大陸の妖精
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収穫祭
前書き
収穫祭・・出番の少ないレビィとイチャつかせる絶好の機会だ・・!!
収穫祭当日
マグノリアの街全体がお祭り騒ぎといった雰囲気に包まれている
屋台を出す者、路上で音楽を奏でる者、どの人たちも祭りを大いに楽しんでいた
そんな中フェアリーテイル内では、ミス・フェアリーテイルの会場設営が行われている
「ごめんねアルト、せっかくのお祭りなのに手伝わせちゃって」
「いいよ、祭りは一日中やってるからね」
ミラが申し訳なさそうに言うと、アルトは笑顔で応える
最初はナツと共に祭りの屋台を周るはずだったのだが、突如ミラに会場設営の手伝いを頼まれて、了承したのである
「しっかし本当に大掛かりだなぁ、何人エントリーしたんだろう?」
床を掃きながら綺麗に装飾された会場を見渡すアルト
そんなアルトの元にレビィがゆっくり歩いてきた
「アルト!」
「よう、レビィ・・・!?」
アルトはレビィの姿を見て愕いた
目の前に立っていたのは普段のようにラフな格好をしたレビィではなく、可愛らしい服を完璧に着こなしたレビィだったからである
「どうかなこの服・・・似合ってるといいんだけど・・・/////」
「あぁ!すごく似合ってるぞ、正直驚いた!!」
素直に感心した様子を見せるアルト
するとレビィは少し照れたように軽くはにかみながら微笑む
「あ、あのねアルト・・・私、今日ミス・フェアリーテイルに出るんだ」
「なるほど、それで今日はその格好を・・・」
「それで・・・アルトはミス・フェアリーテイル見に来るの?」
「もちろん行くよ、会場設営したからには最初から最後まで見ないとな」
「本当!?」
次の瞬間、緊張した様子のレビィの顔が明るくなり、満面の笑みを見せた
「!!」
その姿にアルトはわずかだが自分の胸が熱くなるのを感じる
この感覚は昔、レビィに想いを告げられた時のそれと同じであった
「それじゃアルト、また後でね!」
嬉しそうに言うレビィは、手を振りながら去っていく
アルトは去っていくレビィの後ろ姿を見送った後、気合いを入れ直して会場設営に臨んだ
それから数時間がたったフェアリーテイルのギルド内
大きなステージの前には室内の床を埋め尽くすくらいの人だかりができていた
皆、ミス・フェアリーテイルの観客のようだ
「マグノリア町民の皆さん、及び近隣の皆さん、え?このイベントを見るために死者の国から来たって人もいるの?終わったら墓に帰ってね」
話し上手なマックスが、冗談交じりの司会進行を進める
「お待たせしました!!!!我がフェアリーテイルの妖精たちによる美の競演!!!!ミス・フェアリーテイルコンテスト開催でーーーす!!!!」
マックスが熱狂的な声を上げ開催を宣言すると同時に、会場全体が歓声に包まれた
「司会は このオレ、砂の魔導士マックスが務めます!!」
「あいつ・・売り子やったり色々大変だな」
「もしゃもしゃ」
「ナツはまったく興味なさそうだね」
グレイの隣でパンを食べるナツを見たアルトがそう言った
「アルトは誰が優勝すると思うー?」
羽をはためかせアルトの元にやってきたハッピーが言う
「えっ・・うーん、難しいけど・・・やっぱり名が知れ渡ってるミラさんあたりじゃないかなぁ」
「やっぱミラだよね」
「まぁ、結局はやってみないと分からないけどさ」
そう言ったアルトとハッピーは再びステージへと視線を移す
「エントリーNo.1、異次元の胃袋を持つエキソジックビューティー!!!カナ・アルベローナ!!!」
ステージの上には魅惑的なポーズを決めたカナが立っていた
「さぁ・・魔法を使ったアピールタイムだ!!」
マックスの紹介が終わると同時に、カナは魔法札をばら撒く
するとカードが宙を舞い、カナの身体全体を隠すように覆っていく
「おおっと!!カードがカナの姿を隠して・・」
次の瞬間、全てのカードがはじけ飛ぶと同時に水着姿のカナが登場する
「水着に着替えたー!!!!」
カナの姿を見た観客たちが一斉に歓声を上げる
「50万・・・いいえ・・・酒代は頂いたわ」
自信ありげにそう言ったカナはステージ裏へと戻る
「うわ、すごい歓声・・・さっきエルザも出るって言ってたし、ルーシィ大丈夫かなぁ・・・家賃確保できるといいけど・・・」
カナの演技を見て、そう言ったアルト
戻っていくカナと入れ替わるように、ジュビアがステージ上へ現れる
「エントリーNo.2 新加入ながらその実力はS級、雨もしたたるいい女、ジュビア・ロクサー」
アピールタイムで体を水に変えるジュビア
「うわぁ!!体が水になった!!」
「すげぇ!!」
それを見た観客たちは感嘆の声を上げる
水に変えたジュビアの体が元に戻るとカナと同様、水着に着替えていた
「アルト様、見てますか!!!」
膝下辺りで波を作り、観客席にいるアルトへと笑顔を向ける
「またしても色仕掛けか!!」
ステージ裏で演技を覗いていたルーシィが叫んだ
「エントリーNo.3 ギルドが誇る看板娘!!!!その美貌に大陸中が酔いしれた!!!!ミラジェーン!!!!」
「待ってましたー!!!」
「優勝候補ー!!!」
「本物だぁ!!!」
「本で見るより可愛いなぁ」
ミラジェーンの登場と共に、観客たちは今までで一番の声援を送る
「やっぱりミラだね」
「どんなアピールするんだろ、ジュビアたちと同じグラビア系だったらミラさんが圧勝しちゃうかも・・・」
ハッピーとアルトも真剣にミラのアピールタイムに期待を込める
「さあ、アピールタイム!!」
「私・・・変身の魔法が得意なんで変身しまーす」
そう言うや否やミラは自分に変身魔法をかける
「顔だけハッピー」
「えーーーーーーーーーー!!!?」
胴体はそのまま、顔だけがハッピーの姿をしたミラ
期待していただけにショックが大きかったようで、会場中に驚愕した観客たちの叫びが響く
「顔だけガジルくん」
「ぶーっ」
「ぶふっ」
顔だけがガジルの姿をしたミラを見て、遠くから見ていたガジルとアルトが吹き出した
「あはははっ」
「ガ、ガジル・・・やべぇ、面白過ぎだぜミラさん!あははははっ!!」
「喜んでんのオマエらだけだぞ」
「姉ちゃん・・・」
皆がしらける中、ハッピーとアルトだけが大笑いする
いつもはミラを支持するワカバとエルフマンも今回だけはミラの姿に気を落としたようだ
「(優勝候補が自滅した!!!)」
その光景を舞台裏から見ていたルーシィは可愛らしくも悪い笑みを浮かべていた
「エントリーNo.4 〝最強〟の名の下に剛と美を兼ね備えた魔導士、妖精女王のエルザ・スカーレット!!!」
「キター!!!」
「エルザー」
「かっこいいーーーっ!!!」
「あれがフェアリーテイル最強の女か」
ハートクロイツ製の鎧を纏ったエルザを見た観客たちはミラの時と同じくらいの大歓声を上げる
「すごい人気」
「流石だな」
舞台裏のルーシィと観客席にいるアルトは歓声の大きさに驚いていた
「私のとっておきの換装を見せてやろう・・・とーーーっ!!!」
透き通った叫び声とともに、エルザは服を換装する
次の瞬間、換装を終え現れたのは可愛らしいゴスロリ服を着たエルザであった
「ゴスロリ!!!?」
「フフ・・・・決まった!」
誇らしげな表情を浮かべるエルザ
「あいつもだいぶキャラが変わったな・・・」
「ウィ」
マカオやリーダスは、とても驚いた様子でエルザを見ていた
「(今のエルザ、すごく楽しそうだ・・・)」
得意げな様子でステージ上に立つエルザを見たアルトは思わず顔をほころばせる
エルザの予想外のアピールによって会場の歓声と熱気が増していく
「エントリーNo.5 小さな妖精、キューティー&インテリジェンス!!レビィ・マクガーデン!!!」
「「いいぞーレビィ!!!」」
レビィの立体文字を使ったアピールを見たジェットとドロイの二人が大歓声を上げる
途中、誰にも気づかれないようチラチラとアルトを見ていたレビィ
その視線に気づいたアルトもまた、誰にも気づかれないように小さなグットサインを送る
「・・・・・/////」
アルトのサインに気づいたレビィは顔を真っ赤に染めながら、演技を終え舞台裏へ捌ける
「エントリーNo.6 西部からのセクシースナイパー、ビスカ・ムーラン!!!」
「か・・・かわいい!!!」
ステージ上のビスカに熱い視線を向けるアルザック
「エントリーNo.7 我らがギルドのスーパールーキー、その輝きは星霊の導きか・・・ルーシィ・ハ―――」
「だーー!!!ラストネームは言っちゃダメェ!!!」
自分がハートフィリア財閥の令嬢だと知られたくないルーシィは、マックスの紹介を慌てて止めた
「何だ?」
「?」
「かわいいなあの娘・・・」
「えーと・・・あたし、星霊と一緒にチアダンスします」
上着を脱ぎ、ルーシィは着ていたチアガール衣装を露にした
「エントリーNo.8」
「!」
その時、ルーシィの背後から聞きなれぬ女性の声が聞こえた
「ち・・・ちょっと、あたし まだアピールタイムが・・・」
突然の乱入者に困り果てるルーシィ
「妖精とは私の事、美とは私の事、そう・・全ては私の事・・」
会場がざわつく中、乱入者はお構いなしといった様子でステージ上に立つ
「優勝は このエバーグリーンで決定ー!ハーイ、くだらないコンテストは終了でーす!!」
フェアリーテイルの魔導士、エバーグリーンは自分で自分に優勝宣言した
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