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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
  0963話

 ダークエルフの引っ越しが終わってから数日。試験的にホワイトスターの中で暮らし始めたハイエルフやダークエルフも、今のところは特に身体に異変は起きていないらしい。
 ホワイトスター内にあるのは人工的な自然なので、多少不安要素はあったが……一安心といったところか。
 もっとも、これは短期的なものでしかないので、長期的に見て何らかの異変が生じる可能性は否定しきれない。
 いずれは自然の中だけではなく、居住区画の方にも住んで貰いたいとは思っているが。

「……で、エルベ藩王国と交渉したいって?」
『ええ。向こうとは色々と友好的な関係を築いているし、今回のダークエルフの件もあるでしょ? そのついでにいらない無駄飯食らいは押しつけたらどうかと思うんだけど』

 無駄飯食らい。それが何を意味しているのかは明白だった。
 ホワイトスターに攻めて来た帝国軍、あるいはその後、アルヌスの丘の門付近を占拠していた帝国軍の捕虜だ。
 確かに捕虜になった当初は、門世界の情報を聞き出すので色々と役に立ったのは事実だ。俺達が現在使っている翻訳機にしても、あの時の尋問で言語データを集めて作られたのだから。
 だが、それ以降……必要な情報を得てからは特に何をするでもなく、食っちゃ寝をしている程度だ。
 一応運動不足にならないように量産型Wの監視の下、隔離区画の中だけではあるが、ある程度動き回らせたりもしている。
 当初は貴族と思われる者達が身分を笠に色々と高圧的な態度を取っていたが、量産型Wにそんな話が通じる筈もなく、見せしめとして数人の手足が折られた時点で抵抗する者は殆どいなくなった。
 ……貴族だけあって口だけは達者だけど、直接的な暴力には滅法弱いんだよな。
 一応軍隊に所属していた筈なんだが。
 それからも何度か騒動は起こったが、その度に量産型Wが鎮圧しては向こうが文字通りの意味で痛い目に遭っていくうちに、やがて向こうも諦めたのか最近は大人しくなっている。

「……なるほど。確かに俺達があいつ等を捕虜にしていても、無駄に経費が掛かるだけか」

 帝国との交渉に関しては、白紙に戻った状態だ。
 向こうとしてはやり直したいのだろうが、面子的な問題もあってこっちには接触してきていない。
 いやまぁ、次期皇帝の第1皇子の手足をもぎ取り、皇帝にすらも怪我を負わせたんだ。その状態で再び交渉して下さいとは言ってこれる訳がない。
 あるいは単純にこっちに対する恐怖心を植え付けすぎたか。
 特に帝都の皇宮周辺は半ば瓦礫の山に近い状態になっているのを思えば、意外とそっちの答えが正解かもしれないな。

「帝国に人質を返す時には相応の代価を貰う予定だったと思うが、エルベ藩王国からはどうするつもりだ?」
『資源が豊富な事で有名なエルベ藩王国ですもの。そっちで支払って貰う予定よ。それに石油の類もあるって話だし』
「……石油? 今更そんなのを貰ってどうする?」

 現在のシャドウミラーで石油を使うような機械は存在しない。そもそも、ホワイトスターという閉じられた場所なんだから、幾らある程度の環境汚染には対処出来るとしても、空気を汚す石油というのは使いたいとは思わない。
 いやまぁ、それを言うならそもそもホワイトスター内で模擬戦とかやるなって話ではあるんだが……

『別に私達が使うとは言ってないわ。マブラヴ世界の方に輸出しようと思って。ほら、一応マブラヴ世界の方では戦術機自体はバッテリーだけど、石油の類はまだまだ現役でしょ? 中東連合とかアフリカ連合とかではまだ何とか石油の掘削が続いているけど、いつ何が起きるか分からない。なら、少しでも向こうに渡しておこうと思って』

 なるほど。確かにマブラヴ世界では普通に石油が現役だ。そういう意味ではバッテリー重視のSEED世界、サクラダイト重視のギアス世界、核タービンエンジンとその他諸々が使われているマクロス世界とは違うか。
 唯一ネギま世界は石油を多く使っているが、マブラヴ世界程に切羽詰まっている訳じゃないしな。
 というか、いざとなったら魔法界に存在している精霊エンジン? とかいうのを使う事も可能だろう。

「勿論無料で譲渡する訳じゃないんだろ?」
『それは当然よ。色々と向こうには恩を売っておく必要があるでしょう? 特にアメリカとは、これからもハイヴを攻略する度にG元素の件で話さないといけないし。こっちの技術を与えても恩を売れると思うけど、石油を渡すのなら私達の腹は全く痛まないし』

 色々と考えているのは分かるが……いや、これ以上は言うまい。実際、エザリアがシャドウミラーの件を思ってこの提案をしてくれたのは事実なのだから。

「……分かった。その件については俺は賛成でいい。けど、他の世界は?」
『根回し済みよ』

 あっさりと告げてくるエザリアの言葉に、多少驚く。

「よくそんなにあっさりと納得したな」
『内心では色々と思うところがあるのかもしれないけど、そもそもホワイトスターが帝国軍に攻められた時、実際に戦ったのはアクセルや実働班の人達でしょ? なら自分達が口を出すつもりはないって話ね。もっとも、帝国に有利な話になるとすれば、ウズミ代表も我慢は出来なかったでしょうけど』

 だろうな。
 現在、オーブの中では帝国に対しての怒りが蔓延している。
 自国の人間が侵略者に連れ攫われて、しかも性奴隷状態だったんだから無理もない。
 一時期はアークエンジェルを含めたオーブ軍全軍を門世界に派遣するという意見もあったのだが、ウズミが帝都の皇宮やその周辺を爆撃によって瓦礫の山にした事で多少は気が済んだのか、熱狂的とすら表現出来る程の怒りは収まった。
 だが、それはあくまでも熱狂的な怒りがなくなっただけであり、決して怒りそのものがなくなった訳ではない。
 何か切っ掛けがあればまたその怒りは再燃するだろうし、そうなれば今度こそ帝国そのものを滅ぼすまで怒りが収まる事はないだろう。

「まぁ、話は分かった。シャドウミラーとして問題が無いのなら、話は進めても構わないだろう。ただし、全員とはいかないぞ」
『あら? もしかしてご執心の相手でもいるのかしら? だとすればレモン辺りに知らせないといけないんだけど』

 からかうような言葉に、思わず溜息を吐く。

「そんな訳がないだろ。技術班が捕虜の中で魔法を使える奴を調べているのを忘れたのか? その為に魔法を使える捕虜はある程度残しておきたい」
『ああ、そう言えば。……そうね、分かったわ。その辺に関してはレモンの方に話を持って行った方がいいわね』
「そうしてくれ。迂闊に研究中の捕虜をエルベ藩王国に譲渡して、その結果レモンが怒ったりしたら洒落にもならないからな」

 なまじ美人なだけに、その本気で怒った顔はちょっと怖すぎる。
 あの状態のレモンに立ち向かえというのなら、それこそ古代龍を生身で相手にした方が楽に勝てる分、格段にマシだろう。

『そ、そうね。その辺に関しては……あら? ちょっと待って』

 言葉の途中で途切れる言葉。
 その瞬間、俺の方にも通信が入る。
 恐らく同じ内容なんだろうが、数秒とはいっても俺の方が遅いってどうよ。
 そんな風に考えつつ、エザリアとの通信をそのままに通信を開く。

『アクセル隊長、アルヌスの丘で地震を観測しました』
「……また、か?」

 量産型Wの言葉に思わず呟く。
 帝国との停戦交渉に向かった時にもそうだったが、ここ最近妙に地震が多いな。
 あの時の様子を考えると、この辺で地震というのは今まで殆どなかった筈なんだが。
 あるいはあの時の地震の揺り戻し、いわゆる余震って奴か?
 確かにあれだけ大きな地震だった以上、余震の類があったとしてもおかしくはない。それは事実だ。……妙な事の前兆じゃなきゃいいんだが。
 ……まさかBETAの母艦級が門世界の地下でハイヴでも作っているとか言わないだろうな?
 微妙に嫌な予感を覚えつつ、画面に映し出されている量産型Wに向かって口を開く。

「周辺の監視を厳にしろ。ああ、それと一応念の為に帝都を偵察しているメギロートから向こうの情報を仕入れるのを忘れるな。それで何か異変があるようなら知らせろ」
『了解しました』

 取りあえずはこれでよし。

『そっちでも聞いたわね?』
「ああ。一先ず周辺の情報収集をさせる事にした。そっちでは何か掴んでいるか?」
『いえ、今のところは特に何も。ただ、普段は地震のない地域だけにちょっと気になるわね』

 エザリアも俺と同様にその辺を気にしていたらしい。
 まぁ、その辺はちょっと目端の利く奴なら当然か。

「地震に関しては、今俺達がどうこうしても何か出来る訳じゃない。それより交渉の件だ。エルベ藩王国だけに任せる形になると、俺達の予定通りに進んだ場合、帝国と取って代わるだけにならないか?」

 現状でもエルベ藩王国は、反乱を起こしている従属国の中でも最大級の戦力を持っている。
 その辺に関しては、やはり資源の多さが理由だろう。
 それ故に、エザリアの提案通りにエルベ藩王国に捕虜の殆どを渡してしまえば、その力が強くなり過ぎる気がする。
 もっと文明が進んだ状態でなら、友好的な国が一国でその世界を支配するというのはかなり便利だろう。ギアス世界の陽光、SEED世界のオーブのように。
 だが、この門世界の文明では一国の力が強くなりすぎると色々と我慢が利かなくなる。
 その辺は今の帝国の姿が全てを現しているといってもいい。
 つまり、エルベ藩王国にしてもそうなる可能性が高い訳だ。 
 それを避ける為に多くの国の連合制というのを目指していたのに、もしそれが崩れるとなると……

『その辺に関しては一応手を打っておくわ。それに、幾らエルベ藩王国の人達が暴走しようとしても、私達がいる限りそうはならないでしょ?』
「俺達に頼り切りってのはどうかと思うが……まぁ、そっちで手を打ってくれているのなら、それでいいさ」

 元々政治に関してはエザリア達の領分だ。特にこの手の話だと、恐らくレオン辺りが最も得意としている交渉だろう。

『じゃあ、話を進めるわよ?』
「ああ、その辺に関して問題がないようなら全面的に任せる」

 それから数分程言葉を交わし、通信を切る。
 ……さて、帝国との停戦交渉を停止したままでエルベ藩王国を始めとした従属国との交渉に入ったとなると、事態が一気に動く可能性が高いな。
 そうなると、こっちとしても見てばかりという訳にはいかないだろう。向こうの動きに合わせてこっちも行動を起こす必要がある。
 ……さて、どうしたものか。
 正直な話、量産型Wを狙撃兵として戦場に派遣しているだけで十分過ぎる程の援助はしていると思うんだがな。
 何しろ戦場で唐突に敵の指揮官が死んでしまうのだから、戦っている相手としてはこれ以上ない程の大きな隙だろう。
 つまり、これ以上の肩入れが必要になるかと言われれば……微妙だな。
 特にメギロートを始めとして俺達の戦力と一発で分かる物は出す事が出来ないし。
 いや、ぶっちゃけ帝国との決裂が決定的になった今ならメギロートを派遣したとしても構わないんだが、戦後に帝国の残党辺りが色々と細かい事を言ってきそうだ……ん? 待て。確かに今まではそうだったが、これから……より正確には、きちんと宣言してからメギロートを派遣するというのはどうだ? 今から派遣するのであれば、大義名分もきちんと立つ。特に奴隷の件があったからには、異世界間連合軍からの支持は間違いなく得られるだろう。
 そうなれば、門世界の動きは更に加速する。
 正直、その動きが大き過ぎればこちらでも調整出来るかどうかは分からないが、それでもエルベ藩王国を中心とした連合国家が出来るのなら、その方がいい。
 元々俺達シャドウミラーとしては、この門世界に対して関わったのは半ば偶然によるものだ。
 門という存在がなければ、恐らく関わる事は一生無かっただろう。
 ……いや、時の指輪を身につけている者は時の流れの外にいるし、今技術班がG元素で研究している時の指輪の効果をホワイトスターに与えるというのが成功すれば望む者は不老の存在になれるのだから、それを思えばいつか門世界との交流が行われていたかもしれない。
 もっとも、その時は今回のように敵対していたとは限らないが。
 ともあれ、既に敵対した以上は何を言ってもしょうがない。帝国の最後、その時がもうすぐそこまで来ているのは事実だし、俺としても色々な意味であの帝国という国を残しておこうとは思わない。
 これまで俺達に対して行ってきた敵対行為。その報いを受けて貰うとしよう。
 俺達はシャドウミラー、その力と技術力によって幾つもの世界を纏め上げている存在なのだから。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167 
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