ブラックバトルプレイヤーズ
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第2話
午前10時ごろイサムはシゲからの連絡で目を覚ました。
『なんか、アップデートでコロシアムって言う新機能が追加されたんだが、行ってみる?イサムはアルティメットキャラだし、スキル増えるかもしれないからな』
「そうだなぁ、一回行ってみるよ、何時から?」
『今日の午前12時から開始、午前11までが受付締め切り』
「やばいじゃん」
イサムは急いで朝の支度を済まして、ゲーム世界へと向かった。
「よっ、イサム間に合ったか?」
「うん、もう申し込みは済ませたよ」
新エリアコロシアムではアップデートを聞きつけたユーザーで溢れかえっていた。
「今からどうする?」
「控え室に行って待っておこうぜ」
控え室でイサムたちは待っていると、ついに午前12時になった。
「試合が始まりますので、自分のブロックを見て待機しておいてください」
「俺たちはどこのブロックなんだ?」
「あった!僕はCブロック、シゲはDブロックだね」
「じゃあ、行くぞ」
イサムとシゲは自分のブロックまで歩いていく。
「全ブロックの参加者が全員揃いましたので、トーナメントを開始します」
イサムは他の対戦を見て、いろいろな考察をしていた。
そして、ようやくイサムの番になった。
「両者準備が整いましたので戦闘を開始します。クラ選手対イサム選手始め!」
イサムは相手より先に動き出す。クラはまだ動きださないようだ。
クラは大剣を持っていたが防御タイプだとイサムは推測し蹴りを決める。
《スキルダメージカウンター発動》
クラは一瞬で背後へ迫り、大剣でぶった切る。
このスキルは攻撃を与えられた相手の背後へと高速で移動し、ダメージを与えることができるスキルである。
くっ、トリッキータイプだったのか、防御タイプと読み違えてしまった。しかし、大剣はダメージ量も多いが扱いづらいことで有名なのに……などと考えていると、
《スキル偽りの大剣の効果が終了》
なんとクラの大剣が片手剣へと変化する。
「見て驚いたか?これがおいらの戦法だ」
このスキルは使えないスキルとして一時期ネタにされていた。大剣が扱いづらいのと同時に30秒間立たないと戻らないのだ。良くも悪くも30秒早くても遅くてもいけないのだ。
しかし、いま使ったコンボは先制を仕掛けてきた相手の攻撃を食らい、大剣で大きなダメージを与え、そのまま片手剣で押し切る戦法だったのだ。
相手の攻撃を食らい、イサムのHPが減ってきた。
「僕にもスキルがあるんだよ」
《スキル不屈なる心発動》
「おいらはトリッキータイプということを忘れたか?」
《スキルコピーアップ発動》
「このスキルは相手のステータスの上昇した分の半分だけ上がるスキルなんだよ〜
うお、力が湧き出てくるよ、使うのは初めてだなこれ」
クラは普通から見るとおかしいスキルを使いこなしている。
《コピーアップ》は登場前は話題にはなったもののこのゲームでのの上昇率は低いので、すぐに弱いとされていた……
しかし、イサムはアルティメットキャラ、それだけでは勝てないのだ。
イサムはプランダラー戦で初勝利をおさめた事による覚醒が出来たのだ。
以前までのイサムなら、今頃はクラが勝利しているが、スキル獲得と覚醒により差が開いてしまったのだ。
また、イサムは勝利にも貪欲になっていた。
イサムはこのゲームで勝つ喜び、スキル獲得、覚醒を行うことができたことにより、
このゲームに以前よりもはまってしまったのだ。
しかも、以前までとは違う勝利への追求までもが加わってしまったのだ。
「そんなものでは僕は倒せない!」
《スキル勝利への追求獲得しました。発動しますか? はい\いいえ》
スキル《勝利への追求》、これは今のイサムを表しているといっても過言ではない。なぜイサムが獲得できたか、それは勝てなかった日々を送ってきた。それだけでよかった。
さらに、このスキルの効果は勝利へのヒントを一つ使用者に与える効果である。
状況によって違うが、それが勝利に貢献していることは言うまでもない。
このスキルをイサムはもちろんはいを選んだ。
《もっと勝利に貪欲になれ そうすれば、勝利へ近くなる》
イサムは今まで思い出す。何回やっても勝てなかった今までを。
そして、今の勝つことができる環境を!
イサムは勝利を欲した。貪欲に。
相手のクラからすると体勢を立て直すだけの時間だったが、今のイサムに勝利を欲するなどその程度の時間で十分だった。
しかし、その貪欲さが決して呼び出してはいけない禁忌を呼び出してしまった。
《スキル究極神を獲得しました》
このスキルは運営ですら、把握していないバグから生まれたスキル、このスキルは使い用で、邪悪にも正義にもなれる。それでも、スキル運営が把握してようがしてまいが、公式戦には出ることが可能だが、強大な力を持っている。
「けけけぇ!」
クラはスキル《究極神》を見て震え上がった。
本能的にこいつには勝てるはずがないと察するには発動しなくても十二分にあった。
「ひぃー降参、降参しますぅ〜」
そうして、コロシアム1回戦が幕を閉じた。
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