『曹徳の奮闘記』改訂版
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第七十一話
「全く………何処か分からんな」
俺は日本刀を持ちながら辺りを警戒する。
勢いよく砦内に突入したのはいいけど迷った(核爆)
夏蓮か周泰にでも聞いておけばよかったな………。
「敵だッ!!」
「ゲ、見つかった」
孫策軍の兵士五人が俺を見つけた。
「王双だ、捕らえろォッ!!」
「………流石に五人はきついな………」
俺は日本刀を構えた。
ズガアァーーンッ!!
『ギャアァァァーーーッ!!』
その時、四斤山砲の砲弾が孫策軍の兵士の足下に命中して兵士達を肉片に変えて吹き飛ばした。
「………乙だな。ん?」
その時、煙りの隙間からアイツを見つけた。
「雪蓮ッ!!」
俺は雪蓮を見つけたのであった。
「久しぶりだな雪蓮」
「………まだ私を真名で呼んでくれるの長門?」
「例え、敵であろうが俺は真名を許した奴には敬意を持って真名で呼ぶ」
俺は雪蓮にそう言う。
「………そう。じゃあ私もその敬意を持って貴方と戦おうかしら?」
雪蓮は南海覇王を構える。
「え? 何で俺? 普通はクロエや恋やら星やら桜花達と戦えよそこは」
『……………』
俺達の間に何故か何とも言えない空気があった。
「戦わないのか?」
頭を手で押さえた周瑜が聞いてきた。
「雪蓮と戦ったら俺は即死ぬぞッ!! まだ死にたくないんだが………」
「………貴方、男でしょう………」
周瑜が溜め息を吐いた。
「戦闘狂とはしたくないわ。後始末も大変そうやしな」
「………それに関しては同意しよう」
「えぇ~同意しないでよ冥琳~」
周瑜の同意に雪蓮がブー垂れる。
「………まぁ冗談はさておき、やろうか長門」
急に雪蓮が真剣な表情をする。
「いや、俺はマジなんやけど………」
俺は思わず関西弁で喋る。
「問答無用よ長門ッ!!」
お前は五・一五事件の旧海軍の青年将校か。
「クロエ? 恋? いないのか?」
俺は皆を呼んでみるが、マジで誰一人来ない………。
「来ないならこっちから行くわよッ!!」
「ちょッ!?」
左肩から右腹にかけての袈裟切りをしようとする雪蓮の攻撃をなんとか避ける。
「避けるなッ!!」
「避けへんかったら死ぬわアホッ!!」
これはもう激昂してるな………。
「………畜生。やるしかないんかよ………」
俺はブツブツと文句を言いながら牙突の構えをする。
今日は厄日やでほんまに………。
「行くぞッ!!」
俺は氣を脚に送って雪蓮に突撃する。
「フンッ!!」
雪蓮はそれをジャンプして避けようとする。
「それで避けたつもりか雪蓮ッ!!」
俺は直ぐ様、対空迎撃用の参式の牙突の構えをして氣をまた脚に送ってジャンプをする。
「なッ!?」
ジャンプして上から斬撃しようとしていた雪蓮が驚く。
「くッ!!」
ズシュゥッ!!
「雪蓮ッ!?」
たまたま方向からの関係で雪蓮が串刺しに刺されたと思ったのか、周瑜が叫んだ。
―――クロエside―――
「さて、迷ってしまったな………」
私は溜め息を吐く。
「そう溜め息を吐くのはあまり良くないぞクロエ?」
星が私に言う。
「それは分かっている」
早く孫策を捕らえないとな。
「雪蓮ッ!?」
「………今の声は周瑜だな?」
「うむ、そのようだな。この先だ」
ダダダッ!!
私と星は通路を走る。
途中、何かの肉片があったが気にしている暇はない。
『ッ!?』
私と星がその現場に着いた時、私の身体は思わず硬直していた。
何故ならそれは、上空にいる長門が同じく長門の少し上空にいた孫策の身体を日本刀で串刺しにしているように思えたからだ。
だが、よく見ると孫策は腰を捻って串刺しだけは免れていた。
―――クロエside終了―――
後書き
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