転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0964話
「……予想外というか、予想以上というか。この場合はどっちなんだろうな」
上がってきた報告書を眺めながら、思わず呟く。
エルベ藩王国の地下資源の類を調査したところ、石油や鉄鉱石を始めとした各種鉱石の他にも多種多様な資源が存在していた。
まぁ、レアアースやレアメタルの類はこの世界だと使い道もないんだから、今まで見向きもされなかったんだろうが。
ともあれ、量産型Wによって得られたこれらのデータはこちらの予想以上でもあった。
まぁ、ぶっちゃけ共通してどこの世界にも存在している資源の類ならキブツで作れるんだが、それでもないよりはあった方がいい。
今は全く問題がないし、技術班がいるからにはその辺の心配もいらないんだろうが、それでも形ある物はいつか壊れるというのは真理だ。
その時の為に、備蓄しておく物資は多い方がいい。
技術班の持っている技術力を考えれば、そのうちキブツが壊れたらあっさりと修理……どころかパワーアップとかしそうだが。
それはともかく、確かにこれだけの資源がエルベ藩王国にあるのなら、エザリアがあそこまで強気だった理由も分かる。
……資源の調査をしたのは交渉をすると決めてからの筈だったんだがな。
恐らくは前もってある程度の調査はしておいたんだろう。
「で、こっちは帝国との戦いに派遣する戦力か」
派遣するのは各国に対してメギロート2機。
これだけだと少なすぎると思ったんだが、帝国軍の実力を考えれば戦力は足りないどころか寧ろ多すぎるんだよな。
特に帝国軍は現在非常に多忙だ。
周辺国家の多くが帝国に対して反旗を翻しているので、ただでさえ戦力の目減りしている帝国軍を更に小分けにして各戦場に投入しなければいけない。
戦力の逐次投入というのは色々な意味で不味いんだが、そもそも帝国軍の数の問題でそうせざるを得ない訳だ。
……それならいっそある程度の土地は手放して戦線を整理すればいいと思うんだが、それをやる様子は今のところない。
そして何より、帝国に現在の状況をもたらした俺達シャドウミラーに対して戦力を張り付けておく必要がある。
しかも俺達シャドウミラーに対して少数の戦力を付けておいても、いざ戦いになればそれは全く意味がない。結果、ある程度纏まった数の戦力を張り付ける必要があり、それがまた帝国軍の戦力不足を招く。
色々な意味で帝国軍の自業自得ではあるが、それでもここまで手も足も出ない状況になると哀れみしか感じられないな。
もっとも、だからといって俺達が手加減するつもりは一切ないが。
ホワイトスターに対する襲撃から始まり、終いにはあの地震の夜の出来事だ。シャドウミラーに対してここまでふざけた態度をとった勢力も珍しい。
ブルーコスモスだって、帝国に比べればまだマシだと言える。
まぁ、奴隷云々に関してはエルベ藩王国に譲渡された帝国軍の捕虜がどのような扱いになるのかは分からない。だが、今まで自分達が行ってきた行為がそのまま返ってくるだけだと考えれば、特に何かを思う事もない。
……そういう意味では、魔法を研究するという名目でホワイトスターに残される数名の方がまだマシなのかもしれないな。
「っと、考えが逸れた。戦力に関してだったな」
呟き、改めて資料に目を通す。
とはいっても、メギロートを派遣した時点で反乱を起こしている国々が勝利を掴むのは既に決まっている。そうなると、次に必要なのはどれだけ早く帝国という国を平定するかになるが……やっぱりここは俺達も攻勢に出た方がいいか。
下手にこっちを警戒している戦力が残ったままだと、追い詰められれば反乱を起こした国に向けられるかもしれないしな。
そう判断すると、早速実働班の隊長でもあるコーネリアへと通信を入れる。
30秒程が経ち、やがて映像モニタにコーネリアの姿が映し出された。
軽く汗を掻いているところをみると、恐らく実働班の訓練中だったのだろう。
『アクセル、こんな時間にどうかしたのか?』
その言葉に、汗を浮かべている艶っぽいコーネリアに見入っていた自分に気が付き、我に返り口を開く。
「っと、悪い。門世界の件だ。反乱を起こした国にこちらから援軍を送って、一気に帝国の内乱を終了させるって話はこの前したと思うが……」
『ふむ、確かに聞いたな。それで?』
「各国にメギロート2機程度を送ろうと思っているんだが、どう思う?」
『……1つの戦場、あるいは2つの戦場であればそれで十分だろう。だが、一応国からの独立戦争なのであろう? で、あるならば幾つもの戦場が……いや、帝国軍にしてもそこまで手は回らないか』
「ああ。何しろ複数の国家が同時に帝国に対して反乱……独立戦争を仕掛けているからな。ただでさえ戦力の減っている今の帝国が、1つの国に対して複数の戦場を用意出来るとはとても思えない」
実際、そういう意味では2つの戦場に対応して2機のメギロートを用意しているという意味でも過剰な戦力と言えるんだよな。
……まぁ、念には念を入れるのは当然だが。
一応……本当に一応ではあるが、帝国軍にいる竜騎兵辺りが出てくればメギロートを倒せる可能性が皆無……という訳ではない。
もっとも、それにはバードストライク的な攻撃が必要になりそうだが。しかも数十騎程纏めて。
それだけの被害を受けてメギロート1機を倒したとしても、シャドウミラーにとっては殆ど被害がない。1時間も掛からず、すぐにメギロートを派遣する事は難しく無いのだから。
影のゲートを使ってもいいのなら、それこそ10分も掛からないだろう。
『では、アクセルの意見通りで特に問題はないと思うが? 寧ろ無人機のメギロートだけを派遣するとなると、こちらが暇になりそうだ』
「……それは否定出来ない事実だろうな。だがエルベ藩王国を始めとした国々に対してこちらから戦力を送り過ぎると、それはそれで不味いことになる。……それに、本格的な攻勢をするという意味で、俺達の動きを警戒している帝国軍には滅んで貰うつもりだ。その時には実働班にも出張って貰う事になると思う」
唯一の心配事は、オーブ軍がどう出るか。
未だにオーブの中で帝国に対する風当たりは強い。……自国の人間が性奴隷にされていたのを考えれば当然だろうが。
これに関してはどこぞの国のように捏造って訳じゃなくて事実だしな。
それだけに、帝国軍に対して攻撃を仕掛けるとなればオーブ軍が自分達にやらせて欲しいと言ってきても全くおかしくはないのだ。
勿論異世界間連合軍を纏め上げているシャドウミラーとしてはそれを拒否する事も出来る。出来るが……オーブとの間の関係を拗らせてまで俺達が帝国軍を攻撃したいかと言えば、答えは否だ。
それをコーネリアの方でも察したのだろう、小さく溜息を吐いてから口を開く。
『オーブ軍、か』
「ああ。まぁ、どうしても戦いたいというのなら、それこそマブラヴ世界に行ってBETAの間引きとか、オーストラリアや日本軍を相手に模擬戦をやるとかもあるが。……どうする?」
『模擬戦……いや、やはり模擬戦はあくまでも模擬戦でしかない。実戦をこなしてこそ力は身につく。それを思えば、BETA相手であっても実戦の方がいいだろう』
「まぁ、近いうちにまたハイヴ攻略作戦があるという動きは掴んでいるんだけどな」
ついこの前フランスのリヨンハイヴを攻略したばかりだが、だからこそ波に乗っている今のうちにより多くのハイヴを攻略しておきたいと思っているのだろう。
候補として最有力なのはフェイズ3のウランバートルハイヴか。中国を保護国とした日本としては、中国近くにあるハイヴを少しでも減らしておきたいだろうし。
恐らくそれらのハイヴを攻略する時はリヨンハイヴと同じような形式をとるのだろう。
最初にマブラヴ世界の住人だけでハイヴに挑み、それで行けるのなら自分達だけでハイヴ攻略。もしも無理なようなら、俺達に援軍を頼むという形で。
……リヨンハイヴみたいにフェイズ5ならともかく、フェイズ3辺りのハイヴなら普通に攻略してしまいそうなんだよな。
ハイヴ内ではまだまだBETAが物量戦で有利だが、地上での戦いになれば既にリニアガン・タンクとガン・ルゥの数と性能でBETAは敵じゃないし。
後は、ハイヴ内のBETAが尽きるまで地上で倒しまくって、それでBETAの戦力が尽きたら内部に戦術機部隊を突入させればいい。
さすがにハイヴの内部に一切BETAがいないって事はないと思うが、それでも数は大きく減っている筈だ。
……正直、フェイズ3とかだとアトリエがない以上はG元素の入手も期待出来ないし、シャドウミラーとしても協力する旨味が殆どない。
なので、その辺は出来ればマブラヴ世界の住人の戦力でどうにかして貰いたいと思う。
そんな話をコーネリアとし、20分程して通信を切り、改めて自分の仕事に戻るのだった。
「……戦力的には互角、だな」
「ええ、そうね。まぁ、帝国は周辺全てに戦力を出してるんだから、しょうがないんでしょうけど」
俺の呟きに言葉を返したのは、このシロガネの艦長でもあるマリューだ。
現在シロガネのブリッジにはシャドウミラーの幹部陣の中でもある程度余裕のある者達が集まっている。
何をしているのかと言えば話は簡単。エルベ藩王国と帝国軍の戦いを見物しに来たのだ。
正確には、メギロートがどんな風に働くのかを確認するのを見学しに来たというのが正しいと思うが。
何故シロガネかといえば、純粋に居住スペースと機能の問題だ。
こうして見学している以上、当然シロガネの姿は戦場からそれ程遠くない位置に存在している。つまり、シロガネ程の巨体であれば帝国軍に見つかりやすいのだ。……普通であれば、だが。
しかし、今のシロガネはミラージュコロイドを使っている為に、遠くからでは判別しにくい。
……ファンタジー世界なだけに、ミラージュコロイドの違和感に気が付くような存在がいないとも限らないが。
「うわぁ……ダークエルフの時にも思ったけどぉ、空飛ぶ船とか凄すぎるわぁ……」
「そうですね。父様も来れば良かったのに」
「此の身としても、まさか再び空の上に存在するとは思えなかったぞ」
「……興味深い」
ロゥリィ、テュカ、ヤオ、レレイの4人がそれぞれに歓声を上げる。
もっとも、レレイ辺りは歓声というよりも純粋に好奇心からの声のようにも見えるが。
ともあれ、シロガネの窓から外の様子を眺めている4人はそのまま放っておいた方がいいだろうと判断し、改めて視線を映像モニタの方へと移す。
そこでは、敵味方合わせて数千人規模の戦いが行われていた。
突き進むオークやゴブリンと、その援護として放たれる無数の矢。
……所詮オークやゴブリンは捨て駒という扱いだからだろう。味方の放った矢に殺される個体も結構な数存在している。
また、オークやゴブリンの背後からは槍兵が後に続き、その背後には騎士。
そして上空には両軍合わせて50騎程度だが、竜騎兵の姿もある。
こうして見る限りでは、五分五分といったところか。
だが……
「量産型Wからの援護が始まったみたい」
メギロートに指示を出すという意味もある量産型Wだが、当然以前から狙撃で援護をしていたのと同じ真似も出来る。いや、寧ろ今回は量産型Wがきちんと味方に存在していると知っているだけに、狙撃もやりやすいだろう。
そもそも、量産型Wは純粋に兵士としての能力だけで考えれば超が付く一級品の性能を持つ。
それだけに狙撃を外す事もなく、次々と帝国軍の指揮官が頭部を撃たれて落馬していく。
当然指揮官が死んでしまえば部下帝国軍は混乱する。
そんな中でも、オークやゴブリンが混乱している様子を見せないのは、操っている奴がまだ生きているからだろう。
この操っている奴を倒せれば戦局が一気に傾くんだろうが、さすがに帝国軍でもそれは理解しているのか上手く隠れているらしい。
……まぁ、指揮官が次々に死んでいくのを経験していれば、危険を察知するのは当然か。
寧ろ、そういう意味では何で撃たれている指揮官はそのままなんだろうな?
やっぱり指揮官が怯えていると士気に関わるからか?
そんな風に思っていると……
「来たわよ、アクセル」
技術関係の話でコーネリアと話していたレモンにそう声を掛けられる。
同時に、シロガネの映像モニタに映し出されるのは2機のメギロートの姿。
戦場に到着するや否や、1機はオークとゴブリンに向かってサークル・レーザーを放ち、次々に消滅させていく。
もう1機の方は、そのまま上空を飛びながら竜騎兵へ体当たりしながら突っ込む。
それだけで、弾かれたように吹き飛ぶ竜騎兵。
次の瞬間には地上にある帝国軍の本陣へとサークル・レーザーを放ち……あっさりと帝国軍の軍師、あるいは参謀と呼ばれていた者達は消滅した。
その後は混乱している帝国軍にエルベ藩王国軍が襲い掛かり……結果的には圧勝と呼べる戦いとなるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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