| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と二本尻尾の猫

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六幕その二

「世間だとね」
「交際してからが問題だっていうんだね」
「よく見聞きしているから」 
 そうした事態になってしまうことをです。
「だからね」
「それでなんだね」
「うん、お互いにいい人じゃないと」
「お互いが不幸になるから」
「ちゃんと確かめないとね」
 その上で橋渡し役をするというのです。
 そうしたお話をしながら彼のお家に向かうとです、住宅地の中に。
 洋風の少し洒落た感じのお家がありました、白い壁に黒い屋根です。そのお家の前に来て、なのでした。
 すぐにです、ポリネシアが先生に言いました。
「じゃあ今からね」
「僕達が見て来るね」
 トートーも言ってでした、そして。
 ホワイティもです、先生に言いました。
「僕は今回はね」
「お家の中にだね」
「うん、入り込んでね」
 鼠のその小さい身体を利用してです。
「お家の中を見て来るよ」
「それでどんな家庭環境かを」
「見て来るよ」
 実際にお家の中に入ってというのです。
「こうしたことはあまりよくないかも知れないけれど」
「プライバシーの侵害になるからね」
「うん、だから最低限のことしか見ないよ」
 ホワイティもそのことはわかっています。
「そうするから」
「わかったよ、それじゃあね」
「うん、言って来るよ」
 こうしてホワイティも動くのでした、それに。
 ポリネシアとトートーだけでなくです、チープサイドの家族も先生に言うのでした。
「じゃあ僕達も」
「行って来るわね」
「窓のところからね」
「お家を見て」
「お庭もそうしてね」
「彼のことを調べるよ」
「そうして来るね」
 こう家族皆で先生に言うのでした、そしてです。
 ポリネシア達と一緒に飛んで窓のところからお家を見ます、そしてホワイティはお家の中に潜入してでした。
 彼等もお家を見ます、そしてジップとガブガブはです。
 そのお鼻をくんくんとさせます、そうしてです。
 匂いからお家を調べてです、先生に言いました。
「匂いからはね」
「別に何も感じないよ」
「悪いものはね」
「何もないみたいだよ」
「麻薬とかそういうものはだね」
 先生はこれを気にしたのです。
「最近日本でも結構広まってるみたいだけれどね」
「物騒だね、麻薬なんて」
「あんなもの楽しむなんて」
 ジップとガブガブは先生のお言葉にこう返しました。
「ちょっとね」
「ああしたものを楽しむなんてね」
「何が楽しいのか」
「死ぬよ、あんなもの身体に使ったら」
 それこそというのです。
「危ないなんてものじゃないのに」
「どうして使うのか」
「それがわからないよ」
「全くだよ」
「僕も同感だよ、麻薬はやったらいけないよ」
 先生は悲しそうなお顔で述べました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧