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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
  0952話

「お、見えてきたな」

 イタリカを出発してから数時間。さすがにアルヌスの丘からイタリカまでとは距離が違い、帝都まではそれなりに時間が掛かった。
 以前に来た時はサラマンダーで空中から見ただけだったが、こうして地上から見るとやっぱりそれなりに大きいな。
 勿論ホワイトスターとかとは比べるべくもない大きさだし、麻帆良や陽光と比べても……ん? こうして考えるとそれ程大きくない。
 ただ、城壁の類があるようなファンタジー系の都市というのは初めて見るから、多少感慨深くてもしょうがない。
 ネギま世界の魔法界もファンタジー系ではあったけど、飛空艇とかそういうのがあった為にどこか完全なファンタジーって気がしなかったんだよな。
 そういう意味では、この門世界は純粋なファンタジー世界だと言ってもいいだろう。
 そして、帝都程の巨大な都市であれば当然そこに向かっている商人や旅人の数も多いが、当然そのような連中は俺達が乗っているエアカーのバスに視線が釘付けだ。
 色々な意味で目立っているな。
 だが、そんな目立っている状態も帝都へと続く入り口でようやく終わる。
 いや、正確には始まるといった方がいいのか? ともあれ、入り口に到着したところでボーゼスがバスから降り、こちらを警戒して槍を構えている兵隊達と向き合う。

「下がりなさい。私はボーゼス・コ・パレスティー。パレスティー侯爵家の者で、ピニャ様の騎士団の所属です。この乗り物に乗っているのは、ピニャ様が自ら招待されたお客人の方々。この方達に対する無礼は、即ちピニャ様に対する無礼と知りなさい!」

 その一言がどれ程の効果を持っていたのかは、次の瞬間にはっきりと兵士達の態度によって示される。
 兵士の指揮官と思しき者が慌てて周囲の兵士達に命じて槍を下ろさせたのだ。
 この場合、有効だったのはピニャの名前か、あるいはパレスティー侯爵家とやらの家の力か。
 ともあれ、無駄に争う必要がなくなったのは良かった事だろう。面倒事が起きれば、当然俺達の正体が色々と広まるのは確実であり、そうなればシャドウミラーを含む異世界間連合軍に対して思うところのある貴族とかが何か行動を起こすだろうし。
 こっちが今回の一時的な停戦の交渉を受け入れた理由の1つに、あくまでも帝国側の問題でこの戦争が続いていると内外に示すという目的がある。
 それだけを考えれば、寧ろトラブルは起きた方がいいのだが……他にも幾つもやるべき事がある以上、トラブルが起きるにしてもここで、というのは色々と不味い。
 そんな俺の心配を払拭するかの如く兵士達は大人しく引き下がり、ボーゼスが再びバスへと乗り込んでくる。

「これからピニャ様の別邸に案内しますので、そちらまでお願いします。会談が行われている間は、皆様そこで寝起きして貰いますので」
「ああ、その辺については聞いている」

 正直、影のゲートを使えばアルヌスの丘に戻るのは難しくないんだが……イタリカで見せたとはいっても、そこまでの長距離転移が可能だというのをわざわざ教える必要もないしな。
 かと言って、まさか俺達が帝都にある宿に泊まる訳にもいかないだろう。
 もしそんな真似をすれば、この帝都を知らない俺達の事だ。間違いなく何らかの騒ぎに巻き込まれるのは間違いない。
 他にも、強硬派の貴族辺りがいればこれ幸いと俺達を捕らえようとしてきても不思議じゃない。
 現状で強硬派の貴族とかがいるのか? という疑問もある。何しろ俺達との戦いでは圧倒的に負け、帝国軍の兵力が低下した影響から、従属国の軍事力を減らすべく連合諸王国軍を結成するも、そこで被害を受けたのは帝国に対して友好的な国々ばかりで、帝国に対して思うところのある国は俺達との内応で殆ど被害を受けずに撤退し、その後帝国に対して反旗を翻して独立戦争を仕掛けている。
 あるいは帝国が圧倒的に不利なこの状況をもたらしたのが俺達だとして、その辺を細かく考えていない貴族とかが帝都の中に俺達がいるのを知ればどう行動するのか……考えるべくもない。
 何故俺達がごく少数でこの帝都に来たのかというのを考えもしないで暴走する、というのは普通にあるだろう。
 そんな風に考えている間にも、ボーゼスが用意したのだろう。馬に乗った兵士が案内するままにバスは移動し、城の方へと向かっていく。
 幸いにも現在通っているのは大通りなのでバスも普通に移動しているが、予想外に道路が狭い。恐らくバスが余裕をもって走ることが出来るのは、大通りとその周辺くらいだろう。

「へぇ、ここが帝都ねぇ。……何だか、随分と活気がないわね。それともこの世界ってこれが普通なの?」

 窓から街並みを見ていたシェリルの言葉に、俺は首を横に振る。

「いや、イタリカなんかではもっと活気があったな」
「活気がない理由なんて決まってるだろ?」

 そう告げたのは、俺の後ろの席に座っているムウ。
 俺達と同じく窓を見ながらも、その表情に皮肉そうな笑みが浮かんでいた。
 もっとも、その笑みの理由を想像するのは難しくはない。それこそ先程考えたように、この活気の無さが現在の帝国の状態を如実に現しているのだから。
 沈む船から逃げるネズミではないが、現状では帝国がもう持たないと判断して帝都から逃げ出している人々も多い……といったところか。
 そんな風に考えていると、やがて街中から人通りの少ない方へ……ただし、城からは若干道を逸れて進み始める。 
 そのままゆっくり40分程進み続けると、やがて豪華な建物が見えてきた。
 このバスの速度なら、本来はここまで時間が掛かるなんて事はなかったんだが……まぁ、人通りの多い場所で時速300km出せってのはさすがに無理があるか。
その建物の前には、驚いた事にピニャが出迎えに出ている。
 帝国の皇女という立場を考えれば、この対応は色々な意味で規格外のものだろう。
 他にも大勢の護衛の兵士やメイドといった者達の姿も見える。
 もっとも、それだけピニャが俺達と自分達との戦力差を理解しているからこそだろうが。
 そのままバスが止まり、運転手の量産型Wやボーゼスを含めて全員が降りる。
 そんな俺達に対し、真っ先にピニャが近づいてきて笑みを浮かべつつ口を開く。

「アクセル代表にシャドウミラーの方々、ようこそおいで下さった。今回は妾からの要望を受けて頂き、非常に感謝している」

 確かにここにいるのは殆どがシャドウミラーのメンバーだってのは事実だが、高畑はネギま世界の人物なんだけどな。
 それを分かれという方が無理か。

「さて、もう少しで夕方だ。歓迎の宴……というには多少早いが、食事を用意させて貰った。ホワイトスターで食べられている料理に比べるとさすがに及ばないが、それでも精一杯の歓迎のつもりだ。是非味わって欲しい。停戦協定に関しては、明日から会談を設けたい」

 ピニャの言葉を聞き、チラリとレオンの方へと視線を向ける。
 その際にピニャの表情が一瞬歪んだのを見る限り、苦手意識を持っているのだろう。ホワイトスターでの会談であれだけ攻め込まれたのを思えば無理もないが。
 そのレオンが俺の言葉に頷いたのを確認し、ピニャに向かって口を開く。

「分かった、それでいい。前回の件で既に分かっていると思うが、一応紹介しておく。今回の交渉を担当するレオンだ」
「お久しぶりです、ピニャ皇女殿下。相変わらずお美しいようで何よりです」

 その口から出たのは褒め言葉。
 だが、本人としては褒め言葉であっても、褒められる対象としてはそれ程嬉しくないのだろう。一瞬だが、微かに眉を顰めていた。
 それでもすぐに取り繕う辺り、皇女としての教育を受けてきただけの事はある。

「そう言って貰えると妾としても嬉しく思う。だが、残念ながらアクセル殿にはお気に召して頂けなかったようだ」

 チラリ、とこちらを見ながら告げてくるピニャに、小さく肩を竦める。
 実際、美人かどうかと聞かれればピニャは美人だと答える者が多いだろう。俺もそれに否とは言わない。
 ただまぁ、帝国にドップリと浸かっている今の性格を考えると身内に入れたいとはちょっと思えないな。
 そんな風に考えつつ、空間倉庫の中から書類を取り出す。
 A4用紙30枚程の束のそれは、恐らくピニャにとってはこれ以上無い程の武器となるだろう。

「土産だ」
「アクセル殿、これは一体……?」

 そう呟くも、俺が何も言わないのを見て視線を書類に通していく。
 そこに表示されているのは当然帝国の……より正確にはこの門世界の文字であり、とあるリストだ。
 それが何のリストなのかに気が付いたのだろう。次第にピニャの顔が強ばり、その隣で同じく書類を見ていたボーゼスの顔も同様に強張っていく。

「アクセル殿、これはもしかして……」
「そうだ。以前にホワイトスターにお前達が来た時、捕虜が大量にいるって話をしただろ? その捕虜のリストだ。あの時に渡したのは名前だけのものだったが、こちらは捕虜の詳しい経歴や帝国軍のどこの部隊に所属していたかといったものが詳しく書かれている。色々と役立つだろ?」
「……ありがたく、受け取らせて貰う」

 イタリカを経由して集めた情報によると、帝国の中には未だに俺達を軽く見ている者がいるらしい。
 勿論現実をきちんと把握し、従属国の反乱に対処する為にもどうにかしなければならないと思っている者は多い。だが、それは逆に、自分達帝国であればこの程度の逆境はどうとでもなると楽観的に思っている者もいるという事だ。
 そんな楽観的な奴でも、自分達が派遣した身内がホワイトスターに……即ち、シャドウミラーの本拠地に捕らえられていると知ればどうするか。
 恐らくはピニャに味方して、何とかこちらから人質を取り返そうとするだろう。
 そう、まさに俺達の思い通りに身代金を払って。
 それはつまり、帝国の資金が……つまり国力が落ちるという事を意味している。
 1人や2人程度の人質ならそう大した金額にもならないだろうが、それが数万人規模であれば……さて、どうなるか。
 帝国の皇帝としてどう判断するのか見物だな。
 もし見捨てるような真似をすれば、従属国だけではなく貴族ですら帝国に対して反旗を翻す可能性もある。
 ただでさえ軍事力が疲弊している今の帝国に、そんな余裕はない。
 だが、ピニャはエザリアやレオンの考えた件について引っ掛かる様子もなく、笑みを浮かべて資料を受け取る。

「感謝する、アクセル代表。この資料のおかげで、日和見の者達を説得する事が出来るだろう」
「そうか、土産が役に立ってくれて嬉しい限りだ」
「本来ならアクセル代表達の歓迎の意味を込めて妾も宴に参加しようと思っていたのだが……」

 申し訳なさそうに視線を向けてくるのを見れば、何を言いたいのかはすぐに分かる。
 つまり、早速この資料を使って日和見の貴族達へと話を持っていきたいのだろう。
 この件に関しては、帝国の中で活発に動けば動く程にこちらとしても都合がいい。
 そうである以上、ここでピニャを咎めるつもりは一切なかった。

「分かった、こっちはこっちで楽しませて貰うから、そっちも頑張ってくれ。道は色々と険しいだろうが」
「うむ、そうだな。……おい、アクセル代表達を宴の間へ案内しろ。妾の客人である事をくれぐれも忘れぬように」

 ピニャの言葉にメイドや執事といった者達が頭を下げる。
 それを満足そうに見渡すと、そのまま数人の供をつれたまま去って行った。

「……さぁ、皆様。こちらへどうぞ。歓迎の準備は整っているとの事ですから」

 ピニャを見送ったボーゼスがメイドに目配せをすると、すぐに納得したメイドが俺達を引き連れてピニャの屋敷の中を進んでいく。
 やがて到着したのは、30畳程の広さを持つ部屋。
 帝国の皇女の部屋としては狭いが、それでもこの人数が寛ぐ分には全く問題ないだろう。
 いや、寧ろこれ以上に広い部屋で10人に満たない俺達が食事をしているというのは、色々な意味で寂しいものがある。
 メイドとか執事を入れれば相応の人数にはなるんだろうが、その辺をきちんと教育されているメイド達が主人の客と一緒に食事をする筈もないしな。
 ともあれ、そういう事で俺達はピニャが用意してくれた料理に舌鼓を打っていた……のだが。
 いやまぁ、確かにこの世界は色々と文明的に遅れているのは事実だし、輸送の観念とかも同様なのだろう。その結果、料理の類が発達しないというのも分かる。
 あるいは、従属国の反乱が相次いでいる影響で材料不足という事もあるのかもしれない。
 つまり、何が言いたいのかというと……ぶっちゃけ、料理が美味くないのだ。
 勿論不味いと言い切れる程の味じゃない。だが、決して美味い訳でもない。
 それでもアウル辺りが妙な事を口に出さないのは、一応この場での重要性を理解している為だろう。
 もしもここでアウルの口から不味いなんて言葉がでようものなら、再びコーネリア辺りに色々と特訓して貰う事になっていた筈だ。

「……ん?」

 そんな、美味いとは言えない料理を食いつつも話をしていた、その時。不意に廊下を力強く……というより、乱暴に歩いてくる足音が聞こえてくる。
 何だ? ピニャが戻ってきたにしては随分と早いが。いや、この足音から考えるとピニャじゃないな。男だ。
 食事をしていた面々の中でも、高畑やムウ辺りは近づいてくる足音に気が付いたのだろう。扉の方へと目を向け……
 次の瞬間、乱暴に扉が蹴り開けられ、1人の男が入ってくる。

「ピニャ、貴様何を考えている!」

 そう告げた男は、傲慢そうな顔をしながらも、どこかピニャに似た雰囲気を持っていた。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167 
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