リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第百三十二話 最悪のクリスマス
前書き
クリスマスパーティーと洒落込もうとした瞬間。
現在、クリスマスパーティーに洒落込んでいる大輔達。
過去と未来を含めたメンバーのとんでもないパーティーだが。
大輔「みんな、今日は戦いのことを忘れて騒ごう!!今日はクリスマスなんだからな!!」
全員【おう!!】
はやて達が早起きして作った料理をブイモン達ががっつく。
デジモン達に負けないくらいの量を食うルカ、スバル、ギンガ、エリオ。
なのは「凄い食欲…」
ヴィヴィオ「なのはママ。食べないの?」
パーティーのご馳走をユーノに取ってもらっているヴィヴィオが首を傾げる。
ハックモンもガツガツと料理を頬張っている。
なのは「あ、うん。食べる食べる」
急いで料理を口にするなのは。
そしてしばらくしてかなり大きなテーブルの上に煙を上げるホットプレートの一点に、選ばれし子供達とパートナーデジモン達、そして守護騎士達の瞳が視線を注いだ。
ブイモンのリクエストのお好み焼きだ。
ユーノ「…うわあ…いい匂いだけど煙たい」
ティアナ「うう…、部屋がソース臭くなってきたかも…換気して、換気!!」
アリシア「えー、クリスマスに窓開けるとかティアナ正気?やだやだー」
賢「いや、開けた方がいいよ。目にしみるから」
大輔「そうだぞ。それに適度な換気は風邪予防にもなるんだぞ」
すずか「……前から思ってたんだけど、大輔さん…最近“お母さん”が板についてきてませんか?」
大輔「すずか、お前だけ生にしてやろうか?」
すずか「ごめんなさい。それだけは嫌です。」
ティアナが窓を開くとよく冷えた空気が靄と入れ替わりで入り込んできた。
ギンガ「あ、ほら!!もう焼けたんじゃないかな?早く食べようよ!!」
美味しそうに焼けたお好み焼きを食べたそうに見つめるギンガにフェイトは優しく微笑んだ。
フェイト「ふふ、はいはい。皆、マヨネーズは?」
ルカ「すみません。後、青海苔もかけてくれませんか?」
はやて「かつお節もかけてくれへん?」
スバル「ソースだくだく!!」
アリサ「スバルは却下」
スバル「え~?ぶう…」
自分の提案を却下されたスバルはぶうたれる。
そうして全員がお好み焼きを美味しく食べ、全員が歌おうとした時。
ゲンナイ『選ばれし子供達よ。緊急事態じゃ!!』
パソコンの画面に空気の読めない馬鹿が映った。
全員が絶対零度の視線をゲンナイに寄越すが、気づいていないのか。
それとも、気付けないくらい余裕がないのかゲンナイが口を開いた。
ゲンナイ『大変じゃ。バルバモンが歴史改変を…!!』
全員【改変?】
ゲンナイ『これを見るんじゃ!!』
画面を見つめると、多分小学生時代の太一達が映る。
デビモンとの戦い。
圧倒的な力を前に為す術なく倒されていくグレイモン達。
これがどうしたと言いたいが、いつになく深刻な表情のゲンナイに何も言えない大輔達。
少ししてパタモンがエンジェモンに進化した。
そして仲間から力を得てデビモンに必殺技を放とうとするが、デビモンの身体からどす黒いエネルギーが放たれ、エンジェモンの必殺技はかわされた。
全てを賭けた一撃をかわされ、エンジェモンは無駄死にし、太一達はデビモンに…。
大輔「どういうことだ?」
賢「大輔から聞いた話とは全然違うな。確か、高石のエンジェモンがデビモンを倒したんじゃないのか?」
大輔「ああ、爺。バルバモンがどうとか言ってたな。」
ゲンナイ『ウム、バルバモンは闇の書で得た魔力で歴史に介入するほどの力を得たのだ。デビモンの戦いの異変はこれが原因じゃな。』
ブイモン[俺達にデビモンを倒せってか?]
ゲンナイ『いや、正確にはデビモンを追い詰めて欲しい。エンジェモンに倒させなければ歴史が狂うじゃろうからな』
大輔「はいはい。全く、異世界に来てまで、あいつらから逃れられないのかよ」
ゲンナイ『過去に行くためのゲートは作っておいた。名付けて“タイムゲート”』
賢「そのままですね。では僕と大輔で行って来るよ」
はやて「気をつけて行くんやで賢兄」
エア[お土産忘れるなよ]
全員【旅行に出掛けるんじゃない】
アホなことを抜かすエアにツッコミを入れながら、タイムゲートを潜る大輔と賢。
ゲートを潜ると大輔達は小学二年生の姿になっていた。
デジヴァイスも新型から旧型になっている。
大輔「ブイモン、どうだ?」
ブイモン[大丈夫。パワーは以前のままだ]
ワームモン[行こう賢ちゃん]
賢「ああ」
大輔達は一気に戦場に向かう。
そこには仲間からの力を得てデビモンに放とうとするエンジェモン。
ギリギリセーフだと大輔達は安堵した。
大輔、賢「「ちょっと待てええええ!!」」
フレイドラモン[ナックルファイア!!]
スティングモン[ムーンシューター!!]
デビモン[ぐおっ!!?]
顔面に直撃を受けたデビモンはたたらを踏む。
大輔「何とか、間に合ったか」
賢「ギリギリセーフってとこかな?」
太一「大輔!!?お前もこの世界に…というかそいつは?」
賢「一乗寺賢。大輔の友達ですよ。話は後にして、あの雑魚を消しましょう」
デビモン[雑魚…?]
フレイドラモン[お前以外に誰がいるんだ?]
デビモン[選ばれし子供がまだいたことには驚いたが、少々口が悪いな。その口を閉ざしてやろう…永遠にな!!]
デビモンの巨大な足がフレイドラモンを踏みつけた。
ミミ「きゃあああああ!!?」
ミミの悲鳴が響き渡るが賢は涼しい顔で言い放つ。
賢「大袈裟ですよ。見てください」
デビモンの足があっさりとフレイドラモンに持ち上げられた。
デビモンの表情が余裕から驚愕に変わる。
フレイドラモン[これが本気の攻撃なのか?出来ることならもっと本気でやって欲しいな?]
足を掴むとデビモンの巨体を投げ飛ばす。
スティングモン[フレイドラモン、遊ぶのも程々にしておくんだ]
フレイドラモン[ああ、悪い悪い。デビモンからしてみればこれが全力だったな。なら失礼なことを言って悪かった。謝るよ]
不敵な笑みを浮かべて言い放つフレイドラモンにデビモンが歯軋りする。
大輔「それにしても前は随分とデカく見えたけど。イザこうして見るとてんで大したことないな」
デビモン[き、貴様等…!!]
賢「仕方ないさ。ファイル島の成熟期なんだから」
馬鹿にするように言うと、プライドの高いデビモンは賢に襲い掛かるが、スティングモンが蹴り飛ばす。
フレイドラモン[エンジェモン、こいつは俺達が弱らせてやる。タイミングはお前が計れ]
それだけ言うと、フレイドラモンとスティングモンがデビモンに向かっていく。
デビモン[己!!]
スティングモン[遅いな]
容易くそれをかわし、顔面に強烈な蹴りを叩き込む。
倒れ込んだデビモンの足を掴むとフレイドラモンが巨体を物ともせず上空に投げ飛ばした。
フレイドラモン[軽くウォーミングアップといくか!!]
スティングモンは一気に跳躍して、デビモンの身体にラッシュ攻撃を喰らわせていく。
そしてフレイドラモンの方に吹き飛ばすと、フレイドラモンの炎を纏った拳がデビモンの腹にめり込む。
デビモン[が…あ、ああ…]
デビモンは激痛に悶絶しながら地面に落下。
それを冷たく見据えると、全身に炎を纏わせる。
フレイドラモン[ファイアロケット!!]
倒れているデビモンに炸裂させる。
全身に大火傷を負わせ、翼を黒こげにされたデビモンはあまりにも哀れな姿に。
圧倒的な強さに太一達は唖然とした表情である。
フレイドラモン、スティングモン[[エンジェモン!!]]
エンジェモンに向けて蹴り飛ばすフレイドラモンとスティングモン。
フレイドラモンとスティングモンの意図を理解したエンジェモンは必殺技を放った。
エンジェモン[ヘブンズナックル!!]
エンジェモンの拳から放たれた聖なる光は、デビモンの背中を突き抜けそのままとどまる事を知らず拡散し、デビモンが生み出した闇をも打ち砕き、このファイル島全体を覆い尽くした。
次に目を開けた子供達が見たものは、足先から消滅していくデビモンとエンジェモン。
デビモン[……愚かだ。愚かだぞエンジェモン。こんな所で力を使い果たしてどうする?暗黒の力が広がっているのは、このファイル島だけではない。海の向こうには、私以上に強力な暗黒の力を持ったデジモンも存在するのだぞ。]
子供達への少しばかり早い冥土の土産とばかりに、デビモンは絶望的な事を口にする。
確実に消滅していっているのに、恐れる様子は微塵も見せない。
それは強がりか、はたまた単純に死そのものが怖くないからは大輔も賢も知らないし、興味もない。
デビモン[いくら強力な力を持つ選ばれし子供がいたとしても、たった二人ではどうにも出来まい!!お終いだ!!お前達は!!]
それだけ言うとデビモンは消滅した。
大輔「それじゃあ、俺達はこれで」
賢「さようなら」
ヤマト「お、おい!?」
ヤマトがエンジェモンの消滅を気にしながら、大輔達を止めようとするが、エンジェモンに止められた。
エンジェモン[君達のおかげでデビモンを倒すことが出来た。ありがとう…]
大輔「別に。高石タケル」
タケル「え?」
名前を呼ばれたタケルが目を見開く。
大輔「これでお前は戦いから逃れられない。エンジェモンが死ぬのはデビモンのせいじゃない。お前がパタモンの気持ちを蔑ろにしていたからだということを覚えとけ」
タケル「ま、待ってよ!!どういうことなの!!?」
それだけ言うと大輔達は消えた。
帰ってきた大輔と賢をフェイト達が迎えた。
やっぱりこっちの方が落ち着くと、大輔達は思う。
さて、次に修正する歴史は何だろうか?
後書き
すげえパワーバランス崩壊。
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