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ウイングマン ウインドプラス編

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■5■ 闘いの行方

1.
戦闘が始まった。
まずはウイングマンがクロムレイバーで、ウインドプラスに斬りかかった。
しかし切りつけることはできなかった。
袋が変化したマントによってその攻撃は阻まれたのだ。
「なんだ、そのマントは!?」
ウインドプラスのマントには攻撃を避ける力があった。
健太の狙いに狂いはなかった。確実にウインドプラスに向けてクロムレイバーが振り下ろしたはずだった。
ウインドプラスもマントをかざす以外は避ける素振りすら見せなかった。
しかし、クロムレイバーは空を切った。
「お前がどんな攻撃をしてこようと、このマントがあればオレ様に触れることはできないのさ」
ウインドプラスの言葉に健太はは反発した。
「何を! だったらこれならどうだ?」
そう言って、ファイナルビームを放った。
しかし、この攻撃に対してもウインドプラスは効かなかった。
ファイナルビームの軌道は標的を避け、ウインドプラスにはかすり傷ひとつ与えることができなかった。
ファイナルビームが通り過ぎると今度はウインドプラスの反撃が始まった。
まずはマントを一振りした。
ブォン!
すると強風が巻き起こり、健太たちを襲った。
「きゃああああああああっ」
健太もアオイもとばされそうだ。
プラス怪人の繰り出す暴風の力に気を抜けば間違いなく飛ばされる。
しかし、なんとか踏みとどまることができた
それよりもこの攻撃に戦々恐々としたのは美紅と桃子だった。
敵がどうのという話ではない。
このまま風に飛ばされてしまえば、スカートの下が白日の下に晒されてしまう。
そして、そこには健太がいるのだ。
美紅と桃子は必死にスカートを押さえた。
飛ばされそうになっても、後づさりながらスカートを死守した。
アオイも踏ん張っていられず、徐々に後ずさっていく。
「美紅ちゃん、アオイさん、ピンクっ!」
後ろの3人が心配で振り返った。
必死に踏ん張っている3人を確認はできたが、健太も自分が踏ん張るだけで精一杯でそれ以上のことができない。
「ほお、なかなかやるな。もう一発だ」
ウインドプラスはマントをもう一振りすると、今吹く風にさらにプラスアルファされて、さらに強風が健太たちを襲った。
「うわっ¡」
ジャンプして避けるつもりだったがタイミングがずれて、健太は飛ばされてしまった。
アオイはジャンプして健太を避けることができたが、スカートに気を取られていた美紅、桃子は巻きぞいを食らって一緒に飛ばされてしまった。
健太は仰向けに大の字で倒れた。
美紅と桃子はその巻きぞいを食らって腹這いになって倒れてしまった。
2人は腹這いのまま健太の下敷きだ。
さらに健太を華麗に避けたはずのアオイも強風で着地に失敗してしまってウイングマンに抱きつく格好で倒れこんだ。
アオイの胸が丁度健太の顔面に乗っかるような状況だ。
「あ、アオイさん、苦しい……」
健太が立ち上がろうと手をつくと、そこはなんだか柔らかい。
ムニュ。
「きゃあああああっ¡?」
桃子が声を上げた。
健太の右手は桃子のお尻をつかんでいた。
「ご、ごめん」
そう謝ろうとしたが健太の顔はアオイの胸に埋もれていた。
「リーダーのエッチ……」
桃子は顔を真っ赤にした。
スカートの上とは言え、パンツも履いていないのだ。
健太に触られている感触が桃子には生々しく伝わってくるのだ。
「いや、わざとじゃなくて……」
健太が弁解しようとすると今度はアオイが声を上げた。
「きゃああああ、ちょ、ちょっと変な風に動かなしでよぉ~」
アオイも顔が真っ赤だ。
健太が顔を動かすことでアオイの胸が敏感に感じてしまった。
さらに――
「きゃああああああっ!!」
今度は美紅が声を上げた。
健太には心当たりはなかった。左手はゴツゴツした地面を押さえていたのだから。
美紅は自分のスカートがめくれてお尻があらわになっていることに気づいて、思わず声を上げてしまったのだ。
「お、オレ、何もしてないよ」
健太はそう弁明しようとした。
しかしそれに続いたのはアオイの悲鳴だった。
「きゃあああああっ! もう変な風に動かないでって言ったでしょ!」
健太はビンタを食らった。
「アオイさんがどいてくれないと……」
健太はアオイに叩かれた頬を押さえながらそう言った。別に好きで今の状況に甘んじているわけではなかった。
しかし、ウインドプラスの強風のせいで思うようには動けない。
「わかったわよ!」
ビンタこそしたが確かに健太の言う通りだとアオイも思っていた。
アオイ自身もウインドプラスの強風のせいで健太の上から移動できなかった。
「きゃっ!」
なんとか立ち上がろうとするが強風が邪魔をして立ち上がることができない。
「あ~ん、もうヤだぁ~」
動くたびに胸が健太の顔に当たって感じてしまう。
しかもこのタイミングでウイングマンの変身が解けてしまった。
ブーッ!!!
コスチュームがあるとは言え、直に健太の胸に顔を埋めていた健太は、思わず鼻血を出してしまった。
アオイは恥ずかしくてたまらない。
しかも鼻血が直接アオイの体に降りかかった。
反射的に健太の上から離れ、思わず手を出してしまった。
「バカっ!」
アオイの強烈なビンタが健太の頬を直撃し、思いっきり吹っ飛ばしてしまった。
健太とアオイがもめている間に、美紅はとりあえず自力でなんとかスカートを戻すことができた。
健太とアオイが美紅のノーパンに気づくことはなかったようだ。
ほっとはしたが美紅の顔は真っ赤だった。



2.
団子状態から脱した健太は、強風を逃れるために咄嗟にビルの陰に隠れた。
すると、そこには久美子がいた。
「布沢さん!? どうしてここに?」
嵐のような暴風に巻き込まれまいとビルの陰に避難していたのだった。
久美子にしてもいきなり変身していたはずの健太が、人の姿で逃げてきたのは、ただただ驚きだった。
「いや、こんな強風じゃ何にもできないから隠れてただけなんですけど……」
しかし、避難してからは戦いの様子は確認していなかったので状況のわからない。
ただ、健太がここに逃げてきたということは怪人に攻め込まれているということだ。
「ところで、広野君は戦わないの?」
とりあえず、現状を確認しようと思ったのだ。
しかし健太は自分で話を振ったくせに久美子の話をまったく聞いていなかった。
久美子のことよりも今はウインドプラスを気にしなければならない。
ビル影から顔を少し出して敵の様子をのぞき見た。
美紅と桃子はまだ倒れたまだだった。
スカートを必死に押さえていて、思うように動けなかったのだ。
アオイはなんとか立ち上がってはいたが、踏ん張るだけで精一杯だ。


「ちょ、ちょっと広野君、なんで無視すんのよ!」
久美子はツッコミを入れた。
しかし、健太は久美子の方は見ない。
「今は布沢さんのことよりあの怪人をどうにかしないと……」
それはもっともな話だった。
久美子も納得して黙った。

「女だけ残して野郎はいなくなってくれるなんて、オレのことをわかってるなあ」
ウインドプラスは満足そうに高らかに笑った。
「くっそー」
強風に耐えながらアオイは悔しがった。
しかし、打つ手がまったく浮かばない。
美紅も桃子もスカートを押さえるのに必死で攻撃なんてできるはずもなかった。
「なんだ、お前たちは何もできないのか?」
ウインドプラスはアオイたち3人を見てニヤリと不敵な笑みを見せた。
まるで大好物の食事を目の前に、何から食べようか考えている子供のような顔だ。
「ケン坊、なんとかしてよぉ~っ!」
アオイからのSOSは健太の元にも聞こえてはいた。
しかし、健太にも考えがあった。
まだどうやれば倒せるのかはわからないが、距離を置くことで何か弱点を見つけられるのではないかと考えたのだった。
「せっかく女が3人もいるのに、このままだとつまらんな」
ウインドプラスがそう言うと指をパチンと鳴らした。
すると今まで吹き荒れていた強風が嘘のように止んだ。
「お楽しみの時間はこれからだぜ!」
その言葉を聞くとアオイは冷や汗をかいた。

ウインドプラスがやらしいということはわかっていた。
それに実力差もわかっている。
アオイがどう立ち向かったところであの強風を使われては歯が立たないだろう。
そんな怪人が楽しむとか言って向かってくるのだ。
アオイは固まって動けなかった。
完全にやられる覚悟をした。
一応、少しでも抵抗するつもりで両手で胸も守っていたが、ウインドプラスは完全にアオイをスルーした。
「へ?」
ウインドプラスが狙いをつけていたのは桃子だった。
一直線に桃子の元に向かっていったのだ。
アオイは自分の自意識過剰っぷりに少し恥ずかしくなった
「ちょ、ちょっと……」
胸を押さえていた手を慌てて動かして誤魔化そうとした。
「最近、肩が凝ってるのよねえ、胸の辺りとか……」
風がやんだお蔭でようやく美紅と桃子も立ち上がることができた。
しかし立ち上がった桃子の目の前にはウインドプラスがやってきた。
そして、いきなり抱きついてきた。
中学生にしては豊満な胸が目的だ。抵抗しようとする桃子にお構いなしに胸を触わり始めた。
「いやあ~ん」
自分の自意識過剰を恥ていたアオイだったが、桃子の声に気にするべきことに気づいた
「ちょ、ちょっと!! 何やってんのよ、このヘンタイ!」
アオイはウインドプラスの背後から思いっきり蹴りを入れた。
助けてもらった桃子だったが、ホッとしたのもつかの間――
さすが凶を引いただけあって、ついていなかった。
ウインドプラスは顔面から派手に倒れたのだが、その位置が最悪だった。
桃子の前に腹這いに倒れこんだのだ。
見上げればスカートの中身がバッチリ見えるポジションだ。
「きゃあああああっ!?」
桃子は慌ててスカートを押さえた。
しかし、すでにウインドプラスの視線は桃子のスカートの中だった。
桃子は逃げるように後ずさった。
何の被害もない美紅も反射的にスカートを押さえて後ずさった。
美紅は見られたわけではなかったがその思いがリアルに伝わってきて反射的に反応してしまったのだ。
「へへへ」
不気味に笑いながら桃子に視線を向けた。
気づかれたかも!?
桃子は嫌な予感がした。
たら~っと額から冷や汗が流れる。
「お前もしかして……」
立ち上がったウインドプラスはマントを一振りしてみせた。
「もう一度、この目で確かめてやるぜ!」
嫌な予感は的中した。
「きゃああああっ!」
ウインドプラスの周りに竜巻のように強風が吹き荒れた。
桃子も美紅もスカートを押さえるのに必死だ。
ビルの陰で健太が見ているのだ。
ノーパンを知られたくない、知られるわけにはいかない。



3.
「広野君って案外エッチなのね」
ウイングガールズとウインドプラスの対決をビルの陰から見つめていた健太の背後から、久美子が声をかけた。
「な、なんのことだよっ!?」
健太はその言葉に慌てた。
「小川さんと森本さんのパンチラを期待してるんでしょじゃないの?」
完全に疑いの目で見つめた。
「ち、違うって! 打開策を考えているんだよ。あいつの風では近づけないから接近戦もできないし、あのマントだってビームだって跳ね返すから迂闊に攻撃ができないんだよ」
必死に言葉を重ねて否定する健太だったが、重ねれば重ねるほどなんだか嘘くさくなってくる。
打開策を考えていたのも本当だ。ただ、久美子の指摘のように美紅と桃子のパンチラも気になっていたのも事実だった。

「も~この風、なんとかならないの~?」
美紅は泣きたい気持ちで必死にスカートを押さえていた。
「あ~ん、リーダーにお尻見られちゃうよ~」
桃子も必死だった。
しかし、美紅と桃子が泣こうがわめこうが風が止む様子はまったくなかった。
「これでもくらえ!」
強風の中、アオイは踏ん張って立ち上がるとウインドプラスに向けてディメンションビームを放った。
しかし、そのビームはあっけなくマントによって阻まれた。

「やっぱりな……」
結果はその様子を見ていた健太の予想通りだった。
真正面から攻撃してもウインドプラスに届きはしない。
しかしひとつ気づいたことがあった。
風がウインドプラスを中心に風が竜巻のように渦巻いていた。
「わかった。この方法ならいける!」
健太は声を上げた。
「え? どの方法よ?」
久美子が健太の言葉を受けて質問をしたのだけれど、健太はまったく答えてはくれない。
「チェイング!」
健太はウイングマンに変身した。
そして、久美子を置き去りにして上へ飛び上がった。
「おいおい、完全に無視ですか……」
久美子はあきれて拗ねていた。

そして、ウイングマンがはるか上空へ上がった頃に、美紅と桃子の声が聞こえた。
「いや~ん!」
2人は強風に耐え切れなくなって、スカートがめくれてしまったのだ。
両手も風に持ってかれて万歳をしているような恰好だ。
当然スカートは台風のときに裏返ってしまった傘のように、豪快にめくれてしまった。
下半身を隠すものは何もない、まさに全開だった。
「す、すごい!」
久美子は反射的にシャッターをきってしまった。

「美紅ちゃん!?、桃子ちゃん!?」
アオイも2人の姿に完全に固まってしまった。
そして、ウインドプラスも――
「おおおおっ!?」
美紅と桃子の姿に完全に釘付けだった。
「やっぱりお前ら履いてなかったんだな!」
興奮して鼻息も荒くなった。

地上ではそんな状況になっているとはつゆ知らず、その頃、健太はちょうどウインドプラスのはるか上空にいた。
ソーラガーダーを装着し太陽エネルギーの充電を開始していたところだった。
「なにをやったんだ!?」
美紅と桃子の声に尋常でない状況を感じ取った。
この強風だ、スカートがめくれたことは想像に難くない。
しかし、美紅と桃子が戦いの最中にスカートがめくれただけであんな声を上げるとは思えなかった。
健太の中で妄想が膨らんでいき、ウインドプラスに対して、ふつふつと怒りが込み上げてきた。
「早く、エネルギーを充電しないと!」
健太はすぐさまソーラガーダーを身に着けて、 太陽エネルギーを充電した。
そして、エネルギーが溜まると一気に急降下を始めた。



4.
「やっぱり見間違いじゃなかったか。へへへ」
ウインドプラスはスカートがめくりあがった桃子を見ては、次に美紅の方を見る。
「まさか、こっちの女も何もはいてないとは、どれだけサービスしてくれるんだ、お前らは!」
アオイも唖然となって固まったまま動けない。
美紅と桃子も手が万歳の状態で動けなかった。
すぐにでもスカートを押さえたかったが、強風によって押さえることができなかった。
なすすべのないまま2人とも下半身丸出しだ。
健太がすでに上空にいることなど知らない2人は、確実に見られたと思い恥ずかしくてたまらなかった。
しかし風の力が強すぎて、隠すこともできない。
しかもウインドプラスには、そのあられもない姿を舐めるように見られているのだ。
「もう、なんとかしてぇ~っ!」                                                                  
美紅と桃子の悲痛な叫びが辺りに響いたとき――
ドーン!!!
大きな音がしたかと思うといきなり風が止んだ。

猛スピードでウイングマンは急降下をした。
そして、その勢いに乗ってデスボールを放った。
その超スピードで急降下したデスボールがウインドプラスに命中した。
健太はウインドプラスが真上からの攻撃に対しては何も防御する手立てがないことを見抜いていた。
ただ、デスボールに気づくのが早ければ何かしらマントや強風を使って攻撃を防いでくる可能性も考えていた。しかし、結局何もしてこなかった。
ウインドプラスは美紅と桃子の姿に興奮して、ウイングマンの動きにはまったく気づいていなかった。

「な、なんだコレは¡?」
まさに青天の霹靂だった。
轟音と同時にウインドプラスはいきなりデスボールに閉じ込められたのだ。
今まで吹き荒れていた強風が一気に止むとめくれ上がっていたスカートも元通りに落ちついた。
美紅も桃子も安堵とともに恥ずかしさも相まって膝をついて座り込んで顔を伏せた。
そして、2人はチラっと横を見た。
ウインドプラスはデスボールに捕えられている。
上からデスボールが飛んできたということは自分たちのスカートがめくれたときに健太は上にいたということだ。
下半身丸出しの姿を一番見られたくない人に見られずに済んだことに美紅はホッと胸をなでおろした。
桃子も同じ気持ちだった。
完全に脱力している姿が見えた。
健太はそんな2人の動向にはまったく気づいていない。
デスボールの真上からクロムレイバーを振りかざし、一気にウインドプラスにとどめを刺した。
「ヒートショック!」
クロムレイバーはデスボールを真っ二つに切り裂いた。
「まさか、羞恥心を捨ててオレ様の気を引くとは……」
それがウインドプラスの最後の言葉だった。
その言葉に美紅は恥ずかしくなって顔を伏せた
「気を引くためにこんな恰好したわけじゃないわよ!」
桃子は思わず反論を口にした。
顔を真っ赤にしながら発した反論は、ウインドプラスに届きはしなかった。
ウインドプラスはさっきの言葉を残して爆発したのだ。

健太はウインドプラスの爆発を確認するとガッツポーズをした。
そして、変身を解くと健太は顔を伏せている美紅に手を差し出した。
「美紅ちゃん、大丈夫?」
美紅は顔を赤くしながら顔を見上げた。
「う、うん、平気」
桃子にはアオイが手を差し伸べた。
立ち上がった桃子にアオイは小声で質問した。
「パンツはどうしたの?」
「それはアオイさんが……」
そう言うと桃子の顔はまた真っ赤になった。
「あ!?」
アオイはその理由を思い出した。
そして冷や汗を流した。
自分がパンツを脱がさせたのだった。
「へへへ、ごめんね。まさかこんなことになるとは……」
下を出して笑って誤魔化した。
桃子は顔を赤くしてうつむくしかなかった。


「そう言えば、最後にウインドプラスが何か言ってたけど……」
アオイはオーバーアクションで健太の言葉を遮った。
「ハハハハハ、何にも言ってないよ~、空耳じゃないかな~」
自分の責任で美紅と桃子を恥ずかしい目に遭わせてしまったのだ。
責任を感じて必死でごまかした。
「そ、そうですよ。私も何も聞こえなかったですよ、ね、美紅ちゃん」
桃子もアオイに合わせた。桃子としても絶対に知られたくなかった。
「あ、うん。何も言ってなかった」
美紅もその思いは同じだった。
「え~うっそ~ん」
健太は確かに聞こえたんだけど……などとブツブツ言っていたが、結局、その真相を知ることはなかった。

「スクープ写真撮っちゃった……」
その後ろで久美子はカメラを手に持ったまま顔を赤らめて立ち尽くしていた。
「でも、さすがに、発表はできないか……」
 
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