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歌集「春雪花」

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 坂の上

  下るは西か

    風まかせ

 翼ありなば

     迷うことなし



 上り切った坂の上で考える…。このまま西へと続く坂を下るか…はたまた北東へ向かう坂を下るか…。
 私に翼があれば、そんなことは考える筈もない。

 真っ直ぐに…彼の元へと飛んで行けるのだから…。



 戯れに

  君と在りしを

   思いては

 痛む心を

    騙し眠らん



 ふと…彼と共に過ごす自分を想像する…。
 笑い合い…時に喧嘩をしてみたり…。
 現実には有り得ない一頁…。

 そんな想像で騙さないと…この心の痛みを和らげて眠ることが出来ない…。



 
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