現れた冥王の宿敵
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第2話 実力
前書き
なんだかんだあって、登録遅れました。もうヤケクソでいきます。
以前の教訓で、更新しながらいきます。
諸葉達のクラス、騒然としていた。転校生は、前世の諸葉(冥王シュウ・サウラ)を討ち取った人物。しかも当の本人、黒い笑みを浮かべている。騒然となるのも無理もあるまい。
ーーーー
そんな時、この騒然とした空気に終止符をつける者が現れた。
サツキ『はぁ〜〜⁉︎』
諸葉の(自称)妹、嵐城 サツキであった。
サツキ『ちょっと‼︎あんたどう言う事なの⁉︎』
サツキは、一木の襟元を掴もう正面から突っかかる。しかし、一木はそれをヒョイとかわした。
これが何回か続き、サツキはついに息を切らした。
サツキ『あんた、何かわしてんのよ⁉︎』
一木『かわしちゃだめって法律なんかないでしょ。』
一木の言っている事は、あながち間違いではない。第一として、そんな法律がある筈がない。(前回言ってなかったと思いますが、一木の声は女性のような声をしています。誰かに例えるなら、“しょこたん”こと中川 翔子辺り。)
静乃『一木さん、私も聞きたいのだけど、よろしいかしら?』
レーシャ『私も、妹として詳しく聞きたい。』
サツキ『ってレーシャ‼︎諸葉の妹は私だって言っているでしょ⁉︎』
一木『妹?』
静乃とレーシャも出て来た。特にレーシャ、妹を強調している。それにサツキが突っかかる。一方、一木は妹と言う単語に食い付いた。
一木『灰村 諸葉に妹なんていたかなぁ?そういえば、冥府の魔女がいた事は、前世の夢で見たね。そこの人そっくりな……』
静乃『あら、私のことかしら?』
サツキ『なんですって⁉︎』
一木は、諸葉(冥王シュウ・サウラ)に妹がいたかと思った。無論、諸葉(冥王シュウ・サウラ)に妹などいない。サツキとレーシャの場合はあくまで自称と言ったらいいだろう。
一木が静乃を見ながら言った一木の言葉にサツキが即座に反応する。
サツキ『兄様‼︎一体どう言う事か説明してよ‼︎』
諸葉『何で俺が……』
サツキ、今度は諸葉にふった。当の諸葉は困惑している。
レーシャ『兄、どういう事か説明してもらおうか。』
サツキ『だから‼︎諸葉の妹は私だって言ってるでしょ‼︎』
レーシャも突っかかって来た。レーシャが言った兄という言葉に反応してサツキが突っ込んだ。
静乃『ねぇ諸葉、あの2人はほっといて、後で私と……♡』
諸葉『えっ?』
サツキ『漆原‼︎』
サツキとレーシャを差し置いて、静乃が色っぽく迫った。静乃のセリフに諸葉は動揺し、サツキが静乃に怒鳴った。
一木はというと…、
一木『……。』
沈黙している。他の生徒達もだ。その後も、田中先生に止められるまで、サツキ,静乃,レーシャの3人によるいがみ合いは続くのであった。やはり、女難の相の持ち主の諸葉である。
そんなこんながありながらも、HRは無事終了。
1時限目の授業も無事終了。
ーーーーーーーーーー
放課。一木の席には、女子生徒が群がっていた。
一木の席は、右から3番目,前から3番目の位置にある。
『ねぇ、一木君って彼女いるの?』
『いないんだったら、私と付き合ってよ♪』
『ちょっと‼︎、抜け駆け禁止‼︎』
『これから仲良くしようね♪』
『前世の話とか聞かせて‼︎』
一木は、女子達から質問攻めにあっていた。
一木『…………。』
この時、一木は不愉快そうな表情をして沈黙している。
理由は今の状況もそうなのだが、もとより、同性(男子)の友達がいないこともその1つである。同僚や部下にならいるのだが、友達に関しては皆無に等しい。
一木『(本当は男子と話したかったなぁ……。)』
一木は、心でそう呟いた。
この時、(諸葉を除いた)クラスメイトの男子達はというと…、
『『『『『……。』』』』』
一木と距離をとって固まっている。
実は彼等、1時限目の授業が終わったと同時に一木の席に近づいた。
目的は一木とおしゃべりする為だ。
しかし、直前に女子達に阻まれ、さらに女子達から…、
『私達は一木君とお話したいの‼︎』,『だから邪魔しないで‼︎』,『今後一木君に近づくな‼︎』
という感じで圧倒され、仕方なく引き下がったのだ。
ーーーー
一方、諸葉はというと…、
サツキ『兄様を倒した分際で、何であんなに人気なのよ彼奴‼︎』
諸葉『いや、分際は酷いだろ。』
静乃『諸葉、あんな人に塩なんか送っちゃダメよ。』
レーシャ『そうだ。それに、ライバルが増えるよりはましだ。』
お馴染みの3人美少女 サツキ,静乃,レーシャと一緒に話している。サツキの言葉に、諸葉はどうかと言ったが、静乃とレーシャは、サツキに同意する感じでいる。特にレーシャの言っていることが、1番妥当であろう。
ーーーーーーーーーー
2,3,4限目の授業、担当教師からの出題にみんなが苦戦する中、一木は淡々と正解しみんなを驚かせた。
一木曰く『生きる為の術』らしい。
この時のサツキの目は、暗殺者のような目をしていたとか…、
ーーーーーーーーーー
午前中の授業が終わって、昼放課…、
学食では、一木が憂鬱そうな顔をして食事を摂っている。何故かというと、女子達が一木の隣を巡って睨み合っているからだ。そこに2,3年生も加わり、激しい争奪戦が展開された。
その時、1人の女子が何かに気づいた。
『あれ、一木君は?』
その言葉にみんなは一木が座っていた席を見ると、そこに一木はいなかった。実は一木、争奪戦が始まったと同時に廉貞を使ってその場を離脱したのだ。
『『『『『あ〜あ……。』』』』』
これに女子達はがっかりとした表情をした。
この時、一木は他の男子生徒達と一緒におしゃべりをしていた。この時の一木は、少々満足げな顔をしていた。
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午後の授業、武道館。
モモ先輩,カミー先輩のクラスと合同での授業(いや、実習と言ったらいいのだろうか?。)だ。
田中先生『では、1年と2年による合同授を行う。今回はいい機会だから、一木君の実力を見せてもらおうと思う。いいかな?』
一木『構いませんが……。』
田中先生からの要望に、一木はOKを出す。
田中先生『じゃあ、一木君と手合わせしたい生徒は?』
?『その相手、俺が引き受けるぜ‼︎』
『『『『『⁉︎』』』』』
田中先生の要望に誰かが名乗り出た。田中先生と一木が声のする方を向くと…、
厳『……。』
そこにいたのは、実戦部隊隊長 石動 迅の弟、石動 厳だった。
ーーーー
厳『前世で諸葉を討ち取った実力を持つ奴だったら、その実力を見せてもらわなきゃな‼︎』
一木『いいだろう。だが覚悟はできてるかな?』
厳『それはコッチのセリフだ‼︎日頃の特訓の成果を見せてやるぜ‼︎』
一木『よかろう、泣いても知らんぞ。』
一木の手合わせの相手は、厳に決まった。特に厳、特訓の成果を見せようと張り切っている。
ーーーーーーーーーー
そして、すぐ2人の準備が整った。
戦闘服は2人共同じだが、固有秘宝は厳がハルバート(槍斧)のような大型の斧で一木は2本の剣。しかし、一木の剣は何故か腰にある鞘に収められている為、断定は出来ないが、持ち手の形状から見て2本共日本刀に近い形状をした剣であろう。
厳『ほう、2本の剣か……まあいい、サッサとそいつを抜け‼︎』
一木『悪いがね。コッチは鼠1匹を仕留めるのに全力を出す程間抜けな獣じゃないのでね。それに、お前を倒すのに、わざわざコイツを抜く価値はないはない。』
厳『てっ、てめえ‼︎いいだろう、この俺を怒らせたことを一生後悔させてやる‼︎』
厳は命令するかのように一木に剣を抜けと言った。だが一木は、厳を倒すのにこれを抜く価値はないと言って蹴った。この言葉に厳は憤り、一木に突進した。
一木『所詮は井の中の蛙(かわず)か、いいだろう。世の広さを知るがいい。』
厳『はっ‼︎世の広さを知るのは、お前の方だ‼︎』
一木の言葉にさらに怒った厳は、一木目掛けて斧を振り下ろした。
だが次の瞬間…、
厳『何⁉︎』
諸葉『マジ⁉︎』
サツキ『嘘〜⁉︎』
『『『『『⁉︎』』』』』
厳と諸葉達に衝撃がはしった。厳が振り下ろした斧を、一木は右手の指1本で止めたのだ。
厳『ば、馬鹿な⁉︎』
あまりの出来事に、厳は驚きを隠せない。諸葉達もだ。
すると…、
一木『……。』
一木は空いている左手で拳を作り、その拳に通力を集中させ…、
≪バキッ‼︎≫
厳の顔面に正拳突きをブチかました。至近距離であったため、厳はかわすことが出来ずそのまま攻撃を喰らって後方に吹っ飛ばされた。
僅か十数秒の出来事であった。
あまりの出来事に、諸葉達は空いた口が塞がらなくなった。
一木は文字通り、鞘に収められた剣を抜かずに厳を倒したのだ。
ーーーーーーーーーー
『あれが、前世で諸葉を討ち取った一木の実力……。』
『厳が相手とはいえ、あの厳を瞬殺するなんて……。』
『強過ぎる。』
『でもカッコイイ♡』
これがこの場にいた男子・女子生徒4人の感想。特に最後の女子生徒の言葉からして、一木に惚れたようだ。
ーーーー
そんな中…、
亀吉『オイオイオイオイ!!!!このルーキー・ガール‼︎この俺を差し置いて目立とうなんて許さねぇぞ‼︎』
一木『私ガールじゃなくてボーイなんですけど……』
亀吉『うっせえ‼︎とにかく勝負しろ芝山‼︎』
一木『えぇ〜⁉︎私先輩みたいな弱い人と戦いたくな〜い。通力と魔力の無駄。というか何この人?全体的にキモ〜イ‼︎』
亀吉『が〜ん‼︎』
『『『『『ぷっ‼︎』』』』』
亀吉、厳を瞬殺した一木が気に入らなかったのか、勝負を持ち掛けた。しかし、一木に弱い人と戦いたくないと言われ、さらにキモイと言われ、亀吉はショックを受けた。
容姿と声が女性ソックリの男性がキモイという言葉を使ったら、ギャルっぽく見えてしまうのは気のせいだろうか?
それを聞いていた諸葉達はというと、笑いを零していた。
中には…、
『うわー、カミーだっせ〜‼︎』,『後輩に馬鹿にされるなんてみっともないぞカミー‼︎』
っと言う生徒もいた。
当の本人は…、
亀吉『うっせえ‼︎黙ってろ‼︎』
と言い返す他無かった。
ーーーー
田中先生『まあまあ、口論はそのくらいにして、芝山君。相手をしてあげなさい。』
一木『えぇ〜⁉︎』
田中先生『その代わり、本気を出してもいいから。』
一木『解りました♪』
亀吉『ちょっとナタT(田中先生)⁉︎』
亀吉の相手をするよう一木に言う田中先生。これに一木は反対の声を上げたが、本気を出してもいいとの条件を聞くや否やアッサリ承諾。
これに対し、亀吉は抗議したが…、
亀吉『まあいいだろう。実戦部隊隊員の実力を、その身に思い知らせてやろう‼︎』
開き直ったのか、やる気を出した。
ーーーーーーーーーー
という訳で、亀吉は魔力を纏って戦闘服に身を包んだ。
一方の一木は、厳との手合わせからずっと戦闘服を着用している。勿論固有秘宝の剣も鞘に収めたままだ。
亀吉『行くぜ‼︎綴る‼︎』
早速亀吉は指先に魔力を込めてスペリングを始め、炎の第三階梯闇術 火葬(インシネレート)が完成。火葬が一木に襲い掛かった。
≪ギラリ……ズバッ‼︎≫
亀吉『なっ⁉︎』
だがその直前、一木は剣を1本抜いて火葬を一刀両断。
剣の刀身は、日本刀そのものであった。
亀吉『芝山、今のを一刀両断するなんて反則だろ⁉︎』
一木『本気出してもいいって話だからいいじゃん。』
亀吉『ぐぅっ‼︎』
『『『『『……。』』』』』
一木のやり方に抗議した亀吉だが、一木にズバッと言い切り捨てられ、言い返す事が出来なくなった。
一方、諸葉達は呆然としていた。
≪カチン≫
一木は剣を鞘に収めると…、
一木『次は私の番ですね。綴る‼︎』
一木はスペリングを始めた。
ーーーー
輝け 白き閃光
煌めけ 純粋なる聖者の心
天よ 神よ
今こそ 大地にはびこる闇に清き裁定を与えよ
闇よ 我らが神聖なる光に
跡形も無く消え去るがいい
見よ 大地の民よ
これこそが 我らが神の意向である
ーーーー
スペリング終了。
この間の皆の反応を見てみましょう。
亀吉『何だと⁉︎』
サツキ『あり得ない‼︎光技と闇術の両方を使えるのは、兄様だけの筈なのに‼︎』
静乃『でも、あれは正真正銘闇術よ。』
レーシャ『だが、あの様な闇術は存在する筈が無い。』
諸葉『じゃあ、あの闇術は一体……。』
皆は驚きを隠せない。無理も無いだろう。第一として、上記のスペリングで発動出来る闇術は基本的存在しない。
その時…、
一木『ふっ。』
何やら黒い笑みを浮かべた一木、
サツキ『何よ、いきなり笑い出して……。』
一木『有るのだよ。特殊な産まれの前世を持つ者には、聖と邪の闇術を使うことがね。』
亀吉『聖と邪⁉︎というか、第八階梯闇術は流石に反則だろ‼︎…すいません、誤りますから、この通り‼︎(涙)』
恐れをなした亀吉は土下座して許しをこいたが、一木はスペリングを続けた。
ここまで。
ーーーー
スペリング終了後…、
一木『見せてあげましょう、これが私だけが使える闇術です。聖の第八階梯闇術 聖なる遮光(ホーリー レイン)‼︎』
闇術発動と同時に、大空が日の出の時の様に光り輝いたかと思った瞬間、その光の中から無数の閃光が姿を現し、亀吉目掛けて降り注いだ。亀吉は避けようとしたが、反応のタイミングが遅かったのか全弾命中。
亀吉『大NOOOOOOOOON!!!!!!』
これが亀吉が最後に言い放った言葉である。倒された亀吉は、ピクピクしながらその場に倒れ込んで気絶した。
忘れているかもしれないが、厳の方は一木に吹っ飛ばされて地面に倒れ込んだ後、顔を両手で抑えてのた打ち回っていた。
ーーーーーーーーーー
諸葉達はというと…、
『『『『『……。』』』』』
沈黙していた。
田中先生もだ。
サツキ『あいつ、光技どころか闇術も使えるんだ……』
最初に口を開いたのはサツキ。
レーシャ『あり得ない……。』
静乃『無理も無いでしょうね。第一、彼の実力はあの程度じゃないそうだし。』
諸葉『そうなのか?』
静乃『彼、禁呪を使えるそうよ……。』
『『『『『ええええぇ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!?』』』』』
静乃の口から放たれた“禁呪を使える”という言葉に、諸葉達は度肝を抜かされた。
中には衝撃のあまりに気を失った生徒も少なからずいた。
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光技だけでなく、一般的には存在しない筈の聖と邪の闇術どころか禁呪をも使える救世主(セイヴァー) 芝山 一木。彼の使う禁呪はどの様なものなのか?それはいずれ明らかにしよう。
後書き
次回、冥王シュウ・サウラを討ち取った一木の前世を紹介しましょう。
初めてオリジナル闇術載ましたがイマイチ何とも言えません。誰かアドバイスお願いします。
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