど。どうするの?」
そう。美砂の言う通り帝都の門の前にはまだ多数の兵士や騎士、あるいは傭兵の姿があった。
それも、帝国軍に所属している者達であるのなら、まだ分からないでもない。だがそこにいるのは、殆どが連合軍の者達なのだ。
「……マリュー、通信機を使って他のエルベ藩王国を始めとした国に連絡を」
「ええ」
すぐに頷き連絡を取るが、結局分かったのは門の前にいる兵士達は全てが通信機を持っていない国々……つまり、厳密にはシャドウミラーと協力関係にない国の者達だという事だった。
「つまり、何? 私達の戦力を知らないから、自分達が陣取った場所を渡したくないって事?」
「さて、どうだろうな。確かに円の言葉通りの面も多少はあるかもしれないが……寧ろ、門を破壊するという手柄を俺達に取られたくないと思っている国の仕業だと思うがな」
「……馬鹿?」
「否定はしない。けど、俺達と協力関係にあった国々は最初から大いに活躍して名を馳せていたのに対し、言い方は悪いが成り行きで立ち上がった国々にしてみれば、自分達が手柄を立てる場所をこれ以上奪われたくないってところだろう」
何しろ、ここで大きな手柄を挙げた国は間違いなく連合国での発言力も増す。既に勝利が見えている以上、その辺に考えを巡らせている国がいてもおかしくはない。
……ただ、俺達がそれに付き合う必要はない訳で。
「円、美砂。もう1度外部スピーカーで通告しろ。マリューはその後でホーミングミサイル発射だ。ただし狙うのは門であって、集まっている兵士達にはなるべく被害を出さないようにな」
俺の指示に従い、再び美砂が外部スピーカーを使って門の周辺にいる味方に退避するように指示をだし、円は通信機を持っている国々に対して退避するように通知する。
外部スピーカーで通知している以上、当然帝都の中に逃げ込んだ帝国軍にも聞こえてはいるんだが、それはしょうがないだろう。
事実、帝都上空にいるメギロートからの中継映像を見る限りでは、貴族らしき男が兵士に指示して門の内側に大量の岩とかを持ってきて封鎖しようとしているし。
ぶっちゃけ、帝都に突入するだけならメギロート辺りで城壁を破壊してそこから入るという手段もあるんだが。
「……駄目ね。門の前にいる兵士達は一切退避する様子を見せないわ」
マリューからのその報告に、小さく溜息を吐く。
肉の盾とでも呼ぶべきか、こうすれば俺達が攻撃しないと思っているのだろう。
だが……それは甘い考えだ。この状況で自ら進んで門の前に居座るというのなら、それは既に自業自得だろう。
「そうか。ならそのまま門の破壊を間近で見せてやれ。それで怪我をしても、あるいは死んでも、それはそれで向こうとしても本望だろうしな」
「……あまり気は進まないのだけど……」
憂鬱そうに告げつつ、それでも量産型Wにホーミングミサイルの発射準備をさせるマリュー。
少しでも門の前にいる兵士達に被害が出ないように火力を最小限まで減らすように指示している辺り、優しいよな。
もしもこれがコーネリア辺りだったとしたら、既に通告は出したとして問答無用でミサイルを発射するだろう。
ともあれ、シロガネから放たれた1発のホーミングミサイルは、真っ直ぐに帝都を守る門へと向かって突っ込んで行く。
それを見て、さすがにこのままそこにいるのは危険だと判断したのだろう。門の前に居座っていて兵士達が散っていき……次の瞬間門へとホーミングミサイルが命中し、周囲に巨大な爆発を巻き起こし、帝都の内部から門を封鎖しようとしていた帝国軍諸共に綺麗さっぱり消滅する。
同時に、爆発により生み出された強大な爆風が、先程まで門の前に居座っていたがホーミングミサイルの発射と共に逃げ出した者達の多くを転倒させ、そのまま地面の上で爆風に乗って吹き飛ばされていく。
「うわぁ……ホーミングミサイルって想像してたよりも威力が高いわね」
美砂のそんな呟きが聞こえてくるのと同時に、門の周辺を覆っていた爆煙も消えていき……やがて門そのものが消滅したのを知った連合軍の兵士達が帝都の中へと突入し始める。
「終わったな」
取りあえず吹き飛ばされた味方兵士に関しては完全にスルーし、呟く。
実際、帝都の門が破られた時点でどう考えても帝国は終わりだろう。
少し前までであれば、帝都に侵入を許しても城に籠城するといった手段があった。
だが、今ではその城自体が存在しておらず、結果的にはこの時点で既にこの戦争の終結は目前であると言ってもいい。
「ああ、そうだ。一応念の為だ。帝都を中心にして半径……そうだな、50km程度の位置でメギロートを上空から警戒させてくれ」
「何それ。何でそんな事する意味があるの?」
美砂の不思議そうな言葉に、一応念の為だと断りを入れてからその理由を説明する。
「帝都が帝国の首都である以上、脱出路の類があっても不思議じゃないだろ? まぁ、大抵脱出路とかいうのは城の中に入り口があったりするから、今の状態だとそれ程心配はいらないと思うけどな。ただ、城の敷地内にある井戸とかが脱出口だったりする可能性も捨てきれない。それを思えば、念には念を入れておいた方がいい」
幸い、メギロートであれば上空を飛び回って地上を探すというような真似をしなくても、ある程度の高度まで上がって地上をカメラで観察。何か異常があればこっちに映像を中継するという手段が使える。
こういう場合は、非常に便利な存在だ。
まぁ、高性能なAI制御だからこそ前もって入力してあるデータと似た人物がいるのかどうかを調べる事が出来るんだが。
これを人間がやれと言われれば、恐らく難しいだろう。
そして、帝都へと突入した兵士達が次々に帝都の中にいた貴族や騎士といった帝国軍の者達を捕らえ、あるいは殺しているのを見ながら、帝国という国の終わりを実感し……
「アクセル君!」
不意に円からの声が聞こえてくる。
鋭いその声に嫌な予感を胸に抱き、円の見ている映像モニタへと視線を向けると、そこでは帝都の中に突入した連合軍の兵士達が右往左往している光景が映し出されていた。
いや、帝都と中だけではない。外にいる連合軍の兵士達もまた同様に混乱に陥っている。
「何が起きている?」
「地震ね」
俺の問い掛けにあっさりとそう答えるマリュー。
そうか、シロガネは空中に浮かんでいるから、地震があっても特に影響がない。だからこそ分かりにくかったのか。
「にしても、また地震か。……以前はこの地域では全く地震の類はなかったって聞くが……本格的に火山活動とかが起こったりしないといいんだが」
そんな風に呟く。
結局最後の最後で色々とケチがついたものの、それから暫くしてモルトとゾルザル、ピニャの捕獲に成功したという報告が入る事になる。
ともあれ、これで一連の騒動もようやく終わりを告げる……か。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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