ぼっちはつらいよ
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登校編
ボクは今…、
ぼっちである。
♢♦ぼっちはつらいよ~登校編~♦♢
君達勝ち組は、この世に『ぼっち』という都市伝説があるのを知っているだろうか。
それは今まで多くの人によって語り継がれ、今もなお、ごく少数だが確認されている。
確認されている時点で都市伝説でも何でもないというツッコミは、まあ察してほしい。
曰く、ぼっちには存在自体が謎の『神』がいるとか。
曰く、ぼっちには友達と呼べる存在が皆無だとか。
曰く、ぼっちは友達というネットワークが存在しないとか。
グー○ル先生に「ぼっちってなあに?」と聞くと、
「…そっとしておいてあげなさい」
という答えが返ってくる。
そのくらいに繊細で、そのくらいに脆い存在。
それがぼっちである。
さて、前置きが長くなってしまった。
これは、ぼっちという都市伝説に成り下がった少年の、有るはずもなければいるはずもない神様との、
ちょっとした『出会い』の物語である。
なお、作者とは何の関係も、ない。
断じて無い。
無いったら無い。
♦
少年は16歳である。
要するに高校一年生。
ピッカピカの一年生である。
そこに疑いの余地はない。
彼が通う高校は、まあ言ってしまえば、小中高一貫教育の『私立』高校なので、学校自体がかなり綺麗である。
少年もそこに惹かれて入学を決めたそうな。
しかし、
人との付き合いとか慣れ合いとか付き合いが、苦手を通り越して不可能の領域まで達した少年は、『中学からの内部生』という、ぼっちたちから見れば、敵として認識して間違いない存在がいることに気づいてはいたが甘く考えていた。
甘く、考え過ぎていた。
どころか、まさかそれ以外の『外部生』も自分より遥かに友達を作るのがうまいとは考えもしなかったため、のちにクラスメート全てが敵に見えてくるとは、今の少年は思いもしなかった。
そしていつも通り、普通に登校し。
いつも通りぼっちなライフを送るはずだった。
はず、だった。
ちなみに語り部。
『少年』とか他人事で書いてるけど、語ってるのはそのぼっちである本人、すなわち少年である『僕』なのだから、これからは『少年』ではなく『僕』と言おう。
否、書こう。
さて、前置きからここまで長々と語ってしまたが。
そろそろ、少ね…僕に起きた、というか、僕と出会った、一人の神様の話をするとしよう。
♦
君達勝ち組は、神と聞いて何を思い浮かべるだろう。
神々の父である『ゼウス』か。
はたまた、死を司る神『ハデス』か。
いや、ここはこの国らしく、
八岐大蛇を討伐して見せた『ヤマトタケルノミコト』か。
はたまた、太陽の化身『天照大神』か。
ふてくされて岩に隠れた天照を、引きずり出すために岩の前で踊り狂ったのは、果たして誰だったかは知らないけど、そんな話は有名だし、
ハデスとゼウスが兄弟なのも、てかゼウスに兄弟が多いのも、実はゼウスっちてば結構女(てか女神?)ったらしだったという話もある。
まあ、神と問われて、皆が思い浮かべるのはそんな『有名』な彼ら、もしくは彼女らだろう。
しかし、
この世には、まだあまり知られていない神も、数多く存在するのだ。
例えば、『ガネーシャ』というインドの神を。
果たしてどれだけの人が知っているだろうか。
例えば、『ぼち神』という謎の、陽気でデリカシーが無くて、酒と女と金に目が無い、てかそれらにしか目がいかない神を。
果たしてどれだけの人が、知っているだろうか。
「お前またぼっちなんかいな」
と。
開口一番に言われたら。
疑いなさい。
それはきっと彼、もしくは彼女に、
『ぼち神』様がとり憑いている。
ちなみにこの時、『お前まだボッチなのかよ~』とか。
『まあたぼっちか~!』というようなセリフは、ぼち神様とは無関係であることを先に言っておこう。
「お前またぼっちなんかいな」
と。
関西弁『もどき』のセリフだったら。
気をつけろ、ぼち神様が、とり憑いている。
…。
おっと。
また無駄に文字数を重ねてしまった。
きっと作者が短編というものに慣れてなくて、「文字数とか文字数とか文字数とかを稼がなきゃダメかな」とかいう謎の概念にとり憑かれているからだろう。
見逃してほしい。
さてさて。
やっと本編に行こうではないか。
あるところに一人の少年がいました。
から、始めようではないか。
♦
あるところに、それはそれは人との付き合いが苦手を通り越して不可能の領域にまで達した少年がいました。
増えてる?
何が?
少年は『ぼっち』でした。
ぼっちとは…とか説明するとホントに長くなってしまうので、今回(まあ初回なんだが…)は割愛させていただく。
グーグ○先生にでも聞いてこい。
ggrks。
ふむ。
少年はいつも通り遅刻ギリギリに起きると、朝食を食べ、悪魔の乗り物に乗って学校に向かう。
ちなみにこの鬼畜火車という乗り物は、簡単に言うと『人口密度がぱない乗り物』であり、乗り物酔いのしやすさと言ったら自家用ジェットの比ではない。
自家用ジェット持ってないけど。
そんな鬼と悪魔が創りし車に、揺られ揺さぶられ。
僕は乗り換えるため一度駅に降り立った。
周りの風景など一切描写出来ないほどに疲れ切っていた僕は、一度反対方面の|神殺しの兵器に乗ってしまい、慌てて引き返してきたこともあり、いつもよりも冷静では無かった。
ちなみに受験の日も、まずは目的の駅を通り越し、次は戻り過ぎ、再び通り越して最後に何とか到着したという経験からも分かる通り、『方向音痴』なのである。
そもそも魔槍の神器自体乗らないっていうか乗りたくないので、一向に方向音痴は直らず。
今でも絶賛続いている。
さて人類史上最悪の兵器の話はこれくらいにして。
駅に降臨した僕は疲れていたが、先ほども述べた通り、一度反対方面に行っているため、そろそろ時間がヤバかったのだ。
急いで乗り換えようとした。
さっさと乗ってしまえば学校まではすぐだと自分に言い聞かせ。
乗り換えようとしたら。
声がかかった。
「お前またぼっちなんかいな」
と。
関西弁に似た言語で、しかし関西弁とは呼べない関西弁で。
語られた。
語りかけられた。
これが僕と、ぼち神様との出会いだった。
何とも雰囲気が無くて。
それでいてどこか間抜けささえもうかがえる。
そんな、出会いだった。
♦
「お前またぼっちなんかいな」
と。
ぼち神様は言う。
始めは誰だ?と思った。
しかし、この目の前の不抜けた顔をしている老人っぽいけどなんか宙に浮いてる人を見て、
ああ、これが明析夢ってやつか、なんて。
その時はそんなことを考えていた。
「いやいや夢ちゃうで?ワシが出てきとんのは、ジブンがぼっちだからや。ワシが見えとんのはジブンしかおらへん」
と言う不抜けたお爺さんに。
僕は危うく蹴りを入れるところだった。
僕はぼっちじゃない。
決して。
断じて。
違う。
「ならなんでジブン、飯食う時いつも一人やねん?」
そそそそれは。
一人が好きだからだよッ!
アイラブ一人!
どこかの深夜番組も『WE ARE THE ひとり』なんていう曲を作っていたではないか!
「へえ。でもワシが出てこれんのはぼっちである人間だけやさかい、ジブンがぼっちなのは確定なんやけど」
だからぼっちでは無い!
そこ重要!
テストに出るよ!?
「まあええわ。とにかくジブン、これからどないすんねん」
え?
「このまま3年間ずっとぼっちなのは耐えられへんやろ?やからワシが何とかしてやるっちゅうに出てきたんよ」
そうなんすか?
僕、ぼっち卒業出来るんですか?
BT卒業出来ますか!?
「おうよ。ワシにまかせんしゃい!」
ぼち神様はそういう。
で?
僕がBT卒業するためには何をすればいいんですかね?
「せやなぁ」
なにか凄い秘策でも出てくるのだろうか。
「まずは友達作ろうか、ジブン」
「それが出来てねぇからぼっちなんだろうがよぉぉぉおおおおおおおおおおおッ!」
こうして、自称ぼっちの為の神である、『ぼち神様』と、
こちらも自称ぼっちではない人である僕。
果たしてそんな二人(?)は無事にBTを卒業出来るのか。
それはまた、別の機会に。
…あるのかなぁ?
後書き
感想などで反応があったら……
続編も考えようか、なあ?
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